オホーツク海毛がに漁業協議会(安田順一会長)の平成31年全体会議が2月1日午後4時から札幌市内のホテルで開かれ、オホーツク海海域での平成31年漁期の許容漁獲量を、宗谷管内520㌧(前年比30㌧減)・北見管内350㌧(同200㌧減)の計870㌧とすることが報告された。両管内への有差配分は平成5年以来、26年ぶり2度目。
最初に片川隆市副会長が「昨年の漁獲量は両管内合計で882㌧と厳しい結果になった。依然として不審船情報もあり、関係行政機関の監視体制強化をお願いしたい」と挨拶。引き続き、道水産林務部の矢本諭漁業管理課長が「昨年は北見管内の数量が伸びず、昭和43年に許容漁獲量制を導入以降、総漁獲量がはじめて1,000㌧を切った。資源状況は非常に厳しい状況にあり、注視していく必要がある」と懸念を示した。
稚内水試の田中信幸主査は、「昨年の資源密度調査の結果、2019年度の漁獲対象資源は減少傾向にあり後続群も少ない。少ない資源を残しながらの操業が続く」と厳しい状況を明らかにした。道水産林務部は許容漁獲量設定にあたり「当初は700㌧を提案したが、協議会から資源の偏りなどを理由に170㌧の増枠の要望を受け、これまでの取り組みを尊重のうえ、次年度以降の資源利用に配慮した操業の取り組み、資源の回復傾向が見られないときの操業体制等の再検討を条件に増枠を了承した」と経緯を説明。増枠分を宗谷管内に配分し520㌧・北見管内を350㌧とする有差配分を決定した。
2019年の操業は、船別許容漁獲量制(各船ノルマ制)を採用し、配分は各総合振興局が組合を通じて行う。許可隻数は両管内とも前年同の45隻以内とし、操業期間は宗谷管内が3月15日〜8月21日、北見管内の網走北部・中部海域が3月20日〜8月26日、網走南部海域が3月25日〜8月31日。堅ガニ中心の漁獲を目指し、漁期中に連続20日間の自主休漁を行う。