住みたい習志野

市内の情報を中心に掲載します。伝わりにくい情報も提供して行きます。

入管収容所でスリランカ女性死亡。謝罪どころか、入管法改悪ねらう菅内閣

2021-04-28 10:24:52 | 入管

入管収容所でのスリランカ女性死亡事件。「点滴や入院が必要だった」のに医療放置したのが原因だった

 オーバーステイ(ビザが切れた)外国人を収容する「入管」。先月、名古屋入管の施設内で1人のスリランカ人女性が死亡しました。体調の不良を訴えていたという女性。点滴を求めていたにもかかわらず拒絶され、死亡したことが報道されています。

【独自】スリランカ女性、死亡時の血液検査で異常な値 「点滴や入院必要だった」と医師:東京新聞 TOKYO Web

今年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が、名古屋出入国在留管理局に収容中に死亡した問題で、緊急搬送された...

東京新聞 TOKYO Web

 





謎の死…入管でまた「悲劇」が起きてしまった(織田 朝日) @gendai_biz

昨年、インドネシア人男性が入管で死亡した時の記事。ここにはこう書かれています。
「職員に反抗的な態度をとったり、口論でもすれば大勢の職員が飛んできてたちまち後ろ手錠をかけられ暴力を振るわれ、監視カメラがぶら下がり、三畳ぐらいのスペースで、何もなくトイレは部屋に穴があいているだけの保護室(懲罰房)に連れて行かれる。
 ここには人権もなければ、人としての尊厳も保つことはできない。いくら死者を出そうが不思議ではない場所なのだ。」


1月にもカメルーンの女性が「医療放置」で無くなったばかりです。

偽りの共生:死の直前「漢字勉強したい」カメルーン出身者は救えなかったのか | 毎日新聞

 念願だった1枚のカードが届いたのは、息を引き取った3時間後だった――。日本で難民認定申請中だったアフリカ・カメルーン出身の42歳の女性が1...

毎日新聞

 

クルド人難民に対し、入管職員が暴行

2017年には警察署(「入管」と同じ、法務省管轄)でネパール人男性が命を奪われています。

2010年、ガーナ人男性が入管職員に押さえつけられ、窒息死。一審で国に500万円の支払い命令が出たが、ニ審で敗訴。

強制送還中に急死のガーナ人、遺族が逆転敗訴 東京高裁判決

2014年カメルーン人男性死亡事件

カメルーン人男性死亡事件国賠訴訟|公共訴訟のCALL4(コールフォー)

2014年スリランカ人男性死亡事件

その難民はなぜ死んだのか、入管収容所の現実

 祖国スリランカの海沿いの町に夫の無事を祈る妻を残し、およそ1年3カ月前、ニクラ...

Newsweek日本版

 

2018年インド人男性自殺

牛久入管収容所で印人男性自殺、長期収容など懸念再燃

2019年ナイジェリア人男性「謎の死」

大村入管に収容されたナイジェリア人の“謎の死”。死因も経緯も明かされず | ハーバー・ビジネス・オンライン | ページ 2

突然、人が変わったようになってしまったサニーさん6月24日、大村入管(長崎県)で収容されていたナイジェリア人サニーさんが3年7か月の長期収容...

ハーバー・ビジネス・オンライン

 

入国管理局における公表された死亡事件(1997年~2018年4月)

 合計17件

1997年8月9日 イラン 東京入国管理局第二庁舎(東京都北区) 職員による暴行致死の疑い
2001年10月30日 ベトナム 西日本入国管理センター(大阪府茨木市) 自殺
2006年12月 ナイジェリア 東京入国管理局(東京都品川区) 病死
2007年2月 ガーナ 東京入国管理局(品川) 病死
2008年1月1日 インド 西日本入国管理センター(茨木) 自殺
2009年3月21日 中国 東京入国管理局(品川) 自殺
2010年2月9日 ブラジル 東日本入国管理センター(茨城県牛久市) 自殺
2010年3月22日 ガーナ 東京入国管理局成田支局 強制送還中の制圧による窒息死の疑い
2010年4月9日  韓国 東日本入国管理センター(茨城県牛久市) 自殺
2010年4月 フィリピン 東京入国管理局(品川) 病死
2010年12月 フィリピン 東京入国管理局(品川) 病死
2013年10月14日 ミャンマー(ロヒンギャ) 東京入国管理局(品川) 医療放置による病死
2014年3月29日 イラン 東日本入国管理センター(牛久) 誤嚥性窒息死(医療放置)
2014年3月30日 カメルーン 東日本入国管理センター(牛久) 医療放置による病死
2014年11月22日 スリランカ 東京入国管理センター(品川) 医療放置による病死
2017年3月25日 ベトナム 東日本入国管理センター(牛久) 医療放置による病死
2018年4月13日 インド 東京入国管理センター(品川) 自殺

(以上、2018年4月までのデータ)

相次ぐ外国人収容者の死。牛久の東日本入国管理センターで何が起きているか | ハーバー・ビジネス・オンライン

昨今、ネトウヨの皆さんが自慢げに語るのは「日本は素晴らしい国だ」という話です。日本の文化に世界が釘付けになっているとか、日本企業の戦略に世界...

