先月燃え上がった読書熱ですが・・・今月に入り、下火になりつつあります。
どうも加齢が原因なのか?何事にも“熱しやすく冷めやすい”状態で、高ぶった気持ちが持続しない私・・・元々そうか。(汗)
それでも、やっと1冊読み終わりました。
「小太郎の左腕」 和田竜 著 小学館文庫
以前読んだ事があり、ブログにも書いた「のぼうの城」「忍びの国」の作家による、歴史エンターテーメント小説です。
前2作がけっこう楽しめて読めたので、この「小太郎の左腕」の文庫本を書店で見つけた時、迷わず購入しました。
1556年。
勢力図を拡大し続ける西国の雄、戸沢家は敵対する児玉家との戦いの時を迎えた。
戸沢家の武功者「功名漁り」こと林半右衛門は、児玉家で「功名餓鬼」の異名をとる花房喜兵衛麾下の軍勢に次第に追い込まれていく。
そんななか、左構えの鉄砲で絶人の才を発揮する11才の少年・雑賀小太郎の存在が「最終兵器」として急浮上する。
小太郎は、狙撃集団として名を馳せていた雑賀衆のなかでも群を抜く銃の使い手だが、心根が優しすぎるため、祖父・要蔵がその才能をひた隠しに隠していた少年だ。
事態は、半右衛門のある行動を機に思わぬ方へと転じていく。
(裏表紙の紹介文より)
うーん、イマイチ。
正直言って、前2作よりは落ちるかな・・・というのが感想です。
まだ読まれていない方々がいるので、内容(及び感想)をここで詳しく書くわけにはいかないのであれですが・・・
これは以前読んだ同じ著者の2作品でも思った事ですけど、あっさりしすぎ・・・という気がします。文章にも内容にも重厚感がなくて、読後感があっさりしていてあまり残らないです。
━読みやすい時代小説━といった面で、人気があるので仕方ないとは思います。しかし、昔の時代小説作家の作品を読んできている私にとっては、やはりそれが物足りないですね。
(あくまでも、個人的な感想ですのであしからず...)
上記に関連して、この小説の実質的な主人公と言える林半右衛門の描き方も、もう少しその内面描写が巧かったら、違った感想になったと思うのです...。
そして、小説のタイトルにもなっている主人公と言える小太郎に、ちょっと感情移入出来なかったのが大きかったです。
林半右衛門同様(それ以上に)もっと小太郎に関しても掘り下げて、しっかりと肉付けされていれば、もっと違ったと思います。
種子島(火縄銃)の名手、という点だけが突出してしまい、その人間性に対してはどうも感情移入しづらかったです。
でも、「小太郎の左腕」・・・途中で飽きることなく読めた、普通に楽しめた小説ではありました。
気軽に時代小説を読みたい!と思う方々には、最適だと思います。
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