日露首脳会談が終わったが、日本人の多くが消化不良状況の方が多数のことと思われる。私自身もそうである。しかし昨年の韓国との慰安婦合意を思い出した。あの時も締結直後は多くの日本国民が憤慨していた。が、現在韓国は慰安婦問題で公式に文句が言えない。韓国政府が文句を言えば仲介した米国の外交上の面子を潰すこととなり、韓国は身動きが取れない。結果はもう少し時間を見なければならないであろう。
講道館に一緒に行ったようだが、これはプーチン大統領個人にとり大きな影響があったと思える。柔道はプーチン大統領にとり特別なモノのようだ。柔道の哲学がプーチン大統領の「哲学根本」と過去に発言していた。その聖地での約束事である。
平和条約は領土問題の完了が前提条件であることから、今回はまだまだ後であることは私でも納得できる。日本側は70年前の住民の問題があり露側には70年間住んでいる露の住民はどうするのか?という問題はそう簡単な問題ではない。一つの解決策の未来図として、アニメ・甲殻機動隊のイノセンスにその姿がある。エトロフ経済得区で露の住民も日本人も自由に生活でき主権はこの作品では日本であった。当然非合法の連中の溜まり場となって犯罪の巣窟となっていた。まあアニメの世界の話ではあるが、経済評論家の上念司氏はこの作品を「予言の書」と良く口にしている。
露の問題は経済問題の他に中国問題がある。中国経済崩壊はもう逃げられない、そこで発生する難民は一番国境線の長い露に流入することは容易に予測できる。露にとりこの対策にも日本の協力が絶対必要である。
更に露の経済崩壊はプーチン政権崩壊へと向かうことになる。基本、国民を食わせることができない為政者は排除されるのが歴史の常である(朝鮮民族を除く)。
プーチン大統領が自国の経済状況が厳しいことを自ら述べ日本のサポートを口にするとは、本当にプーチンは大物である。ここまで自分の姿(弱点)を見せられては協力することに興味を持つ民間の経営者は多いと予測できる。
ただ、サハリン2の前例がある。何時投資した施設を接収されるかの心配もある。このリスクを民間の経営者がどう考えるか。しかし中国に投資したことと比較すれば遥かにリスクは小さいと思うのだが、これは私の個人的感想であるが。
ウクライナ紛争後、経済が困窮した露、その時プーチン大統領が「あの時日本とさえ上手くいっていれば」と洩らした話は有名である。基本日本より露の方が今回の会談のメリットは大きいようだ。これで政府保証がつけば民間は露への投資が加速する。
米国もトランプ大統領は意外にプーチン大統領とは話が合うようだ。しかしここでも米国政府も1枚岩ではない。オバマ陣営は今回のプーチン大統領の来日に快く思っていないようだ。安倍総理がホワイト・ホウスの横槍を拒否しての日露首脳会談である。
まあ、日露の良き未来への第一歩となれば良いのであるが、こればかりは蓋を開けてみなければ分からない。