ハーバー・ビジネス・オンライン

 

収容中の中国籍の男性に対し、男性入国警備官が「外国人をイジメるのが楽しい」と発言していたことが発覚。この中国籍の男性は刑事事件を起こして在留資格を取り消されていたのですが、日本語で雑談中に「外国人をイジメるのが楽しい」と発言したというのです。

集団暴力、無期限拘束……。あまりに酷い、入管収容所における外国人虐待の実態 (2018年6月19日) - エキサイトニュース

「ここは刑務所よりもひどい」彼女たちから奪われた希望。入管収容者の叫び

救急車を二度追い返した!東京入管の非道、医師法や法務省令に違反の指摘~手遅れで死亡した事例も(志葉玲) - Yahoo!ニュース

入管収容所、そこは、「日本の恥部」。一度収容されれば、いつ出て来れるかわからない、生きて出られるかもわからない場所。異国の地で無念の死をとげた難民、移民の人たちの血と涙がしみついた場所です。

そして政府はこれら多くの命を奪ってきたことを謝罪するどころか、難民の人たちを「帰れば命が危ない」母国に「強制送還」する「入管法改正」を強行しようとしています。

(「住みたい習志野」のこれまでの記事です)

日本大丈夫?最悪の法改正。入管法改悪問題、30万回再生のビデオで良くわかる。 - 住みたい習志野

「日本のお金で人殺しをさせないで!」ミャンマー国軍支援があぶり出した「平和国家」日本の血の匂い(ニューズウィーク) - 住みたい習志野

きょう(28日)も緊急アクションが予定されています

入管法改悪に反対する緊急アクションシットイン:次回開催 4月28日(水)

移住連は、今ここにある移民社会のために多様性を豊かさと捉える社会を目指して活動するNGOです。在日外国人人口は324万人を超え、日本には、多...

移住連

 

 

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タクシー会社社長の「坂本さん」って、どんな人?(ブログ読者からの情報)

2021-04-27 08:18:06 | 市民の声

ブログ読者の方からご紹介いただいたネット記事

タクシー会社社長の「正論」に、橋下徹氏タジタジ(読者からの紹介記事) - 住みたい習志野

に出て来るタクシー会社社長坂本さんについて、再度ブログ読者の方から以下の情報提供をいただきました。

テレビに出ていた「路線バス廃止で通学できなくなった子供を送迎してくれた」おっちゃんが坂本社長

大阪発全国区の名物番組として「探偵ナイトスクープ」という番組(朝日放送)があります。関東だけはなぜか、テレビ朝日が頑固に放映しないので東京の人間は知らないのですが、東京を飛び越えて、東北でも九州でも放送しているという人気番組です。

そのナイトスクープに5年ほど前、坂本社長が登場しました。

「日本城タクシー」の路線バスが廃止になり、それで通学していた子供が学校に行けなくなった。そこで、タクシー会社の社長が毎日車を出し、送迎してくれた。今度転居することになり、それももうお別れだ、というお話。

『探偵ナイトスクープ 社長さんと最後のお別れ』

人情に厚い社長だということで、当時評判になりました。

従業員をクビにするわけにいかんと観光バス3台を売却

やがてそれも人の話題にもならなくなったところがこのコロナ禍に入り、各観光業者が困っているというニュースがテレビに流れます。

これを見た視聴者が一斉に、「ナイトスクープのあのおっちゃんや!」とツイートしたことで、大阪では再び有名人になってしまった。弁も説得力がある。そこでテレビ局が橋下徹と対決させたところ、さらに評判になった、ということのようです。

従業員をクビにするわけにいかんと観光バス3台を売却し、ペットの葬儀だの日本酒の販売、さらには「ベビーカステラ」の販売と、生き残りを賭けて多角化を進めているとのこと。たいした売上も経営努力もしていないのに、営業補償、営業補償と騒いでいるのではなく、そこまで頑張ってやっている社長の怒りだからこそ非常に説得力があり、橋下も論点をすり替えて逃げ回ることしか出来ないのだろうと思います。

【報道1930】大阪の日本城タクシー会社の坂本社長 橋下徹を完全論破、反論を試みた橋下徹も最後は沈黙 | いろいろまとめbeans

『関西3知事が28日めどで“宣言解除”を要請』 ▽橋下徹×小川淳也 「早期解除の功罪は?」 ▽“あの”大阪バス会社社長が始めた「新商売」とは

いろいろまとめbeans

 

(以上がお知らせ頂いた内容です。情報提供、有り難うございました。)

 

一方、大阪府の吉村知事は週刊誌でこんな風に書かれています。

吉村洋文大阪府知事 珍策連発で誰が呼んだか「ナニワの小泉進次郎」 (msn.com)

吉村洋文大阪府知事 珍策連発で誰が呼んだか「ナニワの小泉進次郎」

新規感染者が連日1000人を超える大阪府で、吉村洋文知事(45)への批判が止まない。連日のテレビ出演には「そんな時間があったら仕事をしろ」と声が上がり、府内の小中高校に部活自粛を求めれば「子供にばかり無理を強いるな」とブーイング。2月に緊急事態宣言解除を1週間早める“判断ミス”をして以来、強い逆風が吹き続けている。

 そんな吉村知事に、最近ネット上でこんな“異名”が付けられた。「ナニワの進次郎」──。

 進次郎とは、もちろん小泉進次郎・環境相(40)のこと。若々しく端正なマスクに七三分けのヘアスタイル、強い目力──ルックスは似ているような、でも似ていないような……。

 実際は、大阪府民にとっては“ネガティブな共通点”が渾名(あだな)の所以(ゆえん)の様子。大阪市で飲食店を営む50代男性が言う。

「やっぱり“言葉の軽さ”やろ。こっちは営業自粛で客が来ないので来月の生活すら不安なのに、吉村はんは『酒なし営業をやったら』みたいに、深い考えもない適当な案をぶち上げたりする。去年、イソジンでうがいをするとコロナの陽性率が減るって言うたのにも呆れましたわ。進次郎はんも“プラスチックのスプーンを有料化する”ってぶち上げたり、国連で“気候変動問題はセクシーに”とか言って恥かいたり……。要はテレビや新聞で見出しになるような言葉を言おうと狙っとるだけ」

 人気が先行し、その反動で失望の声が増えてきたことも同じだ。大阪在住のジャーナリストで、元読売新聞大阪本社社会部記者の大谷昭宏氏が言う。

「2人とも人気があり視聴率が取れるため、持ち上げられてきた。それを実力と勘違いしてしまったわけです。吉村氏は橋下徹・元府知事を、進次郎氏は父親の純一郎・元首相を形だけマネしている“劣化コピー”のようなもの。コロナ禍が真実を炙(あぶ)り出した」

 両者に汚名返上の機会は訪れるか。

(週刊ポスト2021年5月7・14日号)

さて、ブログ読者の皆さんは「坂本派」?「吉村派」?

