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【医師が教える】肥満、喫煙、高血圧の人は要注意! 近年増加している「慢性腎臓病」とは?…知っておくと役立つ医学の常識 5/11(土) 6:02配信 ダイヤモンド・オンライン

2024-05-11 07:45:18 | 日記
【医師が教える】肥満、喫煙、高血圧の人は要注意! 近年増加している「慢性腎臓病」とは?…知っておくと役立つ医学の常識
5/11(土) 6:02配信
ダイヤモンド・オンライン



 人はなぜ病気になるのか?、ヒポクラテスとがん、奇跡の薬は化学兵器から生まれた、医療ドラマでは描かれない手術のリアル、医学は弱くて儚い人体を支える…。外科医けいゆうとして、ブログ累計1000万PV超、X(twitter)で約10万人のフォロワーを持つ著者(@keiyou30)が、医学の歴史、人が病気になるしくみ、人体の驚異のメカニズム、薬やワクチンの発見をめぐるエピソード、人類を脅かす病との戦い、古代から凄まじい進歩を遂げた手術の歴史などを紹介する『すばらしい医学』が発刊された。池谷裕二氏(東京大学薬学部教授、脳研究者)「気づけば読みふけってしまった。“よく知っていたはずの自分の体について実は何も知らなかった”という番狂わせに快感神経が刺激されまくるから」と絶賛されたその内容の一部を紹介します。

● 腎臓の重要な働き

 腎臓の役割は何かご存じだろうか? そう問うと、多くの人は「尿をつくること」と答えるだろう。

 だが、この答えは腎臓の機能を表面的に捉えたにすぎない。もっと正確に書くなら、「体液の量、電解質、浸透圧、pHなどの組成を一定の範囲内に維持すること」である。

 腎臓は、この働きを担う唯一の臓器なのだ。例えば、真夏の暑い日に大量に汗をかいたり、摂取する水分量が減ったりすると、体液が減少し、イオン濃度と浸透圧は上昇する恐れがある。

 その場合、腎臓は尿を濃縮することで、失われる水分を減らす。逆に、多量の水を摂取すると、体液量が増え、イオン濃度と浸透圧は低下する恐れがある。

 その場合、腎臓は尿を薄くして体外に余分な水分を排出する。このようにして、血液の浸透圧は常に280mOsm/kgH2O前後の狭い範囲に維持される一方、尿の浸透圧は50~1400mOsm/kgH2Oという、驚くほど広い範囲で変化する。

 つまり、尿の「濃さ」は30倍近く変化できるのだ。誰しも、自分の尿の色が濃くなったり薄くなったりするのを見慣れているはずだ。

 その理由はもうわかるだろう。

 体に水分が足りないときは濃縮された黄色の尿が出る一方、水分が余っているときは薄い色の尿が出るからだ。

● 腎臓は「ろ過装置」

 全身を巡る血液は約5リットルである。その一部は絶えず腎臓に流れ込んでいて、ここで濾過されて尿がつくられる。

 腎臓には「糸球体」と呼ばれる濾過装置が左右それぞれ約100万個ずつ存在する。その名の通り、毛細血管が糸玉のような形状になったもので、一つは直径0.1~0.2ミリメートルと目に見えないほど小さい(1)。

 この濾過装置は、捨ててはならない血液中の細胞成分、つまり白血球や赤血球、血小板や、重要なタンパク質(アルブミンやグロブリン)を通さないが、それ以外の水分や電解質は通過する。

 何らかの病気で糸球体の機能が障害されると、この濾過作業がうまくいかなくなり、赤血球が漏れ出したりタンパク質が漏れ出したりする。

 健康診断の尿検査で、尿潜血(目に見えない尿中の赤血球)や尿タンパクの有無を調べる目的の一つは、本来漏れ出すはずのないこれらの物質を検出し、腎臓の病気の存在を知ることだ。

 実は糸球体で濾過される血液量は、1日あたり約150リットルもある。のちに尿となるこの「濾過液」を「原尿」と呼ぶ。

 これが尿細管という細い管を通る間に、必要な成分が再吸収され、不要な老廃物が排出されるという選別が起こる。この際、約99パーセントの水分が吸収され、結果的に一日あたりの尿は、1.5~2リットル程度になるのだ。

 この壮大な「濾過」と「再吸収」の過程において、必要なだけの水分と電解質などが回収され、また不要な分が捨てられるという緻密な調節が行われる。これこそが、腎臓が体液の組成と量を調節するプロセスなのである。

