水産北海道ブログ

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70年ぶり漁業法改正案が衆議院を通過

2018-11-29 15:54:26 | ニュース

 漁業権の優先順位、特定区画漁業権を廃止する漁業法の改正法案が11月29日、第197回(臨時)国会の衆議院本会議で可決され、参議院で審議し会期末の12月10日までに成立する。今後、2年間かけて政省令によって具体的な運用を定めるが、現状では不明な部分が多く、次の漁業権切替(2023年)までにどのような影響が出てくるのは心配される。

 衆議院農林水産委員会では、 26日には岸宏全漁連会長ら4人の参考人を呼んで意見を聞き、質疑を行った。岸会長のほかに八木信行東京大学大学院農学生命科学研究科教授、佐野雅昭鹿児島大学水産学部教授、加瀬和俊帝京大学経済学部教授かそれぞれ意見を述べた。賛否双方に意見が割れた形になったが、沿海地域の議員からは現場の漁業者に浸透していないとの指摘が出た。28日の午前中で質疑を打ち切り、討論、採決と行い、与党、維新の賛成多数で可決された。漁業権付与について「判断基準を具体的かつ明確にし、漁業者が不安なく経営を継続できるようにする」など9本の付帯決議を全会一致で採択した。

 29日午後1時からの衆議院本会議で討論を行い、「現地調査も地方公聴会もしない。先に改正した農業に比べ審議時間がまったく少なく、漁業軽視だ」(亀井亜紀子)といった反対討論があったが、与党、維新の賛成多数で可決され、参議院に回された。会期末の12月10日までの可決成立が見込まれる。