(追加投稿)
他のブログ読者の方から「日本城タクシーは、ヘイトスピーチ反対のステッカーでも有名だよ。」というコメントを頂きました。有難うございます。

それについては、以下の記事がありました。

ヘイト問題をどう扱うか?あるタクシー会社社長が出した、一つの答え(安田 浩一)

正義の悪徳社長

事務所のドアを開けたら、ちょうど業界紙の取材中だった。

「おお、そうだった。約束重なっていたな。すまん、すまん」

軽く頭こそ下げているが、特段にすまなそうな感じはなく、笑顔で私を部屋の中に招きいれた。

「で・・・・・・誰やったっけ?」

そう言いながら人懐(なつ)っこそうな表情で私の顔を覗(のぞ)き込む。それが、この人の持ち味なのだろう。悪い感じはしない。

坂本篤紀(49歳)――。大阪市住之江区に本社を持つ「日本城タクシー」社長である。あらためて来意を告げると、「ワシ、悪徳社長やからなあ。金儲(もう)けの話なら、いくらでもしまっせ」と大げさに胸を張ってみせた。

この「悪徳社長」、実は地元大阪で少しばかり話題になっていた。

今年(2015年)1月末から、自社で所有するタクシーすべての後部窓に、「ヘイトスピーチ、許さない。」と書かれたステッカーを貼りつけたのだ。いま、大阪市内ではヘイトスピーチに堂々と異を唱える54台のタクシーが街中を流している。

怒号まみれの“差別デモ”だけではなく、うっすらとした排外的な気分が世の中に広がるなか、客商売の民間企業があえてこうした「反ヘイト」を訴えることには、それなりのリスクと覚悟が必要であろうことは想像に難(かた)くない。

だから興味を持って訪ねてみたのだが、間近で見る坂本は当初予想していたような社会運動家的な空気をまとった人ではなく、算盤(そろばん)をパチパチ弾く音が聞こえてきそうな「浪速の商人」然として私の前に現れた。

(日本城タクシーに貼られたステッカー)

雑談を終えると坂本は私を駐車場に連れ出し、停めてあったタクシーの後部窓をポンポンと叩いた。

「目立ちますやろ?」

確かに。

「こんなん貼ってるの、ウチのタクシーだけやから、すぐに『日本城や!』ってわかってもらえますがな」

黄色を背景としたデザインは遠くからでもよくわかる。でも、このデザイン、どこかで目にした記憶があるのだが…。

「法務省の啓発ポスターとそっくりやろ?というか、そのまま使わせてもらった(笑)。もちろん無断使用やない。ステッカー作り終えてから法務省に電話したら、かまへん言うてた。お上のお墨付きや」

今年初め、法務省はヘイトスピーチ防止を目的とした啓発ポスターを製作。1万6000枚を各省庁や出先機関、自治体などに配布したほか、主要ターミナルの液晶広告板にも映し出されるようにしている。

で、この「お墨付き」ステッカーをなぜタクシーに貼ろうと…私の質問が終わらぬうちに、坂本は「商売のためや」と笑いながら答えた。

「大阪はぎょうさんタクシーが走っている。そんななかでヘイトスピーチに反対しているタクシー見つけたら、『ようやってるなあ』と評価してくれるお客さんもいるはずや。わざわざ選んで乗ってくれるお客さんもいるかもしれん。そしたらウチも儲かるがな。な?悪徳社長やろ?」

どこまで本気なのか、たんなる韜晦(とうかい)なのかはよくわからない。だが、小難(むずか)しい理屈をこねて「反ヘイト」を語らないところに、かえって好感を持った。

そうなのだ、ヘイトスピーチに反対するということに、政治的信念やイデオロギーなど必要ない。そもそも差別する側は、きわめてカジュアルに他者を貶(おとし)める。ときに差別じたいを娯楽の道具にする。であるならば、それは許されないことなのだと、社会の“常識”として、普通に返せばいいだけだ。たとえ「商売のため」であっても何が悪かろう。

だが─当然ながら、その「商売」にケチをつける者も現れる。

「なにがヘイトを許さない、や。いい気になるな」

「在日特権をどう思っているんだ。朝鮮人を批判しろ」

坂本の会社にはそんな嫌(いや)がらせ電話が後を絶たない。

「なるほど、これがヘイトっちゅうもんやなあと、むしろ、世の中の気分みたいなもんがようわかりましたよ。だからますますやる気になりましたわ。ナチスみたいな連中をのさばらせてはいかんと」

大阪市長唯一の手柄

「商売」を繰り返し強調する坂本ではあるが、話し込むうちに彼を衝(つ)き動かした二つの風景があることを知った。

一つは“差別デモ”の風景だ。大阪市内で、坂本は何度か在特会(在日特権を許さない市民の会)などが主催する「日韓断交デモ」を直接目にしている。日の丸や日章旗が林立するなか、デモ参加者は韓国に対して、さらには在日コリアンに対して、耳をふさぎたくなるような罵声(ばせい)を飛ばしていた。

