独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

日本の核武装と日米安保

2006年12月31日 18時07分07秒 | 日本
手嶋龍一氏は文春12月号で次のように発言している。「日本の核武装はイコール日米同盟からの離脱であり、安全保障上で日米対決の構図になることを意味します。」
同氏はNHKワシントン支局長などを勤めた米国通。どうしてそんなことが言えるのか。

一口に日本の核武装といっても様々なレベルがあり得るし、米国が「日本のミリタリズムを封じ込める」ことを基本戦略としているにしても、許容できるレベルはあるはずだ。

自衛隊の創設が日本の軍国主義復活を意味したわけではなかったし、厳格なシビリアンコントロールが守られる限り、核を保有するとしても軍国主義復活とは言えない。軍国主義を許容する世論が全く存在しないことが、そう考える根拠だ。
若者の保守化は顕著だが、軍国主義は痕跡すら存在しないと断言できる。中朝韓(特定アジア)3国への強い嫌悪感と、それと同根の在日朝鮮人および中国人への反感が彼らの中心感情であり、特定アジアから離れたい、関わりたくない、という内向きの感情であって、攻撃的・侵略的な要素は皆無だ。
特定アジアの側もその程度の日本の国内事情は理解しているだろうが、それでも日本の軍国主義復活を「恐れる振り」をしているのは、日本の軍事力を弱体な状態に抑えておくことが特定アジアにとっての国益、という戦略的発想に基づいているのは明らかだ。

日本が、例えば20基程度の中距離核ミサイルを保有するとしても、それが米国にとって許容できないレベルではないだろう。米国との十分な情報交換があれば、7000基の核を保有する米国自身にとって何ら脅威ではあり得ないだけでなく、むしろ、自衛隊の通常装備と同様に、米国の対中戦略を補完する存在になり得る。

北朝鮮問題だけを考えるのであれば、米国の核の傘は十分に信頼できるし、日本の核武装は不要だ。北朝鮮の核実験を受けて、ライス米国務長官が急遽来日、記者会見で「日米同盟の抑止力は万全だ」と発言、日米安保体制を機軸に対処していくとするアメリカの姿勢を鮮明に打ち出した。

だが、問題の核心は中国なのだ。もともと少ない核論議の大部分は北朝鮮問題に限定されたものであり、中国の脅威を意識した議論は皆無といっても良い。その能天気さには驚くほか無い。
中国の国防費は16年連続で年平均15%増であり、米国国防省は、中国政府の公式発表よりも2、3倍多い、700億ドル(約8兆3300億円)から1000億ドル(約11兆9000億円)ほどになると推計している。
何のための巨大軍事力なのか?
今のところ、中国が公言しているのは台湾併合だけだが、その先には日本侵略があり、さらにその先には世界征服があると私は確信している。そうしなければ13億人は養えないし、したがって共産党独裁政権を維持できないからだ。

北朝鮮がアメリカに対して「相互確証破壊」能力を持つのはかなり将来のこととなろうが、チャイナは近々アメリカに対して「相互確証破壊」能力を持つに至ると見られている。
その事態が到来すれば、アメリカは自国が壊滅的な破壊を受ける危険を冒してまで、日本に「核の傘」を差掛け続けてくれるのか?甚だ疑問である。


日本の核武装があるとすれば、それはあくまで対中国であり、米国の核の傘が信頼できなくなる局面での保険なのだ。

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