ロード・マーシャル時事報告場

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報告会~これに備えて実験をするもの~

2007-06-24 00:24:41 | Weblog
本日は研究室の報告会があった。

報告会といえば、恐怖の代名詞。
ジャーナル会に告ぐ受難。
徹夜の決定。
結果(Figure)の緊急作成要求。
進まない実験を進んでいるように見せかける欺瞞。

そしてー、

10畳30人で数時間。

机なし(教授有)、風なし(排熱ファン有)、エアコン1台(教授方向専用)


とまあ、発表するも聞くも非常に疲れる催し物である。

この報告会というものは、各研究室に存在するものであるが、その形態は研究室ごとに著しく異なっているものだそうだ。

私が配属している研究室は、この分野の中ではマンモス研究室なので、質疑応答含め一人約15分、説明はパワーポイントを用い、報告書は教員以上のみ配布、質問は主として教授が発表者にし、それ以外は報告会終了後各実験室で行われる。
1回の報告会は約15人が報告し、残りの15人は次の報告会というサイクルで1人1月に1回の頻度、すなわち2週間に1回の頻度で土曜日午前中が報告会となる。

慣れない内は、質問もせず言葉も発せず、澱んだ空気の中、いすのみが与えられた状況下で、身動すらままならない漆黒の空間の中で数時間も黙って座り続けるというのは、ある種の拷問となって発狂しそうになったものだが、人間の適応力とはすばらしいもので、今では開始2時間目にして意識が体を離れて空想へとトリップして、もはや苦痛とはならなくなった。
これをある種の限界を超えたというのか、はたまた意欲がないというのかは大いに議論の余地があると思うが、どうせ研究室の中で異端の実験をやっている私にとっては、他人の研究などあまり参考にならぬ・・・・・と、信じている。信じたい。

なお、以前研究室の先輩方は、
「ウチの研究室は発表の場だけは多いから、プレゼンとかは上手くなるよ」
と、言っておったが、
1ヵ月、特に基礎研究における1ヵ月などではフィギュア1枚ぐらいしか有用な絵は得られないわけであり、当然薄っぺらい内容なわけであり、毎月あることによる惰性で、むしろ質が低下しているのではないかと、私自身は考えている。

まあ、1人15分なので、条件検討と実験手法を変更しまくり、珍しくデータをたくさん用意した場合に、いかに発表を簡潔にまとめるか、そしていかに報告書を簡潔にまとめるか(こちらは用紙代による制約である)、ということについては、それなりに「練習」できるのではないか。
またこれとは逆に、基礎研究期間1ヵ月という状況下でもいかに進歩のない研究を、あたかも進捗状況が順調で、興味深い事象が明らかになりつつあるかを強調することについてもかなり「練習」することができる。

特に後者は准教授に配属している私は、准教授直々に指導を受けており、事実この指導により組替えプラスミドが3ヶ月間連続で作成できていないという、いったい何十年前の研究状況ですか?という驚異的進捗状況のなさを乗り切ったというのは、密かな誇りでもある。


前置きが長くなった。

というわけで今日はまあ、報告会であったのだ。

今回の報告会では、4年生が初めて報告を行い、研究室配属から今までかけて行ってきた変異株分離(配属された人は練習がてら全員やる)について報告を行っておった。

彼らはというと、まだ初々しくて、過度に緊張していて、つたない説明、多くの用語ミス、そして必死に教授の質問に答えようとするその姿勢、報告書とプレゼンを真剣に作成するその姿、ああ、なんと懐かしいのであろうか
私にもこんな時期があったのか。たった1年前だよコンチクショウ。

たったの1年であれほど慣れてしまうものなのか。
確実に向上ではなく慣れであるな。

空想にトリップしかけていた私の意識も、ついつい現実に引き戻され、懐かしい情景に、今度は一年前の記憶にトリップしていた。
あの頃が懐かしいのは、その1年でいろんなことがあったからだろう。人というものは、向上せずとも経験だけはしていけるものだ。

私が初めて報告会を行ったのは、教育実習から帰った直後であった。
教育実習で学んだことを、この場で発揮するのだ、と意気込んでいたものの、
まだ何も知らない私にとって教授の繰り出す質問は難解極まりなく、
苦し紛れの
「やってみようと思います」
という答えに
「お前は政治家みたいな物言いをするな」
と突っ込まれた事―。

