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世界広布の大道 小説「新・人間革命」に学ぶ 第28巻

2021年04月22日 | 妙法

世界広布の大道 小説「新・人間革命」に学ぶ 第28巻 御書編2021年4月22日

  • 連載〈世界広布の大道〉
イラスト・間瀬健治
イラスト・間瀬健治

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第28巻の「御書編」。小説で引用された御書、コラム「ここにフォーカス」と併せて、識者の声を紹介する。挿絵は内田健一郎。

鉄桶の団結が広布前進の力
【御文】

 日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば例せば城者として城を破るが如し(御書1337ページ、生死一大事血脈抄

【通解】

 日蓮の弟子の中に異体異心の者があれば、それは例えば、城の中にいる者が内部から城を破るようなものである。

【小説の場面から】

 <1978年(昭和53年)7月、山本伸一は岐阜・東濃文化会館の記念勤行会で、団結の要諦について語った>
 
 「私どもは、互いに同志として尊敬し、仲良く、団結して進んでいくことが大事です。団結こそ、広宣流布の力であるからです。
 
 経文、御書に照らして、広宣流布の団体である創価学会の前進を阻もうと、魔が競い起こることは間違いありません。それは、外からの、権威、権力の弾圧や迫害となって起こることもあれば、同志間の怨嫉などの問題となって、内側から現れる場合もあります。
 
 特に私たちが、用心しなければならないのは、内部から蝕まれていくケースです。会員同士が怨嫉し、互いに恨んだり、悪口を言い合ったりするようになってしまえば、信心に励んでいても歓喜はありません。功徳、福運も消していきます。
 
 ましてや幹部が反目し合って、団結できず、陰で足を引っ張り合ったりすれば、仏意仏勅の組織は攪乱され、引き裂かれ、広宣流布が破壊されていく。その罪は大きい。皆さんが仲良く団結しているということは、皆さんが境涯革命、人間革命をしている証明なんです」(中略)
 
 また、外敵は、団結できないところを狙って付け入り、師弟や同志を離間させ、反目させようとする。したがって、どこまでも鉄桶の団結をもって、魔に付け入る隙を与えないことが、同志を守り、広宣流布を大きく前進させる力となるのだ。
 
 (「大道」の章、171~172ページ)
 

慢心排して信心の勝利者に
【御文】

 只須く汝仏にならんと思はば慢のはたほこをたをし忿りの杖をすてて偏に一乗に帰すべし、名聞名利は今生のかざり我慢偏執は後生のほだしなり(御書463ページ、持妙法華問答抄)

【通解】

 ただあなたが仏になろうと思うならば、慢心のはたほこを倒し、いかりの杖を捨てて、ひとえに一乗の法華経に帰依しなさい。名聞名利は今生の飾りであり、我慢や偏執は後生の足かせである。

【小説の場面から】

 <1958年(昭和33年)8月、山本伸一は鹿児島を訪問。信心に励み、経済苦を克服した壮年と懇談する。伸一は彼の慢心を見抜き、厳しく指導した>
 
 「弘教に励み、事業がうまくいった――それは、ひとえに御本尊の功徳であり、信心の力です。しかし、もしも、慢心を起こし、信心が蝕まれてゆくならば、またすべてが行き詰まってしまう。したがって、自身の心に巣くう傲慢さを倒すことです。
 
 題目を唱え、折伏をすれば、当然、功徳を受け、経済苦も乗り越えられます。しかし、一生成仏という、絶対的幸福境涯を確立するには、弛まずに、信心を貫き通していかなくてはならない。信心の要諦は持続です。ところが、傲慢さが頭をもたげると、信心が破られてしまう。(中略)
 
 <日蓮大聖人は=編集部注>成仏したいと思うなら、ひたすら慢心の幢鉾を倒し、瞋りの杖を捨てて、一仏乗である南無妙法蓮華経を信じていくべきであると言われている。そして、名聞名利は、今生の飾りに過ぎず、我を張り、偏見に執着する心は、後生の成仏の足かせになってしまうと、指摘されているんです。
 
 私は、たくさんの人を見てきましたが、退転していった人の多くが傲慢でした。慢心があれば、自己中心になり、皆と団結していくことができず、結局は広宣流布の組織を破壊する働きとなる。あなたには、信心の勝利者になってほしいので、あえて言っておきます」
 
 (「勝利島」の章、390~391ページ)
 

ここにフォーカス 「走れメロス」と正義の生き方

 山本伸一作詞の未来部歌「正義の走者」は、1978年(昭和53年)に誕生しました。制作過程は「広宣譜」の章に詳述されています。作詞の際、参考とされたのが、太宰治の名著『走れメロス』でした。人間不信の王に捕縛された主人公メロスが、身代わりに預けられた親友のもとに、障害を乗り越えて戻ってくるまでを描いた物語です。「信実」が「猜疑」に勝ることを訴えています。
 
 池田先生は同著を題材に、青年部にエールを送ってきました。66年(同41年)7月の華陽会研修会では朗読を聞かせます。71年(同46年)10月には詩「メロスの真実」を高等部の友に贈り、信義を貫く“正義の生き方”を伝えます。
 
 先生の若き日の日記には、こうつづられています――「妙法の青年革命児よ、白馬に乗って、真っしぐらに、進みゆけ。山を越え、川を越え、谷を越えて。“走れメロス”の如くに。厳然と、師は見守っているぞ」。時は56年(同31年)3月、「大阪の戦い」の真っただ中でした。28歳の先生は、メロスのごとく一切の困難をはねのけ、劇的な戦いの指揮で、創価の正義を満天下に示しました。
 
 先生は、「正義の道は、自身の心との戦いの道である」(「広宣譜」の章)と強調しています。「正義の道」の途上には、幾つもの「壁」が立ちはだかっています。それを乗り越える勇気が、人生を豊かに、美しくするのです。


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