野田佳彦内閣が消費税増税路線を進む中で、早晩立ち行かなくなり、解散総選挙がそんなに遠い話ではないような気がする。むろん、ここで選挙をやれば民主党は大敗北を喫する可能性が高く、震災復興のことを考えれば、選挙をやっている余裕など無い筈だが、背に腹は代えられなくなり、野田首相がイチかパチかの勝負に出ることは絶対ないとは言えない。
選挙になると、一気に政界再編成になだれ込むことになるかも知れない。昨日は、石原慎太郎東京都知事を国民新党の亀井静香氏が担ぎ出し、たちあがれ日本の平沼赳夫と一緒に新党結成に向かうとのことだ。亀井氏らは、さらに大阪市長の橋下徹氏や愛知県知事の大村秀章氏を巻き込んで、地方分権色と人気を旗印に、一大勢力の結集を目論んでいるようだ。ただ、橋下氏はこの動きに乗るかについては、慎重になっている様子だ。
それもその筈で、石原氏らの新党は、石原氏自身が言っているとおり、ロートル連中の集まりになる可能性が高く、大阪で、若さと斬新さを売り物に、先物買いで一大勢力を築いた橋下氏とは、いかにも収まりが悪い。
その橋下氏も、大阪維新の会で衆議院選に300人の候補者を擁立すると言っている。また、民主党の小沢一郎元代表グループも、内山晃元総務政務官ら9人の衆院議員が一足先に民主党を離党、新党きずなを結成した。新党きずなが、小沢氏らと合流して新党を結成するのか、これについては小沢氏の検察審議会裁判の結果にもよるだろうが、可能性としては大いに有りだ。
また、若し石原慎太郎氏が、新党の頭になり、新党に自民、民主の保守勢力が加わることになれば、現自民党幹事長で、慎太郎氏の息子であり、次期自民党総裁候補の1人と言われている石原伸晃氏の立場が難しくなる。
しかし、今の政界は、民主、自民の2大政党が、それぞれ内部に保守、リベラル、革新等考え方の違う者が混在し、そのため政党の基本的な姿勢が定まらず、どんな方向で政治を行おうとしているのかうやむやな状態になっている。
いっそのこと、今度の石原新党構想をきっかけに、思想信条中心の政界再編成が成れば、国民の投票行動にもプラスになると思う。