イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

リバプールの世界遺産ウィリアム・ブラウンストリート、ニセギリシャ建築ばかりではない!

2016年10月05日 09時00分00秒 | イングランド北部
昨日、一昨日は都合により休刊しました。




ずうっと同じ記事が出ていたのにもかかわらず、びっくりするほど多くの方がアクセスしてくださったようです。

「ビートルズ」を見出しに入れたからでしょうか。ためしに今日は関係のない「ビートルズ」をはずしてみました。

定期的に読んでくださる方、がっかりさせてごめんなさい。
復刊です。

さて3回目。
リバプールの建築遺産の宝庫、世界遺産、ウィリアム・ブラウン・ストリート William Brown Street



リバプール中央図書館の一部、ピクトン・リーディングルーム・アンド・ホーンビー・ライブラリー
Picton Reading Room and Hornby Library



円形のたてものはイギリスの新古典主義(ギリシャ復興様式)に多いようです。1879年建造、第二級保存指定建築、柱頭はやっぱり、コリント式。

ホーンビー・ライブラリーとして独立していた昔から、円筒形の大書庫に蔵書がぎーっしり詰まっているようです。

くっついてるのは、りバプール中央図書館 Liverpool Central Library、本館。

入り口


リバプール世界博物館 World Museum Liverpoolとくっついていて、どこからどこまでが図書館か、よくわかりません。

図書館に入ってみなかったのが大後悔です。



リバプール中央図書館とリバプール世界博物館は、ひとつの建物です。
建物の名前はあわせて、ウィリアム・ブラウン・ライブラリー・アンド・ミュージアム William Brown Library and Museum
完成は1860年。第二級保存指定建築。柱頭はしつこくコリント式。


上の写真の左端、違う建物がくっついています。ギリシャ風ではありません。
博物館の建物の一部として、中でつながっているようです。colledge of Technology and Museum Extention
1896年から1901年にかけての建造。第二級保存指定建築。
あまり珍しくもないので、独立した写真がありません。


なぜか、同行の友人と2人、心引かれるものがあって博物館に入ってみました。入場無料。




ジャーン!という感じで目の前に展開する、モダン空間。

古代ギリシャ風はファサード(前面)だけ。


イギリス中どこにでもある、自然史、人類学、民俗学、・・・など全部をカバーした博物館みたいです。
子供たちに人気の恐竜の模型と、古代エジプトのネコ頭の女神像(模造?)と観光客らしくいっしょに記念撮影をしました。

博物館の中に水族館があったのではいってみました。
無料だけあって、かなりしょぼい展示内容でした。

私がイギリスに来たばかりの頃の博物館はどこも薄暗い古い館内に延々と続く展示ケースにていねいに分類された剥製やら化石やらが整然と並ぶ展示が主だったんです。

今は明るいモダンな館内に入館者を楽しませる工夫がいっぱいの展示が主流です。

私は、どちらかというと、古いかび臭い「学術研究!!」というムードいっぱいの昔の博物館のほうがすきだったのですが・・・

再び登場、セント・ジョンズ・ガーデンズ Saint Jhon's Gardens
大都会のオアシス。


イギリスの公的スペースではおなじみの戦没者慰霊碑。


すぐ後ろは、国宝級名建築、セント・ジョージス・ホール Saint Georges Hall


18世紀からこの場所は精神病患者監禁収容施設、墓地などのあった、陰気な場所だったようですが、1904年には地中に埋まった遺体を完全にしょりしきって、、芝生と花壇が左右対称に配置された市民の憩いの場、公園として整地されたそうです。



で、通りの最後、こりゃなんだ?といいたくなる地味なクイーンズウェイ・トンネルの入り口 The Entrance of Queen's way Tunnel
ちゃんと世界遺産の一部です。建築ガイドブックにも載ってます。


左端のかまぼこ穴。右側の箱型装飾門柱までつながっています。

1925年から1935年まで10年かかった大工事、マージー河の下を通って、対岸のバークンヘッドまで開通した当時は世界一長いトンネルでした。
14年後、スペインのヴェルハ・トンネルにその記録を破られます。

トンネルは2012年に再構築されました。
入り口は貴重なアールデコ、第二級保存指定。



さて、ウィリアム・ブラウン・ストリートではないのですが、世界遺産の一部、かまぼこ型のリバプール・ライム・ストリート駅 Liverpool Lime Street Station


駅の右側にくっついたグレート・ノースウェスタン・ホテル Great North Western Hotel
 
1871年完成、第二級保存指定建築。  

(ライム・ストリートをはさんで向かいにたつのがおなじみ、セント・ジョージス・ホール)

一番上の、去年の春にとった写真を見てください。


昔の大きな駅にはたいていあった、鉄道会社の経営するホテルです。かつては駅舎の一部でした。

全景写真がありませんが、立派です。

ルネッサンス・リバイバル様式で、フランスのシャトーをイメージして建てられたそうですが、折衷式で、古代ギリシャのドーリア式柱頭が見られます。


内部、パブになっています。駅のコンコースから入れます。






最近改装されたような明るい内装です。モダンにおしゃれに走り過ぎないなかなかいい趣味だと思います。

最後におまけ・・・

円形のピクトンリーディングルームの内部
   


中央図書館の内部。


どっちも関連ウェッブサイトから勝手に借りちゃいました。私は時間がなくて入ってみなかったんです。

インチキですね。

今度機会があったら中をみてきますね。



↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。



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2 コメント

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もりだくさん! (kakowaka)
2016-10-05 12:49:23
すごい、すごい!もりだくさん!

昔、リバプールではチェスターに行くために電車を乗り換えただけでしたが、外はいろいろあるんですね~!
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建築 (江里)
2016-10-05 15:59:09
そう。だけど、日本人向け観光ツアーだと、見せてくれないんですよね。kakowakaさんの言われるように、観光業界ではマニアックなのかもしれませんが、毎日200人以上の読者の半分ぐらいはマニアックなリバプールの新古典主義建築の写真ばかりだと承知の上でアクセスしてくださってると思うんです。見せ方次第で、観光資源にもなる古い建物の密集地。

ストックポートなんてイギリスでも観光地としてマイナーな場所にも見るべき古い建物がいっぱい。日本の観光業開は、ラクしてると思います。リバプールといえばビートルズという認識を出版マスコミ総動員して植えつければ他を見たがる観光客も出ず、現地業者やホテルとタイアップした安全でベルトコンベア式のパックが提供できるんですから。
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