そしてやはり、ミュータント株分離から離れて、初めて自分の研究を立ち上げたとき、件の“3ヶ月コンストラクション”を作ることになったあの日々。
そう、周りの同級生が、普通にプラスミドを扱っている中、なぜか私はpETベクターを使うことになった。
DNAをゲルにアプライしたことのないこの私が、である。
pETベクター、それは史上最強の発現系(記憶による)。だがプラスミドを大腸菌から回収しても、通常の10分の1の濃度しか取れない欠点を持つ(30μg/ml程度)。今ではたいした問題ではないが、何もかもはじめての私は、ゆえに制限酵素処理&電気泳動&ゲルからの抽出処理などをしている間に、ふと気がつけば、サンプルをアガロースゲルに全量流してもバンドが検出できない、トランスフォームしても大腸菌が生えてこない、などの事態が続出した。
しかし一方でpETベクターゆえの利点もあった。
まず濃度が薄いのでシークエンス時の加えるDNA量を厳密に調整でき、おかげで塩基配列読み始めのピークが誰よりも美しかったこと
最強の発現系&EGFPを組み込んでいたために、タンパク発現用の大腸菌にトランスフォームし、コロニーをプレート上に出現させた際、シグナルが漏れ出し、まだ何も処理していないのにプレート上で勝手に発現、EGFPの蛍光によってコロニーが黄緑色に光りだし、インサートチェックするまでもなく導入株のピックアップができた
こと。
いざ発現させたら生産量が多すぎて、目一杯回収してもまだ廃液が黄緑色に光っていたこと。回収液に至っては市販の蛍光ペンなんかよりも黄緑色だったこと―。

なんとなつかしい・・・。






と、このようなことをトリップした意識は思い出していたのである。
長々とまとまりもなく書いてきたが、その意識で私はどんなに長くなろうとも、そしてどんなに専門外の者がわけがわからなくとも、必ずこのことを日記に記そうと決意したのである。
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食糧問題及びマニアの集まりについて

2007-06-19 02:49:21 | Weblog

世界に終わりがきたら安心したいと思います―
             楽しみなことがたくさんあるから―
           
                         ドニー・ダーコ


諸君らはすでに、私が食べ物の好き嫌いが激しいということを知っていると思う。
これは私自身も認めよう。
が、これをして私を非難する連中がいる。
よく、私が玉葱が嫌いということが判明すると、

「じゃあ世界中に食べるものが玉葱だけになったらどうするんだ?」

と、言われるが、食べるものがそんな状況になってしまったのならば、遅かれ早かれ人類は滅亡するので問題ない

また私が海老が嫌いであるということが判明すると、

「お前かわいそうなやつだな。人生の3分の1を損してる」

とも、言われるが、そもそもお前の人生の価値の3分の1は海老なのかと、考えると逆にそういう人のほうがかわいそうで仕方がないのである。

―安っぽい人生だな。

ただしかし、食品という範疇における「酒」というものは、少なくとも今現在の私の人生の価値の20%は占めているように思われるし、これはこれで別に損した気分にはならぬ。

まあ、偉大なるロード・マーシャル様はビールもワインもウイスキーも焼酎も日本酒もだめなので、せっかく深夜にわざわざ本格的に豚の角煮を作ったのに、飲む酒がマティーニというのがなんとも投げやりではあるが。


さて、偉大なるロード・マーシャル様の実験が失敗と判明するよりも前のこと、
私はとあるイベントに参加することとなった。
この類のイベントは、大きいものであればヤフードームを貸しきって行われることもあるそうだが、そのときのイベントは比較的小規模、ということであった。
しかしそれでもひとつの建物の施設を丸々使った、私には十分すぎるほど巨大なものであった。
イベントが始まる数十分も前から、いい年した大人達がぞくぞくと集まり始めた。彼らのほとんどの目がキラキラとしていたのを覚えている。
彼らは主にバスなどで会場へと集まってきたが、タクシーを利用している者が多いのも、彼らが普段いかにインサイドな人間であるかを物語っていた。

イベントが開催されるや、人々は続々と施設内へと入って行き、パンフレット片手に開会の挨拶もそぞろに皆、各々好きなジャンルが存在しているホールへと向かっていた。
通路では、企業がたくさんのパンフレットを配っておった。
ひと段落して、昼食の時間となったが、彼らは外へ出るどころか、なんと弁当片手に企業の出した新しい製品の情報に耳を傾けていた。
展示コーナーでは、個人個人が各々の好きなジャンルについてやっており、そこでは流行に取り残された学生風の人間が興奮気味に自分の趣味について語り合っておった。
企業ブースのコーナーには人が寄り集まり、次々と無料配布品をもらっておった。
午後6時過ぎ、イベントが終了した会場から続々と人々が出てきた。
皆満足そうな顔をしており、手に今日の戦利品、企業のマークやら絵やらがデカデカと書かれた紙袋を持ち、意気揚々と岐路についておった。
イベントは3日間開かれ、ほとんどの人間は、ホテルに泊り込みでの参加であるあたり、彼らの根性を見た気がする。
かく言う私も、紙袋を手に、3日連続会場へ通いつめた一人である。