「在日は国に帰れ」「大阪湾に沈めたる」。

一部の者たちはヘラヘラ笑いながら「殺せ」と叫んでいた。

政治的な文脈のなかに収まらない薄っぺらな言葉であるだけに、かえって怖かった。背筋が寒くなった。震えが来た。同じ人間が、なぜあそこまで暴走するのか理解できなかったという。

「社会の何かが崩れていくような、そんな気持ちになったんです」

そう話すときの坂本は、それまでのおどけた表情とは違った、なにか物憂(ものう)げな顔つきを私に見せた。

そしてもう一つ。昨年10月20日に大阪市役所でおこなわれた橋下徹大阪市長と在特会の桜井誠(本名・高田誠)会長(当時)の“会談”である。「双方に対して怒りを覚えた」と坂本は言う。

橋下徹元大阪市長と桜井誠との会談模様。ものものしい空気が流れている。

あの日、私もその場にいた。大阪市の広報が事前に配布したプレスリリースには両者の「意見交換」と記されていたが、いざフタを開けてみれば「交換」どころか、プロレスのマイクパフォーマンスまがいの展開となった。

「オマエみたいなのはな、許せねえって言ってんだよ!」「だったらやってみろよ!」

双方が敵意をむき出しにした罵倒の応酬を繰り広げた。激昂(げきこう)した桜井が橋下につかみかかろうとして私服警察官に制止されるといった場面も見られた。

「どっちもどっちだよな。両者ともに下品きわまりない」

その場にいた報道陣からそうした声が漏れたのも致し方なかろう。

私自身は、桜井を「差別主義者」と一方的に断じ、大人が子どもを叱りつけるような態度を最後まで崩さなかった橋下を、この点に関してのみ評価したいと思った。

橋下の在日コリアンに対する認識や政策に関しては大いなる疑問を感じるが、街の風景を汚し続けてきた在特会の代表に対して、「もう来なくていいから」と諭(さと)すのは、けっして間違っていないと思ったのだ。

しかし、坂本は橋下にも桜井にも怒っていた。「そもそも会談なんてすべきじゃなかった。何の意味もない」とまで言う。

「橋下さんは呼ぶべき相手を間違っている。市役所に招くのであれば、桜井じゃなくて市内に住んでいる在日の子どもたちだと思いますよ。子どもたちを市長室に招き入れて、こう言えばいいねん。『みんな心配せんでもええからな。おっちゃんが、あんたら守ったる。絶対に守ったる』」

しかし橋下は被害者ではなく、加害者を呼んだ。対談相手が違うやろ、というわけだ。

そうしたことがあって、坂本は自らがすべきことを決めた。傍観するのではなく、テレビに向かって文句を垂(た)れるばかりではなく、企業経営者として社会に訴えていく必要性を感じたのだという。

坂本自身は日本国籍の日本人であるし、それまで社会運動にかかわった経験もない。若いころは在日コリアンという存在に偏見を持っていたこともある。だが、世の中を知り、ビジネスの経験を積み、生身(なまみ)の在日と交流していくなかで、差別することの愚かさを学んでいく。ヘイトスピーチの飛び交う状況は、商売にも、社会のためにも、何の役にも立たないことを知っていく。

もしも“ヘイトな客”がステッカーに文句をつけてきたらどうするのか。私がそう尋ねると、即座に答えが返ってきた。

「議論すればいいねん。運転手ひとりひとりが、なぜヘイトスピーチに反対するのか、説明すればいい。だから、ウチの運転手は大変や。勉強せなあかん(笑)」(終わり)

 

 

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サウナ持ち込みやパワハラの大阪府池田市冨田市長が辞意

2021-04-27 00:45:36 | 行政

4月14日の「住みたい習志野」記事

「不正を告発」した職員を力づくで黙らせる京都市。まさに「後進国日本」 - 住みたい習志野
についてブログ読者の方から、以下のコメントをいただきました。有難うございます。

市長室にサウナなどの私物を持ち込んだ挙句「密告者探し」を始めて、百条委員会から「市長としての資質を著しく欠く」と認定された大阪府池田市の冨田裕樹市長(44、大阪維新の会を離党済)が辞意を表明した。但し、高齢者のワクチン接種が終ったら、という「条件付」になっている。同市議会は明日、市長不信任決議をする予定だったため、市長の辞意表明はその機先を制しようとしたものと見られている。
 池田市民には、こういう人物をこの危機の時期に市長に選んでしまったことの怖さを、よく噛みしめてもらいたいものです。

市川市長の「公費で360万円シャワー室」「テスラを公用車に」も話題になりました。


奈良県では感染拡大の中でのGoToイート販売に医療関係者などから怒りの声が寄せられています。
奈良がGoTo食事券 憤る医療者 - Yahoo!ニュース

習志野市でもdポイント還元キャンペーンに批判の声が上がりました。
dポイント還元キャンペーンへの市民の質問状に、市長から回答 - 住みたい習志野

どうも最近は自治体の長のタガがはずれてしまっているようです。

そこで今回は、改めて池田市冨田市長のニュースを振り返ってみたいと思います。

(明日にも不信任決議が可決する見込みとなったため、辞意表明。しかしすぐに辞任はしない。市政をめぐって「闇との闘い」があった、と主張)

(副市長と後援会長が「市長の秘密をもらしたのか」職員を問い詰め、「秘密保持契約書」に署名させた)

(役所に月17回宿泊、東大阪市内の住まいとの往復に16万円分のタクシーチケット、職員へのパワハラ)


(運動して体をふいた1週間分のタオルを職員に洗濯させ、職員はメンタルで病院に通院するようになった)


(百条委員会での虚偽証言で刑事告発)

