今月6日に築地市場(東京都中央区)の営業を終えた東京都中央卸売市場は、昨日まで引っ越しを終え、今日11日早朝から新たな豊洲市場での営業を開始した。
築地市場は、老朽化と狭隘などで、都は2001年に新市場への移転を計画、紆余曲折を経て、当初は、2016年11月に豊洲市場への移転を決めたが、土盛りの不履行や、地下からの有害汚染水の浸潤などがあり、小池百合子知事のより移転が延期されていた。
その後、地下からの汚染水は依然として止まっていないが、専門家の見立てで、人体には影響ないとされ、小池知事が移転を承認、当初の予定から2年遅れで開場した。
これにより、1935年に作られた築地市場は、83年の歴史に幕を閉じ、豊洲市場に引き継がれた。
豊洲市場は、築地市場から2.3キロ離れた臨海部に位置し、広さは築地市場の1.7倍となる40ヘクタール、約6千億円をかけて整備された。
開放型の築地市場と違い、閉鎖型で24時間、低温で商品を管理する「コールドチェーン」が実現し、衛生面では大きく進歩しているという。
施設が国際水準となり、加工なども市場内で衛生管理しながら行えることから消費者サイドの注文により細かく対応することが可能。国内遠隔地や海外などを含めた今後の販路拡大も期待されている。
しかし、流通メカニジムの変化により、取扱量の減少が危惧され、ランニングコストの増大などで、黒字経営だった築地市場に比べ、赤字が予測され、その補填をどうするか、根本的部分で既に課題が発生している。
また、入居業者が、築地市場当時より25少ない533業者の中には、売り場面積が狭いという意見もでているようだ。さらに、交通渋滞などの課題も指摘されている。
その他、場外市場はほとんどが築地に残り、豊洲ブランドの確立は、簡単ではなさそうだ。
約400年前に始まった「日本橋魚河岸を」ルーツに持つ「築地ブランド」に代わる「豊洲ブランド」の定着に向け、目利きの力が試される。「関連:2017年9月27日」