これはもう完全に、周りの方が好印象だったので興味本位で首突っ込んだ作品で
バードマン同様、おそらく自分じゃチョイスしない作品だった。
いやもう、息止めてるわけじゃないんだけど、映画が終わって
エンドロールが流れ出したとたんに力が抜けたというか、ドワッと疲労感が来たというか。
ええ意味で、
息つく暇がなかったという・・・。いや褒めてます、マジで。
バードマンがず~~っとフィルムを回しっぱなしのように見せていたとするなら
セッションは最初から最後までず~~っと”緊張感でこっちがピーンと張り詰めたままで見てた”という。
充実の1本だったなという意味ではこっちが上か。バードマンも結構好きだったんだけどね。(^_^;)
世界的なジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーと出会う。
これがまずニーマンにとっては最初の1歩だったわけなんだけども、
完璧を求めるフレッチャーはま~ボロクソ。椅子は投げるわ罵声を浴びせるわ。
どこが悪いのか指摘して怒るだけならまだついていけるけど、とにかく口が悪いし怒鳴りまくっててね~。(^_^;)
ただ、そんだけ口が悪くても
あ~この人は本気ですごい生徒を育てようとしてるんだよな~ってのが
なんとなくはわかるのね、第三者の目でみるぶんには。
それって、このJKシモンズって俳優さんの持つ何かに
わずかではあっても生徒に対する期待とか愛情とかを感じ取れたからかもしれないんだけども。
でもさ~、フツーは本人の前ではあんなこと言うてるけどあんな人じゃないのよ、
ホントにあなたのことを思ってるの的なシーンだったり、誰かの言葉だったりありそうなもんですが
ま~~~~~~~ったくありません。(爆)
今そないに人から怒鳴られることはないし、
あんだけけちょんけちょんに言われちゃうと、才能もなにも潰れちゃうんじゃねーのって
努力しようって気持ちがまずポキッと折れちゃうわな。
私だったらもう初日でダメかも~~。打たれ弱いからな~~。゜(゜´Д`゜)゜
イマドキの子供なら精神疾患になってもおかしくないわな。
でてこなくてもいいとこへ親がガンガン出てきそうだわな。(^_^;)
とある事件のせいでニーマンとフレッチャーは袂を分かつことになってしまうんだけども
そのあと再会して、にこやかに言葉を交わして
あ、これでわかり合えたのかな?
こっからは仲良しこよしで楽しく演奏するのかなとおもいきや
え~~~~~~~~っ!!!!!
・・・まさかそれがこんな展開になるとはね~。
どこまでもこのふたりはバチバチのバトルだったわけですね。
野心と狂気のぶつかりあった先にしか、歴史に名を残すようなプレーヤーは
生まれないってことなんでしょうかね。
結果論だけ言えば、終わりよければすべてよしなんでしょうけど。(^_^;)
狂気には狂気で答える、復讐には復讐をする、
1度目はブチ切れて殴ってしまったけど、今度はもうへこたれない。
いったんひっこんだものの、クルッと踵を返して
舞台に戻ったニーマンの反撃が気持ちいい!!!!!
実際は
技術の上でも精神的にも、
ニーマンをこんなふうに強くしたのはフレッチャー自身なんだけども、
つぶしてやるとばかりに嫌がらせをして、ごっつ嫌な顔をしていたはずのフレッチャーの顔が
途中からどんどん笑顔になってくのな、
そうだその調子だっていわんばかりに。
俺が育てたかったのはこういうプレーヤーなんだっていわんばかりに。
言動ではもうぶつかってばかり。
でも結局はふたりとも最高のプレイがしたいだけ。
そういう意味では最後の最後に最高のセッションができたんではないでしょうか。
ステージの上の最高のプレイだけが心通わせられたわけですね。
遥か上の高みを目指して、そこにたどりつくことができたもんだけが感じる幸福な瞬間を
最後の最後にやっと見た気がしました。
PS:フレッチャーが部屋に入ってくるなりバンドメンバー全員に一斉に緊張が走るんですけども
とにかく細かいこと言い出すときりがないのですが気が休まらないわけですわ、
自分がその場にいるような精神的なプレッシャーをず~っと感じていて、
なんかこうず~~っと押さえつけられてるような気持ちを引きずってクライマックスまでいくから
最後の最後に見せるニーマンのプレイで一気にスカッとするんですね。
んで、やっとゆったりした気分でエンドロールの音楽を楽しめるわけです。
さらにラストにドラムで締める編集もまたGoodでした。