正さん日記

世の中思いにつれて

安全性は確保されたか、柏崎狩羽原発7号機再開

2009-05-08 14:28:53 | 経済
 平成19年7月16日に起こった中越沖地震で停止した東京電力の新潟県・柏崎狩羽原発の内7号機が9日にも試運転する見通しになった。安全性にこだわってきた泉田裕彦県知事が7日、運転再開を認めたからだ。
 
 しかし、世界に類を見ない地震による長期間の停止は、再開されたとしても、必ずしも安全性に確信があるわけではないようだ。
 M6.8の中越沖地震では、7基の原子炉を有する柏崎刈羽原発で火災が発生、黒煙を噴き上げる映像は世界に配信され、国内外に大きな衝撃を与えた。
 柏崎狩羽原発は、7機の稼働停止が続いているが、その内7号機の他6号機の耐震工事をほぼ終えたものの、残る1~5号機の稼働再開の目途は立っていない。
 
 東電は、平成20年3月期が1501億円、平成21年3月期が846億円の赤字になっている。原発の停止が続くと、平成22年3月期では火力発電所の燃料費は原発より年間4000億円かかる見込みで、1機稼働すれば、年間600億円の増益になるとのことだ。また二酸化炭素排出面でもかなりの経費が助かるとのことだ。
 
 このような東電の経営問題が差し迫る中で、泉田知事に対する再開要請の圧力は凄まじかったようだ。県民の安全に責任を持たなければならない立場の知事は、自ら1人の判断では決めかねて、専門家を集めて安全性の検証をし、最終的には県議会へも諮問もした上での決断だったようだ。
 しかし、M6.8クラスの地震はこれからも発生する恐れは十分考えられ、完璧な耐震工事が困難性のある中で住民の不安は残ることになった。
 
 二酸化炭素削減に向け、化石燃料以外のさまざまな発電設備の開発が進んでいるが、原発による非二酸化炭素化は、各国でも見直されているにしても、わが国の場合は、何といっても地震大国であることから逃げられず、原発の維持、拡大は極めて問題があるのが現状だ。
 電力会社は、こと原発問題になると、とたんに秘密主義を押し通すが、万が一のことが起こってしまったなら、最早取り返しがつかなくなる。利益、環境、安全のはざまの中でも、原発稼働についての拙速は許されない。
関連:20年12月23日
コメント
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