正さん日記

世の中思いにつれて

成功するはず無い、北朝鮮の挑発行為

2009-05-26 06:13:39 | 世界
 北朝鮮は5月25日、地下核実験を強行した。2006年10月9日の核実験に次ぐ2回目の暴挙である。
 今回行った核実験の爆発規模が、最大で長崎型原爆並みの20キロトンである可能性がロシア国防当局などの観測で浮上した。実験の成功が正式確認されれば、前回実験(1キロトン未満)をはるかに上回る威力で、北朝鮮は核開発能力を一段と高めたことになる。日米韓など国際社会はこれに対し、「国際平和と安全への脅威」(オバマ米大統領)などと一斉に非難の声を上げた。

 さらに、韓国合同参謀本部によると、北朝鮮は25日午後、咸鏡北道舞水端里から1発、江原道元山周辺から2発の短距離ミサイルを日本海に向けて発射した。日米の偵察機の飛行を妨害するのが目的とみられている。
 北朝鮮は4月5日に自らは人工衛星と称してテポドン級のミサイルを打ち上げたが、今回の行為もつまるところアメリカとの直接交渉を促す目的のためと見られている。
 しかし、アメリカは正面上、あくまで北朝鮮問題は6各国協議の範囲内で進めることを明言しているので、おいそれと単独での交渉に応じることはなさそうだ。

 4月に次ぐ北朝鮮の矢継ぎ早の暴挙に対し、4月の人工衛星騒動の際には、国連安保理で、北朝鮮を擁護した中国、ロシアも、さすがに今回は擁護を続けることによる国際社会との乖離を避けるため、厳しく対処せざるを得なくなっているようだ。
 北朝鮮は事前に米国や中国などに実験実施を通報していたとされるが、中国外務省も「国際社会の反対を無視して再び核実験を行った」とし、「断固として反対する」との声明を発表、国際社会の懸念に同調した。ロシア外務省も決議違反と非難した。
 このような中で、国連安全保障理事会は日本時間26日午前に緊急会合を行い、対応を協議する見通しで、北朝鮮への新たな制裁措置を定めた新決議採択を視野に各国の外交的駆け引きも本格化しそうだ。
 今後は安保理での協議に焦点が移るが、果たして今回は、中ロが北朝鮮の友好国であるという立場を超越して、日米韓などが求める厳しい措置にどのように呼応してくるのか注目される。 
 
 北朝鮮は、一時は6各国協議の合意に添って、核開発の中止に着手、アメリカのブッシュ政権も議会で北朝鮮を「テロ支援国家」指定から解除するまでになった。
 ところが、オバマ政権の樹立に合わせたように、再びミサイル発射や核実験を行うという強行手段に転じている。北朝鮮の狙いは、オバマ政権に対しブッシュ時代より、より有利な条件を獲得したいという意図が明白だが、核廃絶を明言しているオバマ大統領と相反する行為を同大統領が容認する分けがない。
 北朝鮮の意図は、核兵器を温存しながら、アメリカからテロ支援国家指定を外してもらい、さらに経済援助を望むという虫の良い要求だ。それを強盗まがいの核の脅威で迫ろうとしているのだから、成功する筈がない。
関連:4月15日

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