Wikipediaでは、冨田市長について、以下のように書かれています。

2019年4月の池田市長選挙に大阪維新の会の公認で立候補する。対立候補(前市長倉田薫の子息)に対する「世襲」批判票も取り込み、5000票近い差を付けて当選した。

不祥事

市長就任後、私物の自転車型トレーニング器具やストレッチ器具などを市庁舎内の市長控室に持ち込んで使用していたほか、2020年9月には自宅にあった簡易サウナを事務所スタッフらとともに市長室付近の普段は使われていない女子トイレに搬入し使用していた事を同年10月にデイリー新潮が報じた。冨田はその後記者会見を行い、「ヘルニアなどで腰などを痛めており、リハビリなどのためだった」と釈明したうえで「公私混同と思われる行動だった」と謝罪、器具などの使用にかかった光熱費を算出し返金する意向を示した。

11月17日に冨田はサウナの利用に使った電気使用料690円を13日付で市に返金したと発表した。さらに同月19日には冨田が退勤後東大阪市内にある妻の実家に帰るなどしたタクシーチケット代約16万円も電気代と合わせて返金していたことが明らかとなり、冨田は「通勤に準ずるものと理解していたが、公私混同というところを見つめ直した」と釈明した。

議会側は「一連の報道を受け、看過できない」として維新会派を除く全会派が百条委員会(百条委)の設置案を共同提出し、11月26日の市議会臨時会で維新系4人と議長を除く17人の賛成で可決された。同日、「一身上の都合」を理由に大阪維新の会を離党した。

2021年1月13日に百条委が開かれ、この中で秘書課長は7月中旬ごろに冨田から指示を受け同課宛てに送られてきたベッドを組み立てたことを明らかにし、「本意ではなかったが、そうせざるを得なかった」と述べた。また、百条委は不適切な庁舎利用問題のほかに市職員に対するパワーハラスメント疑惑などについても調査を進めており、渡辺千芳委員長は市職員800人に対して行われた情報提供を求めるアンケートの結果、「パワハラの実態が浮き彫りになった」と指摘した。2月24日に開かれた百条委では、新型コロナウイルス感染症に関わる緊急の用件で担当職員が市長室を訪ねた際、控室として利用されている女子トイレから大音量の音楽が流れており、職員がノックをすると『今大事なことをしているので15分待って』と言われたことなどが明らかとなり、冨田はこれに対し「サウナで体調管理していたと思う。イメージトレーニングをして今後の市政などについて考えていた」と述べ、業務に支障はなかったとの認識を示した。パワハラについては冨田は百条委で否定していたが、3月下旬にはAERA dot.が「恫喝」「叱責」が疑われる録音データを入手。冨田はこのデータの内容についても「心当たりありません」と回答した。

また、3月12日の百条委では、冨田がサウナ問題の情報を流したのは秘書課職員であると主張し、副市長に対し聞き取りを指示するなど市長主導で“犯人捜し”が行われていたことが明らかとなった。情報を流したと疑われた職員は、問題が発覚した10月の下旬に冨田の後援会長と副市長の間で、会話の口外を禁止する「秘密保持契約」を交わしていた。この際に職員は後援会長から「情報提供者であることを認めたら将来を約束する」「警察が動いたらもとの生活には戻れない」などと言われ、恐怖を感じ契約に署名したことを明かした。3月25日の百条委では市長専用の市駐車場定期券を支援者らが使用できるようにしていたことや、2020年夏に市内で発生した新型コロナウイルスのクラスターに関連して、議会で当時の所在を問われた際、実際には九州を訪れていたにも関わらず、「淡路島に家族と帰省していた」と虚偽の答弁を行っていたことも明らかとなり、委員からは「市長としての資質に著しく欠ける」「進退を明らかにすべきだ」などと厳しい指摘が相次いだ。

3月29日の市議会では、市議5人から提案された冨田に対する不信任決議案が賛成少数で否決された。提案議員は市長のサウナ設置やパワハラ疑惑などを挙げ「市長が自ら辞職しない以上、市議会が市長を解任するために一刻も早く辞職を求めるべきだ」などと提案理由を説明した。一方、反対した議員らからは「報告書案が出た後、議会の総意をもってはかるべきだ」などの意見が目立った。4月12日の百条委で「不信任決議が相当」とする報告書案が全会一致で可決された。

4月26日、「けじめと責任を取る」として高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種に一定の目処が立ち次第辞職する意向を示した。
(以上、Wikipedia「冨田裕樹」より抜粋)

この辞任騒ぎ、習志野市民の皆さんはどうお感じになったでしょうか?

(追加情報)
批判が相次いだため、奈良県はGoToイートを停止したようです。

奈良県がGoToイート停止 医療関係者から批判相次ぎ | 毎日新聞

 奈良県は27日、政府の外食需要喚起キャンペーン「GoToイート」のプレミアム付き食事券の追加発売を5月11日まで停止すると発表した。販売済...

毎日新聞

 

公明党が反対し、池田市の冨田市長に対する不信任決議案は否決されたそうです。

“サウナ”池田市長の不信任決議案「否決」(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

大阪府池田市の市長が市役所内にサウナを持ち込んでいたなどとして、市議会は市長の不信任決議案を提出しましたが、大阪維新の会と公明党が反対し「否...

Yahoo!ニュース

 



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小中学生へのタブレット貸与  電気代 誰が負担?(4月26日東京新聞)

2021-04-26 08:24:10 | 報道

小中学生へのタブレット貸与で、習志野市教育委員会が保護者に電気代負担を求める同意書を配布したことに対し、「義務教育なのに家庭が負担するのはおかしい」という声があがっています。以下、4月26日付東京新聞の記事です。

<ちばライブ>電気代、誰が負担? 小中学生へのタブレット貸与 家庭での充電求める同意書 習志野市教委:東京新聞 TOKYO Web

小中学生に一人一台の情報端末を配備する国の計画で、習志野市教育委員会が貸与の際に保護者に電気代負担を求めるなどとした同意書を配布した。...

