非正規公務員の給料を突然１〜２万円下げてしまった、「ブラック」習志野市
今や市役所職員の半分を占めるようになった非正規公務員（2020年度から「会計年度任用職員」と呼ばれるようになりました）、習志野市では４００名がフルタイム職員でしたが、そのうち２００人をいきなりパート職員にしてしまいました（何の説明もなく、突然勤務時間を４５分削って給料を１〜２万円減らしてしまった！）。民間ではあり得ない！
「法の趣旨に沿わないから直しなさい」という総務省通知にも従わない習志野市の「異様な態度」
総務省から「フルタイムをパートにしてはならない。やってしまった所は直しなさい」という通知が何度も出されても従おうとしませんでした。
単に財政上の制約のみを理由として、期末手当の支給について抑制を図ることや、 新たに期末手当を支給する一方で給料や報酬について抑制を図ることは、改正法の趣旨に沿わないものであるため、こうした取扱いを行っている団体は、適切な措置を講ずること。（令和4年12月23日総務省通知）
テレビ番組「噂の！東京マガジン」でも、総務省は「（習志野市のようなやり方は）制度の趣旨からちょっと違いますよねというのが我々のスタンスでして自治体にも助言をしている」と説明しています。
非正規公務員（会計年度任用職員）の待遇のひどさをメディアで発信するジャーナリスト、竹信三恵子さん
下の写真は５月24日、NHK「あさイチ」でこの非正規公務員問題を説明している竹信三恵子さん。
竹信三恵子さんは朝日新聞記者、和光大学教授などを経て現在はジャーナリスト、和光大学名誉教授。「官製ワーキングプアの女性たち」（共著）「賃金破壊」「企業ファースト化する日本」など労働問題に関する著書多数。最新刊は岩波新書「女性不況サバイバル」
その竹信さんが習志野市の非正規公務員の扱いのひどさを問題にし、「東洋経済オンライン」に以下の記事を載せました
９月１４日の定例市議会一般質問でのやりとりです。
佐藤議員（以下「議員」） ７時間勤務にされた１号職員、もともとは２号職員と同じフルタイム７時間４５分で働いていた職員２００人を７時間勤務の「パートタイム」にしてしまった。
本来会計年度任用職員は残業をしない、というのが基本的考え方のはずだが、「仕事時間は減らされたが、仕事の内容は以前と変わらない」ため、時間外勤務が慢性的に発生している状況。７時間パート職員を以前のフルタイム職員に戻す待遇改善を求める。
市長 継続的な残業は発生しておらず、適切な配置をしている。
議員 令和５年４月１日の資料で会計年度職員は１０３７人、そのうちフルタイムが１８５人、パートタイム８５２人。
この方たちのうち、月にならすと２９０人の方が残業している。
「仕事量が変わらず、勤務時間だけが短くなっている」のは残業になりやすい環境
ユニオン習志野のアンケートによれば「残業するな、と言われているので時間外勤務を申し出にくい」という声もある。
４５分削られたため毎月の賃金が減り、退職金の対象からも外された。
習志野市当局は「月給は下げたけど賞与を上げたので問題はない」としているが、総務省は令和４年１２月の通知で「新たに期末手当を支給する一方で給料や報酬について抑制を図ることは改正法の趣旨に沿わないものであるため、こうしたことを行っている自治体は適正な措置を講じること」つまり「一時金が出ると言って給料を下げるのはいけない。行っているところは改めて下さい」と言っている。
総務部長 一定時間、継続的に残業が行われている場合は２号に振り変えることが必要だ、とこれまでも答弁してきた。
議員 「４５分削られた分、常に仕事を抱えた常態である。翌日に先送りすると、どこかでまた残業せざるを得なくなる」というお話もうかがいました。
総務省は令和４年の通知で「例えば、フルタイム勤務とすべき標準的職務がある職場について、パートタイム職員にすること自体を目的として勤務時間をフルタイムよりわずかに短く設定することは適切でない」としている。
習志野市は総務省の意思に反していませんか？
総務部長 フルタイムに戻すべき、というお話ですが、慢性的な残業がある職場はフルタイムに戻す、とこれまでにも答弁してきた。「ユニオン習志野」ニュースに載った職場の声も承知している。「継続的な残業」の目安として「４５分削った分、月１５時間程度の残業がある職員はフルタイムに戻す」という方向性でヒヤリングをしている。
議員 ユニオン習志野のアンケートによれば、「フルタイムだった時より業務量が減った」と答えた人はゼロ。逆に「増えた」と答えた人もいる。次長以上にヒヤリングをしている、というが、現場の職員には何も意見を聞かれていない、という意見が出ている。すみやかにフルタイムに戻すよう求める。
総務省の通知にも従わず、メディアの批判も無視しつづけてきた「ブラック」習志野市。この約束をきちんとまもって「パート化された２００人をフルタイムに戻す」まで、更に職員や市民の「厳しい監視」が必要なようです。
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