木こりが~ゾンビ映画と~であった~。
って、あの某番組の間延びしたほわっとした声で
ナレーションしたくなるような映画だった。
「南極料理人」の監督だしある意味安心して見に行った作品。
ただし、キャラ設定上
小栗旬がやってた、新米映画監督の立ち振る舞いは
見ててものすごくイライラするものなので
最初のうちはあ~もうっって思うかも。
男は多くを語らない。
で、それを狙っての言葉足りずな、説明不足なセリフが
お互いをけむに巻き、見てる方には笑いを提供してる。
映画の製作現場がちょこっと覗き見できるような作品。
・・・小栗旬も俳優の傍らで
過去に「シュアリー・サムディ」を撮ってるんだけど
ここまで気弱でないにしても、
この幸一にどこか自分を重ねてはいなかったかな?
一見不恰好な、ヒノキのディレクターズチェアは
きっと今後あの監督の道しるべになるんだろうな。
気持ちはどっちかいうと小栗旬より
役所広司目線でながめてました。
ちょっと興味もったから、面白そうだから
にしては、未知との遭遇にかなりのめりこんでしまって(笑)
その人望でもって
最終的には村人みんな巻き込んで
この頼りない監督のバックアップをしてしまうんだよね。
物珍しさもあっただろうけど、
どっかに監督と自分の息子を重ねあわせてたんだろうなって。
この出会いが自分と自分の息子の関係もまた修復していく。
人は人と出会って
いくつになっても変われるんだなって。
年齢とか関係なく教えられることがあるんだなって。
ふつうなら出会うはずのない人なんだけど、
最初はめっちゃ迷惑がって嫌がってたはずなんだけど、
気が付けばお互いがお互いを助けてる、
そういうことってやっぱあるんだなって・・・。
映画はひとりじゃできないし、
こうやってロケで訪れた先のひとたちとだって
一期一会で終わらない思い出も作れるだろうし、
そういう出来事がきっとものづくりにも人間形成にも
血や肉になってくんだろうなって。
そういうなんでもない出会いのありがたみみたいなもんを
見たような気がしました。
あと、やっぱ食べるシーンが多い。
でも、誰かと食べることの大切さは
ここ最近もそういう映画みたからなんとなくわかる。
ジンクスなんかくそくらえって
監督に無理やりあんみつ食べさせるシーンとか
息子が自分と同じ作業着をきて
無言だけど一緒に朝食食べてるシーンとか
なんか・・・よかったよね。うまく言えないんだけど。
映画のことなんてつい最近まで
なんにも知らなくたって
一瞬だけ雨が上がるタイミングを教えてあげられる。
なんかね、役所広司演じる岸さんが走ってくるだけで
もう大丈夫って思える安心感が見てる側にも伝わってきて
あ~なんてええひとなんだって。
素直に感動して、ありのまま怒って、
気が付いたらちょっとでもいい映画になるよう助けちゃおって思ってる
その気持ちの強さが、あんなにおどおどしていた監督を変えていくんだ。
木こりさんの一生懸命さが
笑いと奇跡をつれてくる作品。
PS:おとぼけでありながら、むっちゃムキになる、
役所広司の魅力でひっぱってく映画。
役所さんのB級ゾンビも必見。(爆)
いっこだけいうたら。
…幸一の作ってたゾンビ映画、面白いのかな。
泣くようなとこあるか?(わわわわわ)