東京新聞 TOKYO Web

 
小中学生へのタブレット貸与 
電気代 誰が負担?

 小中学生に一人一台の情報端末を配備する国の計画で、習志野市教育委員会が貸与の際に保護者に電気代負担を求めるなどとした同意書を配布した。ところが、一部保護者から「義務教育であり、家庭に費用負担を求めるのはおかしい」などの声が上がり、同意書の提出を拒否する保護者も出ている。電気代負担を盛り込んでいない別の同意書が配られた学校もあり、保護者の間では「電気代の負担はどうなっているのか」との声も。文部科学省は「学校で使う端末であり、基本的には学校で充電してもらうことになる」と説明している。 (保母哲)

習志野市教委 家庭での充電求める同意書

 国の「GIGAスクール構想」を受け、全国の小中学校では今年三月末までに、タブレット端末やパソコンがほぼ配備された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン教育での活用も想定されている。
 習志野市教委は今春、市立の小中学校二十三校を通して、保護者向けに「タブレット端末の利用についての同意書」を配布。使用する際のルールや注意点などを挙げ、児童生徒と保護者の署名を求めた。
 書面には「タブレット端末への充電は家庭で行います」などの項目があったことから、保護者の一部が反発。さらに、この項目などがない別の同意書が配られた学校もあり、市教委の対応に疑念を抱く保護者もいる。

(習志野市教委が保護者向けに配布した同意書。3つ目の項目に電気代負担が盛られている)
(電気代負担の項目がない同意書(下図)も配布された)


一部保護者から反発 文科省「基本は学校で」

 市教委は本紙の取材に、「タブレットは自宅に持ち帰ってもらうことを想定しているため、充電は原則、家庭で行ってほしい」と話す。充電器も家庭に置くことを基本とし、学校で使う際に電池残量が減った場合は、校内で適宜充電してもらうとした。
 電気代負担の項目が省かれた同意書が配られた学校があることに、市総合教育センターの安村和晃(かずあき)所長は「同意書の作成段階で検討した、正式ではない文章が誤って一部の学校で配られた」。省かれた同意書が提出された場合、改めて負担を求める項目が入った同意書を配布する
という。同意書を拒否する保護者には説得を続け、拒否なら持ち帰りできない方針としている。
 電気代の家庭負担を疑問視する保護者からは「学校での使用分まで自宅で充電するのは疑問がある」「近隣市では学校で充電することになっている」などの声が上がっている。
 こうした事態に、文科省情報教育・外国語教育課は「基本は学校での充電」と指摘。ただ、端末を持ち帰って家庭で長時間使用することも想定されるだけに、「翌日の授業に支障が出るような場合には、家庭で充電してもらうこともあり得る。このため、保護者と学校などの間で事前に話し合って対応してほしい」と話している。

<GIGAスクール構想> 全国の小中学生を対象に、1人当たり1台の情報端末を配備する国の構想。高速大容量の通信ネットワークの整備とを併せ、「教育ICT(情報通信技術)環境の実現」を目指している。2019年12月に閣議決定された際には、23年度までに1人1台配備を実現することを掲げたが、新型コロナウイルスに伴う学校休校とオンライン教育の必要性などから、計画が前倒しされた。
 
(編集部より)
GIGAスクール構想については、「住みたい習志野」投稿があります。
Narashino Geography⑧ GIGAスクール構想 - 住みたい習志野
 
 
 

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タクシー会社社長の「正論」に、橋下徹氏タジタジ(読者からの紹介記事)

2021-04-26 04:09:15 | 報道

ブログ読者の方から、以下の記事をご紹介いただきました。有難うございます。
4月14日、BSーTBSの「報道1930」での討論。
なかなか面白いやりとりなので、ご紹介します。

橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! 橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」 - 本と雑誌のニュースサイト/リテラ

橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! 橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」

 本日15日の新規感染者数が1208人と過去最多を更新し、さらに重症患者数が重症病床の数を上回るという非常事態に陥っている大阪府。この大惨事を招いたのは吉村洋文知事にほかならないが、もうひとり大きな責任があるのが、吉村知事をアシストしてきた橋下徹・元大阪市長だ。

 いや、橋下氏は吉村知事を称賛したりフォローしてきただけではなく、新型コロナの流行初期から「PCR検査抑制論」を喧伝し、国の失策を正当化してきた“戦犯”のひとり。早口でまくし立てて話を強引にすり替え、不毛な議論をふっかけ、詭弁で煙に巻くという「橋下話法」によって、誰もまともなツッコミを入れられないという「橋下劇場」を展開してきた。

 だが、そんな橋下氏が「真正面からコテンパンにされた」と、いまネット上で大きな話題を呼んでいる。昨日14日放送の『報道1930』(BS-TBS)に日本城タクシーの坂本篤紀社長が登場し、橋下氏の詐術を「アホみたいな議論」と一刀両断した上、橋下氏の反論をことごとく論破。吉村知事に対しても「何もしてないもん」と鋭く指摘して見せたのだ。

 坂本社長は大阪を拠点にしてタクシーや貸し切りバス、旅行業を手掛け、このコロナ禍に大型バス3台を売却して雇用を守ったことがメディアでも取り上げられた人物。また、過去には、自社のバスの路線変更でバス通学ができなくなった小学生の女の子のためにプライベートで3年間送迎をおこなったことが『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)で紹介されたり、反ヘイトスピーチのステッカーを自社のタクシーに貼る活動でも注目を集めたこともある。