ご丁寧にも、後日、会場内にはしか感染者がいたという注意まで土産にもらって。


私は・・・・・

日本細胞生物学会・発生生物学会合同大会に参加した。





・・・バレバレであるな。


それにしても、製薬企業は金があるな。

アンケートくじ引きで、残念賞がUSBフラッシュメモリ256MBとはどういうことだ。
むしろ4等のアイスクリームメーカーよりもいい。
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さして変わらぬ忙しさ

2007-06-14 03:42:38 | Weblog
前回の日記に書いたように、私の研究室配属依頼のテーマは完膚なきまでに叩きのめされた。
したがって、午前3時まで残ってやった実験もすべて無駄となり、突如として与えられたその空白の時間は、しかし何をすればよいのかわからずに、家に帰って酒を飲み、それゆえに翌日グロッキーになり早期帰宅し酒を飲むという、割と絵に描いたような喪失感垂れ流しの生活を行っていたのだが、そういう生活をしているといざ今日のように深夜まで残って実験をするようなハメになるのである。

あー、きつい。


さて、以前新規ブログを開設したと言ったが、そのときに示したキーワード、ブログの名前にすれば大丈夫だろうと軽く見ていたのだが、ありゃあ、だめだった。
というのも、それで検索してみても、まったくヒットしない。
まあ、ある意味そちらのほうがよいのではあるがな。

とは言うものの、接点なくとも関連がある限り、やはり新規ブログへと続く経路は必要ではある。

事実、前回の日記のコメント欄でアブドルハミト3世氏も質問しておった。

幸いなことにアブドルハミト3世氏はHeart of Ironをご存知のようである。

そこで新規ブログへのアクセス方法を変更する。

まず、いまやすっかり更新されなくなった当ホームページのトップページへと行き、そこのアドレスの「index」のところを、

HoIⅡDDで、ワルシャワに唯一河川をはさんで接して“いない”プロヴィンスの名前に置き換えよ。


そうすれば新規ブログへといけるであろう。

さて、明日は6時起きである。
今何時だ?

・・・・テーマがなくなった=やることがなくなったと同義であるのに、なぜこんなに忙しい?






  もっと光を・・・

             , -‐、   , -.、
           /   ノ  ノ   ノ
          / 、_.ノ ./ 、_.ノ´
            /  ノ /   .ノ  ,,-‐'⌒i
.           / __ノ / /⌒ii´ /、_  .ノ´.
          l.   `iノ /  / |/  ,.'~´  .
           |   ,,,|./ ``´.丿 、_ノ ,-‐'´⌒)
.         l.    |``''' /  .ノ ./ 丶,-‐'´
        |  ,___l    |、. / / 、,,/
.         |   ノ     | `` '´-、 ,ノ
         | _/    |` ‐、__   )    
            | /     ヽ-、 _ ̄`|
         | .      ヽ::::.` 、,|
            | :.       |::::  |
             | ::       |::::  |.
          λ:::      ノ:: 丿
         /      , ::::::'/                __
        /      :/:::::::::/               /ヽ  ヽ―― 、
       /      ::/:::::::::/               /  |   |    \
     _/       :::::::::::::/__________/   |   |      ヽ
 , -‐´ /       ::::::::::::::/                  /   /        ヽ
(,    /       :::::::::::::/                   /  /         |\
 ` ‐- _______ /____________/_________)  )
\___________________________________


                         ―ゲーテ   
                         
うむ。滅多に使わぬ、AAである。   
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無意味の無駄

2007-06-07 23:49:40 | Weblog
今日は別の日記のネタを用意しついたが、緊急連絡である!

寝ている者、
飯を食っている者、
テレビを見ながらの者、

総員、傾注!

学問の追求は自己満足の範疇であるが-

本日、大学時代から続けていた研究テーマが、
全く完全に無意味であるとの結論に至った!

あの失敗続きの実験も、
卒論作成の労力も、
その卒論自体も、
そして卒業から今日に至るまでの実験も、
そこで使われた試薬、サンプル、そしてその資金も、
全ては無意味だったのである!


今!私はゼロである!!

どわっはっはっは。乾杯!
そう!完璧に無駄だったのである。

世の中に無駄な事はない?
嘘である!
それを言うのは、真に無駄を体験したことのない輩がいう言葉である!

