今日、衆参両院予算委員会の集中審議があった。特に外交・防衛問題とTPP参加問題に対し、野田佳彦内閣と与野党委員の一対一の論戦が展開された。
注目は、一川保夫氏に代わって防衛相に就任した田中直己氏に集まった。その田中防衛相は、午前中の衆議院予算委員会では、自民党のベテラン町村信孝氏の質問や、午後の参議院予算委員会の民主党広田一氏のやさしい質問に無難に答え、この分では悪評を覆すのかと思った。
ところが、その見方は直ぐに崩れた。広田氏の後、質問に立ったのは防衛の専門家・自民党の佐藤正久氏だからたまらない。佐藤氏は自衛隊上がりの経験と知識で遠慮容赦なく田中防衛相に強烈な質問を浴びせると、案の定、田中氏はたちまち、ちぐはぐな答弁を連発、自信なさそうに野田首相など閣僚席を振り返ったり、石井一予算委員長に答弁を促されたり、たまりかねた渡辺周副大臣が代わりに答弁に立ったり、後ろに控えていた官僚から援助を求めたり、猛烈な野党からの罵声に、大きな体を小さくしていた。
この状態を間の当たりにして、野田首相など他閣僚は居ても立ってもいられなかったに違いない。また、与党席の議員もさぞかし気をもんだことだろう。
それにしても、田中氏は2009年から2010年の1年間、参議院外交防衛委員長を務めている。また、慶応大学出身で能力的になんら問題なさそうに思う。
早くも任命責任を問われた野田首相は、初めての予算委員会質疑で緊張しているのだろう。とかばったが、今後も、今日のような大臣答弁を続けるようでは、野党が厳しく指摘したように、沖縄問題を解決する責任者として、適格性を欠くと言わてもしょうがない。