第180通常国会の初日、野田佳彦首相は衆議院本会議で就任初の施政方針演説を行い、社会保障と税の一体化を進めるため、消費税の引き上げを柱とする政策実現について、与野党と国民に協力を求めた。
首相は演説で、一体改革について、「社会の希望を取り戻す第一歩を踏み出せるかどうかは、一体改革の成否にかかっている」と意義を強調。税率引き上げ後の消費税収については、地方消費税分を除き、社会保障の費用に全額充てることを明示し、かって自民党の福田康夫、麻生太郎両元首相も施政方針演説の中で税の引き上げについて主張していたと述べ、問題意識は与野党が共有しているとして、与野党協議を求めた。
しかし、政府・与党は消費税率引き上げ関連法案の今国会成立を目指すが、野党は応じる姿勢を見せておらず、与野党間で衆院解散含みの緊迫した攻防が展開されそうだ。
野田首相の演説に続き、玄葉光一郎外相、安住淳財務相、古川元久国家戦略相がそれぞれ演説した。明日以降、野党代表が、政府演説に対する代表質問を行い、通常国会は6月21日まで150日に亘り論議が展開される。
ただ、今国会も、自民党など野党は、政策より政局を念頭に、前閣僚の失態や、先の田中直己外相の普天間基地問題に対するへま発言などについて、またも重箱の隅を突くような質問攻勢を掛けてくることは間違いない。
一方、消費税増税については、先に9名の反対議員が離党し、新党をつくるなど、TPP加盟と合わせ、与党内では、小沢一郎元代表グループなどの反対勢力を抱え、その小沢氏は検察審査会告訴の判決を4月に控えているなど、予算関連法の攻防が予想される3月から、6月の国会会期末に掛けて、政局はどのように展開するのか、解散総選挙を含み、波乱は免れなさそうだ。「関連:1月18日」