道東のロシア200海里水域内でサケ・マス流し網に出漁していた小型漁船(旧・道鮭連所属の30㌧未満・19隻)が代替漁業として操業していたイワシ・サバ漁の試験操業に対する「もうかる漁業」による支援措置が切れるため、業界は新たな支援策を国、道に要望した。「もうかる漁業」の期間は平成28〜32年までの5年間で設定されている。
昨年12月に根室市内4漁協と十勝、日高の3漁協で構成する「根室市さば・いわし漁業連絡協議会」(会長・小倉啓一歯舞漁協代表理事組合長)が設立され、水産庁の補助が終了した後の対応策を検討している。
沿岸のイワシ・サバ漁は、いぜん採算性が問題で、このほど厚岸地区の漁業者とともに国や道に3年間が期限の「もうかる漁業」による支援の後の経営対策を求めた。当面、漁業経営安定化対策の「ぎょさい・積立ぷらす」への加入を要望している。
道水産林務部漁業管理課によると、ロシア200海里サケ・マス代替「サバ類・イワシ棒受け網試験操業」には昨年、19隻が出漁し、5426㌧・2億7820万円を水揚げした。また、10㌧未満の小型さんま漁船によるマイワシ資源利用試験操業が、31隻が6330㌧・3億8091万円を水揚げした。海区承認のたもすくい網漁業も35隻が3420㌧・2億6310万円を水揚げしている。道東沿岸におけるマイワシ漁は1万5167㌧・9億2181万円(㎏61円)とサケ・マス、サンマと並ぶ漁船漁業の柱になりつつあるが、単価が安く、付加価値向上が課題となっている。