5年ぶりのインドの総選挙で、国民会議派を軸とする与党連合が過半数に迫る議席を獲得、与野党接戦という事前の観測を覆す勝利を挙げた。
この結果2004年から政権を率いるシン首相(76)の続投が確実となった。
インドでは、独立闘争以来の国民会議派と、ヒンドウー至上主義のインド人民党(BJP)が長く拮抗してきた。だが最近は、地域小政党や左翼政党が勢力を伸ばし、大政党はこれらの小政党と連立しなければ政権を維持できないという不安定な状態が続いていた。
今回もその傾向が強まると予想されたが、国民会議派は546議席のうち単独で200議席以上を確保できる見通しだ。中小政党との連立は変わらないものの、基盤は格段に強くなり、安定した政権運営が可能になりそうだ。
さまざまな要因が絡まっての結果だが、煎じつめれば貧困対策を重視してきたシン政権の実績と姿勢が評価されたと見られている。
11億人の人口を抱えるインドは中国、ロシアとともにブリックス(BRICS)を形成、政治・経済とも安定性を増しているが、周辺のパキスタン、アフガニスタン、ミャンマー、スリランカなどは依然として不安定なままに世界から注視されている。
「スリランカの内戦が終結」
この中で、1983年から武力闘争が続けられてきたスリランカは、反政府武装勢力の「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が18日、最高指導者のブラバカラン議長が殺害されたことにより壊滅した。
スリランカは人口の7割強を占め、仏教徒の多いシンハラ人に配慮した政府が、50年代からシンハラ語の公用語化や仏教保護政策を推進、これに、人口2割弱と少数派でヒンドウー教徒の多いタミル人が反発、83年から政府軍とLTTEがゲリラ戦などで交戦を続けてきたが、ついにその幕を下ろした。
しかし、戦後もタミル人に対する圧力が無くなる保障は何もないようだ。
「裁判にかけられたアウン・サン・スーチー」
一方、ミャンマーでは依然として軍事政権が、民主化運動指導者アウン・サン・スーチーさんに対する強圧を続けているが、自宅軟禁中のスーチーさんが、禁止されている外国人を自宅に滞在させたとして国家防御法違反の罪で訴追を受けている。
その裁判が18日ヤンゴン郊外のインセイン刑務所内の法廷で非公開で始まった。容疑は今月上旬、ヤンゴンのスーチーさん宅に、アメリカ人男性が侵入した際、当局に報告しないで滞在を許したことが違法とみなされたものだ。有罪になると禁固3~5年に科せられるとのことで、正にアメリカ人男性の侵入は、軍事政権の思う壺になった。
ミャンマー軍事政権は、国際社会の警告にいっさい耳を貸さず、民主化はいっこうに進展していない。
タイの不安定な状況も余り変化がなく、北朝鮮を入れるとアジア全体としての安定化はまだまだ先の話になる。
この結果2004年から政権を率いるシン首相(76)の続投が確実となった。
インドでは、独立闘争以来の国民会議派と、ヒンドウー至上主義のインド人民党(BJP)が長く拮抗してきた。だが最近は、地域小政党や左翼政党が勢力を伸ばし、大政党はこれらの小政党と連立しなければ政権を維持できないという不安定な状態が続いていた。
今回もその傾向が強まると予想されたが、国民会議派は546議席のうち単独で200議席以上を確保できる見通しだ。中小政党との連立は変わらないものの、基盤は格段に強くなり、安定した政権運営が可能になりそうだ。
さまざまな要因が絡まっての結果だが、煎じつめれば貧困対策を重視してきたシン政権の実績と姿勢が評価されたと見られている。
11億人の人口を抱えるインドは中国、ロシアとともにブリックス(BRICS)を形成、政治・経済とも安定性を増しているが、周辺のパキスタン、アフガニスタン、ミャンマー、スリランカなどは依然として不安定なままに世界から注視されている。
「スリランカの内戦が終結」
この中で、1983年から武力闘争が続けられてきたスリランカは、反政府武装勢力の「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が18日、最高指導者のブラバカラン議長が殺害されたことにより壊滅した。
スリランカは人口の7割強を占め、仏教徒の多いシンハラ人に配慮した政府が、50年代からシンハラ語の公用語化や仏教保護政策を推進、これに、人口2割弱と少数派でヒンドウー教徒の多いタミル人が反発、83年から政府軍とLTTEがゲリラ戦などで交戦を続けてきたが、ついにその幕を下ろした。
しかし、戦後もタミル人に対する圧力が無くなる保障は何もないようだ。
「裁判にかけられたアウン・サン・スーチー」
一方、ミャンマーでは依然として軍事政権が、民主化運動指導者アウン・サン・スーチーさんに対する強圧を続けているが、自宅軟禁中のスーチーさんが、禁止されている外国人を自宅に滞在させたとして国家防御法違反の罪で訴追を受けている。
その裁判が18日ヤンゴン郊外のインセイン刑務所内の法廷で非公開で始まった。容疑は今月上旬、ヤンゴンのスーチーさん宅に、アメリカ人男性が侵入した際、当局に報告しないで滞在を許したことが違法とみなされたものだ。有罪になると禁固3~5年に科せられるとのことで、正にアメリカ人男性の侵入は、軍事政権の思う壺になった。
ミャンマー軍事政権は、国際社会の警告にいっさい耳を貸さず、民主化はいっこうに進展していない。
タイの不安定な状況も余り変化がなく、北朝鮮を入れるとアジア全体としての安定化はまだまだ先の話になる。