ボウマンFRB理事、年内は利下げないと予想ーインフレ根強く
Steve Matthews
2024年5月10日 22:24 JST
更新日時 2024年5月11日 1:54 JST
インフレ目標達成に向け当局は「注意深く慎重に」行動すべきだ
金融当局者からは今週、高金利長期化を示唆する発言相次いでいる
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は10日、今年に入りインフレの根強さを示す指標が続いている点を指摘し、年内に利下げを開始することが適切になるとは思わないとの考えを示した。
ボウマン理事はテキサス州での講演後、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じた。四半期ごとに公表する米当局者の経済見通しに言及し、今年について「現時点で利下げは予想しなかった」と述べた。その上で、金利を長期間据え置くのが自身の基本シナリオだと続けた。
米金融当局者からは今週、高金利長期化を示唆する発言が相次いだ。
ボストン連銀のコリンズ総裁は8日、需要を抑制し物価上昇圧力を低減するには、おそらく従来の想定以上に長く金利を高水準に維持する必要があるとの考えを示唆した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は7日、インフレが当局目標への道筋を進んでいるとの確信が得られるまで、金利を現行水準に「長期間」維持する方針だと語った。
ボウマン理事はまた、期待外れのインフレ指標が3ー4カ月続いたとして、インフレ率が2%の目標に回帰しつつあると自身が確信するまでには長期間を要するだろうと指摘。インフレ鈍化について数カ月分の進展を確認したいとし、利下げに対して心地いいと感じるまでにおそらく数回の会合を経るとの見方を示した。
さらに個人消費は好調だとして、米経済には前向きな勢いがあると述べた。
自身の金利見通しに関する注意点としては、経済に想定外のショックが起こった場合だと指摘。そうなれば「金融政策を通じてそれに対処する根拠となるだろう」と述べた。
「注意深く慎重に」
ボウマン氏はこれに先立ち、テキサス州アーリントンでの講演で、インフレ率を目標の2%に下げるまで金融当局は「注意深く慎重に」行動すべきだと述べていた。
講演後の質疑応答では、金融当局は現行の政策金利を「もう少し長く」据え置く必要があるとの考えを示した。ボウマン氏は先週、インフレ率は「しばらくの間」高止まりする可能性が高いとの見方を示していた。
IIF Global Outlook Forum
ボウマンFRB理事
Photographer: Julia Nikhinson/Bloomberg
講演では「インフレとの闘いを進める上では、2%目標の達成に向けて注意深く慎重に進めることによって信頼性を維持することが何よりも重要だ」と語った。
その後の質疑応答では、現行の政策金利を「もう少し長く据え置く必要があるだろう」とした上で、「インフレ面で進展が見られなければ、そこから先に何をすべきかを真剣に考える必要が出てくる」と語った。
原題:Bowman Sees Fed On Hold With No 2024 Cuts as Inflation Sticky(抜粋)
(インタビューでの発言を追加して、更新します)
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