 じつは、この坂本社長、2月23日に放送された『報道1930』でも橋下氏とリモート共演したのだが、その際も「坂本社長が橋下氏を論破!」「坂本社長が市民の声を代弁してくれた」と大きな話題になった。そして昨日、同じ番組で再びの“対決”がおこなわれた……というわけだ。

 一体、橋下氏はどんな詭弁を弄し、それを坂本社長はどんなふうにぶった斬ったのか。番組を振り返ろう。

ワクチンの遅れを日本学術会議、野党、病院のせいにする橋下徹のスリカエ詐術に…

 まず、番組の前半では、橋下氏と立憲民主党の小川淳也・衆院議員、松本哲哉・国際医療福祉大学教授が参加するかたちで、ワクチン接種が進まない日本の現状について議論。そこで橋下氏は、国産ワクチンが生産できないことを理由のひとつに挙げ、唐突にこんなことを言い出した。

「学術会議で軍事研究の禁止なんてやってる国がですね、ワクチンっていうのは化学兵器テロ、化学兵器に対する対応策としていろいろ開発されてきた経緯もあるわけですから、そういうことで軍事研究の禁止なんてことを学術会議でやってる国がですね、そりゃワクチンを早急に開発するなんてことはできないよ」

 何を言うかと思えば「国産ワクチンができないのは日本学術会議のせい」とは……。言っておくが、国産ワクチンの開発が進まないのは、国がこれまでワクチン研究を軽視してきたからだ。実際、RNAワクチンは国内でも治験直前まで進んでいたが、2018年に国に予算を打ち切られ頓挫していたことがわかっている(東京新聞4月5日付)。

 そういえば、橋下氏は菅義偉首相による日本学術会議の任命拒否問題が勃発した際、「アメリカとイギリスの学者団体には税金は投入されていない」というデマを垂れ流し、「金の面で自立しろ」などと主張していたが、国産ワクチンの開発を妨げてきたのは、それこそ研究を軽視して予算を削ろうとする橋下氏のような姿勢ではないか。

 だいたいワクチンのことで言えば、橋下氏が称賛してきた吉村知事はちょうど約1年前に「大阪産ワクチン」をぶち上げ、昨年9月の実用化を謳っていた。一体それはどうなったんだ、という話だろう。

 だが、橋下氏の話のすり替えは止まらない。“歯科医や薬剤師がワクチンを打てるようにすべき”と言い出すと、「歯医者や薬剤師に注射を打たせる、それこそボランティアの人に打たせるなんてこと、絶対に立憲民主党からはそんな法案提案できませんよ」などと野党批判を展開。また、大阪の重症病床不足問題に話題が移ると、「ずっと吉村さん、とにかく必死に確保して220ちょっとまで確保できたんですが、ずっとこれ増えてないんですよ」「増やす権限を与えられていないなかで『増やせ』と言っても増えない」「政治だけではなく医療側にも原因・責任はある」と、今度は病院側に責任を転嫁してみせたのだ。

 ワクチンを確保できない菅政権の失態や、吉村知事が緊急事態宣言の解除に伴って重症病床を150床まで削減するよう要請していた問題は棚に上げ、野党や病院に責任を押し付ける──。いつもの橋下氏のやり口とはいえ醜いにもほどがあるが、重要なのはここから。この橋下氏の話のすり替えに、坂本社長が切り込んでいったのだ。

知事に強制権限がないからと言う橋下に「強制せんでも権限なくてもできる」と一蹴

 司会の松原耕二キャスターが大阪の坂本社長と中継をつなげると、「いまの議論を聞いてて、どうでしょう?」と話を振ったのだが、すると、坂本社長は開口一番、こう切り捨てたのだ。

「アハハ(笑)。ようそんなアホみたいな議論してるなあ、いうところですねえ」
「ワクチンだって、僕ら普通、事業者やってたら健康診断するでしょ。義務付けられてるでしょ。それ1回ワクチンに変えたらええだけやし、学校なんて普通に身体測定あんねんからそれをワクチンに代えたらええだけやし。強制せんでもいいし、知事に権限もいらんと思うよ、そんなもんに」

 つまり、ワクチンがそもそも確保できていないのにその現状を無視して橋下氏が「歯科医や薬剤師に打たせろ!」と論点をずらしたことを、坂本社長は笑いながら「アホみたいな議論」と一刀両断したのだ。

 まったく鮮やかとしか言いようがないが、もちろん、これに橋下氏は、まだ坂本社長が喋っているのに「何言ってるかさっぱりわかんないですけどね(笑)。ワクチンがないというところからスタートしてるのに」などとカットインし、ムキになって喚き立てたのだ。ワクチンがないという問題をすっ飛ばして「歯科医や薬剤師に打たせろ」と言い出したのは橋下氏だったのに、である。

 しかし、勝手に話に割り込んで躍起になってまくし立てる橋下氏に対し、坂本社長は「歯医者さんに打たすとか、ワケのわからん議論してるほうがおかしいよねえ」と余裕の切り返し。当然、橋下氏は逆上したようにワーワーと激しく騒ぎつづけたが、一般市民の意見に元大阪市長という立場の人間が大人気もなく喚き立てるというのは、醜態以外の何物でもないだろう。

 しかも、坂本社長の鋭い指摘はその後もつづく。松原キャスターから「政治に求めることは?」と尋ねられた坂本社長は、「たとえば政府諮問機関におるアトキンソンさんかな。『中小企業、半分になったらええねん』みたいなこと、いまだに言うてると。ってことは国は僕らを助けてくれへんのやというのはうっすらわかるよね。これって、政治に求めるんて、やっぱり信憑性やと思うんですよ」と語ると、こうつづけたのだ。

