技術的知見の遅れ

当ブログは一応研究職なのだが、前々から気になっていた学会について参加する機会を得た。
もちろん、企業人の(悲しい)宿命として、現研究関連のシンポジウムおよび発表を聴く事がメインとなったが、
それでもすきま時間を見出して学生時代の研究内容とほとんど重なる研究についての発表を聴く事が出来た。

なお大前提として、当ブログは学制時代の研究と就職してからの研究との内容に物凄い乖離がある。
まあ、学生時代の研究は「お金にならない」一方で企業人としての研究は「お金にならなければ困る」ので、ある程度仕方のない事なのだが…。

そんなわけで学生時代の研究内容とほとんど重なる研究についての発表を聴いた結果だが、
発表の大筋の流れや考察は判るのだが、あまりにも就職して系統の異なる研究をしている内に、
それぞれの分野の技術的進歩および解明された知見が離れすぎて、完全に理解・質疑応答する事が出来なかった。

悲しいものだな。
あれだけ自身の学生分野の畑を強調しているのに、むしろ「即お金になる様な研究」の方が理解しやすかったのだから。

まあ1点、学生時代の研究内容と重なる発表において、その発表の大前提をクリティカルに崩壊させてしまう様な「素人質問」が出来たので良しとしよう。
これは決して意地悪ではなくて、少なくとも自身の学生分野の畑ではあらゆる「正当な批判」に耐えられて初めてスタートラインとなるので、むしろ「闊達な質疑応答」だったと思う。
またその様なクリティカルな質問をされるという事は、1. そもそもその様な知見を得る事、2. そこまで自身の発表を聴いてくれている事、で発表サイドとしても有益である。