● 増えている慢性腎臓病

 腎臓の機能が低下すると、体液バランスを維持することが難しくなる。これによって生命に危険が及ぶ場合は、機械に腎臓の機能を肩代わりしてもらう。これが血液透析である。

 一般的な血液透析の場合、月水金や火木土のように週に3回、1回あたり数時間の透析に通うパターンが多い。

 普段、知らないうちに腎臓が行ってくれる仕事の代理を機械に依頼すると、これだけの手間がかかってしまうのだ。

 健康な自分には透析など馴染みの薄い存在だ、と思っただろうか? 実は必ずしもそうではない。

 慢性的な腎機能低下、すなわち慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は、近年増加しているのだ。

 CKDは、糖尿病や慢性糸球体腎炎と呼ばれる病気が原因になるほか、肥満、喫煙、高血圧、脂質異常症などのメタボリック症候群もCKDの発症に大きく関わっている。

 ひとたび失われた腎臓の機能は元には戻らない。よって、病気の進行を遅らせる治療、すなわち、血糖値や血圧のコントロール、適度な運動、禁煙、食事制限などが必要になる。

 唯一無二の機能を持つ腎臓は、丁寧に守らねばならないのである。

 【参考文献】
(1)一般社団法人日本腎臓学会「腎臓の構造と働き」
 https://jsn.or.jp/general/kidneydisease/symptoms01.php

 (本原稿は、山本健人著『すばらしい医学』を抜粋、編集したものです)

山本健人(やまもと・たけひと) 2010年、京都大学医学部卒業。博士(医学)
外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、感染症専門医、がん治療認定医など。運営する医療情報サイト「外科医の視点」は1000万超のページビューを記録。時事メディカル、ダイヤモンド・オンラインなどのウェブメディアで連載。Twitter(外科医けいゆう)アカウント、フォロワー約10万人。著書に19万部のベストセラー『すばらしい人体』(ダイヤモンド社)、『医者が教える正しい病院のかかり方』(幻冬舎)、『もったいない患者対応』(じほう)ほか多数。新刊『すばらしい医学』(ダイヤモンド社)は3万8000部のベストセラーとなっている。
Twitterアカウント https://twitter.com/keiyou30
公式サイト https://keiyouwhite.com

山本健人

私たちがじつは知らない「日本人の姿」…庶民は「移動が多かった」という「意外な事実」 5/11(土) 6:33配信 現代ビジネス

2024-05-11 07:19:37 | 日記
私たちがじつは知らない「日本人の姿」…庶民は「移動が多かった」という「意外な事実」
5/11(土) 6:33配信
現代ビジネス



 『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは? 
 「宮本の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事」だという民俗学者の畑中章宏氏による『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』が6刷とロングセラーとなっている。

【写真】女性の「エロ話」は何を意味しているか? 日本人が知らない真実

 ※本記事は畑中章宏『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』から抜粋・編集したものです。
「移動」からみた列島文化

 日本人は、稲作に携わってきた人口が統計的にも多数を占めたことから、移動が少なかったようにみられがちである。

 しかし、宮本が記録した庶民は、移動する人びとが目立つ。それは、宮本の故郷である周防大島が、国内外を移動してきた人びとが多い島だったからである。そうした移動者の一端は、『忘れられた日本人』のなかにも描き出されている。

 1950年(昭和25)、学術調査団の一員として対馬を訪れた宮本は、島の南端、豆酘の浅藻(現・長崎県対馬市厳原町)に、周防大島久賀の出身で、この村の開拓者である老人が生き残っていることを聞き、その人、梶田富五郎を訪ねた(「梶田富五郎翁」『忘れられた日本人』)。

 三歳の時両親に死なれた富五郎は、叔母の知り合いの家に引き取られ、七歳のとき「メシモライ」になった。「メシモライ」は親を亡くした子どもを漁船に乗せ、漁を手伝わせながら漁師に育てる慣行で、相互扶助による救済制度だった。

 対馬の海は魚で埋まっているという噂を聞いた久賀の漁師は、富五郎を乗せて博多や壱岐をまわって1876年(明治9)に対馬に着いた。

 沖で転覆した豆酘の船を救助したことにより浅藻へ住むことが許され、土地を開いて納屋を建てた。潮の満ち引きを利用し、海底の石を沖に運び港を開いた。

 当時、周防大島からハワイへの出稼ぎがさかんだった。ハワイでは日当50銭、久賀では13銭だったが、富五郎はここで漁師として一生暮らすと決める。漁場は豊かで、獲った魚は厳原の問屋に売り、米、味噌、煙草などを仕入れた。親兄弟を呼び寄せた人もいたため村は発展し、1897年ごろには100戸になった。

