
高良健吾扮する世之介と誰かとの会話
なんだか「紙兎ロペ」みたいだった。(え?)
微妙にかみあってなかったり、伝わらなかったりするし
時折えらく図々しいんだけどなぜかイヤミがなくて、
ただ正直なだけなんだよな~で
ありのままの自分で誰とでも付き合えるんだろうな~っていう
それで許せちゃうのな。不思議なキャラだったと思う。
予告編でなぜ吉高由里子扮する祥子ちゃんが微笑みながらうるうるしてたのか
「出会えたことがうれしくて,可笑しくて、そして寂しい」の
寂しいがなんだったのか・・・なるほどそういうことだったんですかと。
なんでもないことが実はとってもステキな時間だったんだってのは
通りすぎてから気がつく。
その当時はただただ不器用で一生懸命で、
いや何かができたという記憶もないまま光のように過ぎてくものだったとしても。

長崎の田舎から出てきた18歳の青年は
正直イケてる兄ちゃんではなかったけど
それでも人の記憶に残っている彼は
天真爛漫でマイペースで空気読めなくて遠慮もないけど
悪気もなくて憎めない、
お人好しで人のことは全力で応援しちゃうし
とにかく・・・うまく言えないけど
クスッとわらっちゃうようなひと。
映画自体はゆるゆるな展開で
彼の周りで起こる出来事も関わってくるひとたちも
あるあるネタだと言ってしまえばそれまでなんだけど
それをいかにおもしろおかしくするのかってのは
もう出ている俳優さんたちの力量なんでしょね。
特に吉高由里子ちゃんが演じてたお嬢様は
世之介とはまた別の意味でちょっとズレていて
しかも天然でハイテンションでちょっと変わってるのに
清楚でかわいいという実に魅力的な女の子でしたよん☆

全然話は飛んじゃうけど
3.11の東日本大震災のあと同窓会って増えてるそうな。
急にみんなの消息が知りたくなったり会いたくなったりってのは
私くらいの年齢になると特に多いみたいで。
自分ももう15年ぶりくらいだったかな。参加したのは。
覚えてるとかいないとかより、同じ時間を過ごした人と会いたいってのかな・・・。
映画の時間の流れは16年後の回想ってことなんだけど
その間にもちろん自分も周りも変わっていく。
でも人の記憶のなかにいる自分が笑顔でありますようにって
なんか切に思ってしまった。
あの頃は良かったなんてことを言いたいのではなくて
そんな楽しい時間があったことが
そのひとを笑顔にできたらいいのになって。誰かを元気にするものだったらいいのになって。
ときにそういう思い出は心の支えになったりするから。
ふと思い出して元気でいるかなって幸せでいるかなって
そういう、忘れられないひとっていますか?
思い出をつくるために生きてるわけじゃない。
でも何気なくすぎていってしまう「今」っていう時間を
やっぱり大切にしたいと思うそういう作品でした。