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〝猫島〟愛媛・青島

2014年03月20日 | ネコ・癒やし

まさに〝猫島〟人間15人に猫が100匹! 愛媛・青島

サブジャンル [動植物] [いやし]
撮影場所 愛媛県大洲市の青島
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ニャ~~!連絡船から降り立った観光客を追って走る猫たち

 

 ニャ~~!ドライフードに群がる様子は圧巻!=17日   港を見渡せる〝水飲み場〟で一休み=17日 5段ベッド?日当たりのいい場所にはみんなが集まる=17日

 愛媛県大洲市長浜町、伊予灘に浮かぶ青島。島民15人の小さな島に、100匹を越える猫が暮らしている。昨年秋にインターネットなどを通じて噂が広まり〝猫島〟として、全国から観光客が訪れるようになった。 高齢者が多くを占める島には宿泊施設や飲食店はおろか、自動販売機さえ無いが、〝猫口(にゃんこう)密度〟の濃さに惹きつけられる猫好きの来島が後を絶たない。

 

 長浜港から出船する定期旅客船「あおしま」は一日2往復。穏やかな陽気に恵まれた3月中旬、午前8時に出航し約35分で到着した青島の港にはすでに十数匹の猫が待ち構えている。「朝御飯の時間だよ!」とでも言いたげな表情だ。桟橋に降り立った我々の足元に、まずは数匹の茶トラがすり寄ってきた。人間を恐れる様子はほとんど無い。

 島で漁師を営む紙本英則さん(63)に話を聞くと「猫は好きでも嫌いでもないよ」といいながら「なんだかんだ言っても、ね」と猫好きの顔がチラリ。その時、桟橋前広場に広げて干してあるヒジキの上を歩く猫に向かって「コラッ!」と一喝。猫は慣れた様子で〝ヒジキの絨毯〟の上から立ち去った。「しょうがないなぁ」と話す紙本さんの表情は穏やかだ。

 島の人々と猫の関係について紙本さんに尋ねると、猫たちを話し相手にしていた一人暮らしのお年寄りの中には、押し寄せる観光客に気おされ、外出を控える人もいるという。島の静かな暮らしを妨げるようでは猫たちにとっても「招かれざる客」になってしまう。 さらには「船の便数が少ない」「島の設備が不十分」といった苦情を訴える観光客もいるという。定期船の定員は34人。午前便で渡った客の帰りも考えると午後便の乗船可能な人数は当然、定員を下回る。土日ともなると20人以上の〝積み残し〟も。「心苦しいけど、どうにもならん」定期船のスタッフは頭を抱える。

 普段はローテーションで「あおしま」の船長として働く石井京司さん(54)は青島在住。休暇中は島で漁に出るが「半分趣味」と笑う。自慢の船におしっこをかけられても「掃除すりゃいい」と気にしない。「玄関の引き戸を開けて家の中に入ってくる猫もいる。夕食用にテーブルに置いた鯛をくわえて逃走する強者もおったね」と苦笑いする。

 

 温暖な瀬戸内海で、おおらかな島の人々に見守られてきた100匹以上の猫たちは、冬を越せずに数を減らしても、暖かい春には新しい命を育む。そんなサイクルを繰り返してきたのだろう。

 帰りの船に乗る前、桟橋で猫を見ながら紙本さんの言葉を思い出していた。「ゴールデンウィークが怖いよ…」猫たちが大歓迎してくれることは間違いないが、くれぐれも島に迷惑を掛けることのないよう、マナーを守る事を徹底したい。(写真・文 尾崎修二)


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