「たとえば『おばあちゃん、足痛いけど膝の手術こんな時期やから先延ばしにしてね』て言うてる知事の胸に『2025年万博』て書いてあると。これって、信憑性ないよね。やっぱり、ちょっと先のことよりいま我慢してって言う人が、先の万博の2025って(胸に)書いてあるのに、おばあちゃんの痛いのちょっと辛抱せえっていうのは、我々も同じ目に遭うてるわけで」
「少なくとも、身体が痛いおばあさんに手術を待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてるっていうのは、僕、やっぱり納得がいかへんし、それって説得力があるやろか」
「いま、橋下さんの話で、コロナのことについて『学術会議が悪い』とか、そんな問題じゃないような気もするねん。やっぱり信憑性のある、きちんとした意見がほしいよね」

吉村知事にも「なにもしてない」「『マスクしてください』ってテレビCMで十分」

 まさしく直球ストレートの正論だろう。吉村知事は「急ぎでない手術や入院の延期」を病院に要請しているが、手術や入院は必要だからおこなうものであって、「急ぎでない」なんてものはほとんどない。このような命にもかかわりかねないことを府民に押し付けながら、「EXPO2025」と書かれたワッペンを胸に付けているというのは、「いま万博の推進・宣伝をしている場合か」と言わざるを得ない。

 そして、そんな吉村知事や、国産ワクチンの開発が進まないことを日本学術会議のせいにした橋下氏の態度を、坂本社長は「説得力がない」「納得できない」「信憑性がない」と批判したのである。

 さらに、松原キャスターから「大阪の感染状況が悪くなったことはどう見ますか?」と尋ねられた坂本社長は、「何もしてないもん」とズバリ。またもぐうの音も出ない指摘をおこなった。

「はっきり言うたら、知事が『マスクしてください』『自重してください』『時間早く閉めてください』って、テレビコマーシャルで十分やからねえ。知事がやるべき仕事っていうのは、たとえば今回はイギリス型なんだからいち早く小中高、大学まで全員PCR検査したらいいじゃないですか。実態を掴むのが公の仕事であるはずやのに、もうずっとお願いベース? テレビCMのごとく同じことを繰り返し言うと。じゃあ何をしたのかっていうのがまったくないというのは、ちょっとつらいよね。だから拡がるんやと思うよ」

 だが、このド正論に対し、橋下氏は「『お願いします』しかできない法律になっているからですよ」「マスクを府民全員に着用させることも義務化・強制できないし、アクリル板の設置も強制できないし、PCR検査も、これは強制できないんですよ?」と抗弁。さらに“権限強化のためには法律が必要なのに、立憲などが「国民の自由の侵害だ」とか言う”などとまたも野党批判にすり替えたのだ。

 坂本社長の指摘は“検査で実態を掴むという仕事こそ首長の仕事ではないのか”というものだったのに、“知事に権限がない。法律がない。野党が悪い”と話をすり替える橋下氏……。たいていワイドショーなどではこの橋下論法によって議論が流され、すり替えられたまま終わるのだが、しかし、この番組はそうはならなかった。

 松原キャスターが「坂本さん、この議論聞いててどうですか?」と話を振ると、坂本社長は再び「いやあ、またアホな議論言うてるわと思うんやけど(笑)」と言い、こうつづけたのだ。

「あの、まず強制する・せえへんじゃなくね。たとえば僕がずうっと言うてるのは、学ばない(ということ)。こんなんはじめてのことなんやから、失敗するの当たり前やんか。たとえば、大阪で雨ガッパ集めた話をよくするじゃないですか。それを文句ばっかり言うんじゃなしに、集めすぎた雨ガッパを一言『集まりすぎた。すんまへんでした』と。『500円で買っておくんなはれ』と、雨降りのサッカー場や野球場行って、それをいま苦しい人に分け与えますよっていうようなことも、法律がなくてもできるはずやし。なんでもかんでも、大阪なんて専権・専決で決めよるわけやからね」

雨ガッパ問題をつっこまれ「雨ガッパは、だって、備蓄してるんでね」と言い張った橋下徹

「法律がなくても大阪は専権・専決で決めよる」とは、まったくそのとおりだろう。いや、それどころか、コロナ禍で強行した「都構想」住民投票では「反対」という民意を叩きつけられたというのに、維新はその結果を骨抜きにする「広域一元化」条例を数の力で押し通した。そんなことを平気でやっておいて「権限がない」「法律がない」と言い訳するのは、道理が通らないだろう。

 だが、この坂本社長の正論に対し、橋下氏は信じられない一言を言い放ったのだ。

「雨ガッパは、だって、備蓄してるんでね」

 おいおい。雨ガッパはそもそも、感染者の急増で医療用防護服が足りなくなって府民に供出させたものだったではないか。しかも、その供出された雨ガッパはほとんど医療機関に届けられることはなかった。まさしく「思いつき」「場当たり的」な大阪のコロナ対応を象徴するもののひとつだが、それを橋下氏は「雨ガッパは備蓄してる」と言い張ったのである。

 まさしく「アホ」としか言いようがない強弁だが、このように、いかに橋下氏の話が詭弁にすぎないかを、坂本社長はことごとく明らかにしていったのだ。

 橋下氏のペースや詭弁に乗せられることなく市井の人びとの疑問や思いを代弁した坂本社長には拍手を送りたいが、逆に、その存在で浮き彫りになるのが、他のメディア、テレビ番組のだらしなさだ。

 どうして橋下氏にツッコミを入れず、その主張を垂れ流しにさせているのか。性懲りもなく橋下氏を言いっぱなしにさせ、その無茶苦茶な主張にツッコミのひとつも入れられないワイドショーの司会者やコメンテーターたちには、坂本社長の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。
(以上、「LITERAX」4月15日の記事より)

(編集部より)
昨年末、ツイッターにこんな画像が出ていました。

 

 

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