事実、私が今までの研究で消費した費用は、軽く100万の位をゆくが、
その金も、テーマ共々何かを生産することなく無為に消えたのである。
諸君が思っているほど私はダメージを受けていないのは、

この金を道連れにしたという痛快さがあるからでもある。

重ねて言うが、人間社会に無駄なものはない?相手は自然、方法は客観だぞ!
ホント、自然は客観だぜ!
ウエーハッハッハッハッ!
NHKで町工場で働く若い女性を紹介していた。

「とにかくワーッ!と働きまくるんです」

うむ。同じである。

「そして台車に、完成した製品を山と積んで、作った製品が山と積まれたのを見るのが好きですね」

違う!一生懸命やって、連日朝出勤朝帰り土日返上で働いて、そして、ゼロなのである!やらないのと全く変わらない。

しかし私は実験を続ける!再び無為を作り金を浪費し時間を失い体を失い考えることを失い、
私は実験を続け研究を続ける。

全ては自己満足の為に。

今、私は原点にいる!

乾杯!
乾杯!
乾杯!

さて、身なりを考えねばな。
明日から研究室でなにをしよう?
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モスカウへ

2007-06-04 08:30:45 | Weblog
朝っぱらからなんだが、あれだ。福岡県民がウザい。

不快ついでに私の実験の情況を如実に示す歌を歌うこととする。

必要人数 3人

まずは音合わせ

A  だめじゃん~

B  だめじゃん~

C  だめじゃん~

A  せーの

(抑揚のない声で)

ABC だめじゃんだめじゃんダメダメじゃんー

ABC やってもやってもダメダメじゃんー

A  やめよっかなー

BC やめられないー

ABC だめじゃんだめじゃんダメダメじゃん

(以下喪失感に比例して繰り返し)

まあ、朝っぱらからなんだが、アレなのである。
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増設

2007-06-03 19:00:46 | Weblog
カクテルを作ろうとウォトカを注いだら、誤ってズブロッカを注いでしまったのでジェームズ・ボンドもびっくりの真性モロトフ・カクテルと称して飲んでおる。味の方は、まあ、その名前まんまである。

さて、他人のホームページを閲覧しつつ、その過去の日記を見ながら
「くだらねぇなぁ」
と思い改めて自分の過去の日記を読んでいると、
多分に漏れずくだらなかった。

諸君らも知っての通り、ここ1年程度の日記はさらにひどい。
これについてはやむにやまれぬ大人の事情があるのだ。

元来ブログというものは、やはりそのメインは個人の書く日記であり、ゆえに発信者は自由な意見を垂れ流す事が出来る。が、ブログが軌道に乗り、閲覧者が増加していくに従って公的モラルの圧力が強くなり、当たり障りのない記事しか書けなくなる、ということがしばしばある。この点に関しては当ブログは、安定的にその閲覧者の数が抑えられているため、たいした障害とはならない。
しかし、このブログの存在が現在私と毎日接する人々に知られるようになったのは不測の事態である。というのも研究室という閉鎖された環境における人間関係というのは、ただでさえ人付き合いが嫌いなロード・マーシャル様にとって更なる困難となっているからである。
またこの閉鎖環境に一日中いることによって、日記のネタが「日常」つまり、研究室についてがほとんどとなってしまったのもよろしくない。
結果、ロードマーシャル様は明確な対象への愚痴および毒を垂れ流す事が出来なくなったのである。

従って、自由に毒を垂れ流す事が出来るようにするために,
「明確な対象をもった毒」を垂れ流すことを目的とした新たなブログを創設した。

普段の日記はこちらに書く事になるが、研究室のモノどもに見られると現実世界において大変困った状況を引き起こすような記事については、新たなブログでのみ、公開する事とする。

もちろん、当ブログとはいっさい接点を持たないが、完全に独立していると意味がないので、新たなブログに行き着くためのキーワードを示しておく。
1年以上前から閲覧しており、現在のロード・マーシャル様の研究室の者たちと接点を持たない者は、このキーワードで検索をかけてみるといい。

以下、キーワード

○○にふさわしいと思われる単語がキーワードである

スターリングラード 第6軍 冬季大攻勢 後の先 軌道防衛戦術 ハリコフ ハウサー クルスク 南方 2カ所 突破 プロポロフカ 不期遭遇 ○○ 作戦 集団 オリョル シチリア
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見てます、聞いてます、話します

2007-06-02 21:36:03 | Weblog
画像は現代のマスコミについて。

   ネット上より発見したもの

画像フォルダ機能テストついでに記。
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