 現在の日本では、国外からの移民・難民の受け入れが大きな課題になっている。こうした問題を考えるときに、私たちのうちの多くの人びとも、各地を移動してきたことに思いをめぐらせる必要があると思う。

畑中 章宏(作家)

〈解説〉オランウータンが「薬草」で自分の顔の傷を治療、野生動物で初めて観察 5/10(金) 18:02配信 ナショナル ジオグラフィック日本版

2024-05-11 07:12:05 | 日記
〈解説〉オランウータンが「薬草」で自分の顔の傷を治療、野生動物で初めて観察
5/10(金) 18:02配信
ナショナル ジオグラフィック日本版

意図的に植物を利用、治療効果はどうやって知ったのか?

2022年6月23日に撮影されたラクス。頬に大きな傷がある。この2日後に、ラクスは噛んだアカルクニンの葉を傷の上に貼り付けていた。(PHOTOGRAPH BY ARMAS)

 2022年の夏、かつて誰も見たことのないオランウータンの行動が観察された。「ラクス」という愛称で親しまれているスマトラオランウータン(Pongo abelii)が、抗菌、抗炎症、抗真菌、抗酸化作用のある「薬草」を使って、頬にできた大きな擦り傷を丁寧に手当てしていたのだ。その様子を記録した論文が、2024年5月2日付けで科学誌「Scientific Reports」に発表された。

【関連動画】顔の傷のビフォー&アフター、薬草使うオランウータンの「ラクス」

「わずか数日でひどい傷が治り始め、さらに2日後には傷口が完全に閉じていました」と、論文の筆頭著者で、ドイツにあるマックス・プランク動物行動研究所の霊長類学者のイザベル・ラウマー氏は話す。「薬効のある植物を使って傷を治療する野生動物が観察されたのは、これが初めてです」

 ラクスの行動は、インドネシア、スマトラ島のグヌンルセル国立公園内にあるスアックバリンビン研究ステーションを取り巻く熱帯雨林で観察された。研究センターは1994年から、周囲の保護林に生息したり、頻繁に姿を見せるオランウータンを観察してきた。動物たちに干渉することなく、あくまで見守る形で、その動きや行動を注意深く追跡、監視、記録している。

「決して彼らの邪魔にならないように数十年間観察を続けてきた結果、向こうも私たちのチームが近くにいることにすっかり慣れてしまいました。人間の存在を無視してもいいのだとわかり、完全に野生のままの姿を見せてくれます」と、ラウマー氏は言う。

 研究センターの周辺の熱帯雨林は、スマトラオランウータンが地球上で最も密集している地域だ。オランウータンの生息地は、森林伐採によって年々縮小している。そのため、本来単独行動を好むオランウータンたちが、お互いに近い場所で暮らさなければならなくなっている。

 国際自然保護連合(IUCN)の推定によれば、スマトラオランウータンは現在約1万3800頭しか生存しておらず、危機のランクを「近絶滅(Critically Endangered)」としている。絶滅の危機に瀕している類人猿の驚くべき行動を観察して共有し、彼らがどれほど特別な存在で、人間に似ているかを人々に知ってもらい、絶滅から救う取り組みにつなげられればと、ラウマー氏や研究仲間たちは期待している。霊長類学、民族植物学、生物進化人類学の分野の他の研究者も同じ思いだ。


驚きの光景

 ラクスは、2009年から研究センターのなかやその周辺で暮らしている。2022年6月のある朝、研究者たちは、ラクスの右目の下の頬に大きく擦りむいた傷があることに気づいた。

 その前に、ラクスは監視エリアの外に出て行っていたため、どのようにして負傷したのかは誰にもわからない。おそらく、木から落ちて枝にぶつかったのか、他のオランウータンと争ったときに負った傷だろうと思われる。

 いずれにしても、傷はその後数日間膿み続け、「かなり悪いように見えました」と、ラウマー氏は言う。

 3日目に、研究者たちはラクスがアカルクニン(Fibraurea tinctoria)というつる植物を探し求め、それを食べている様子を観察した。一般に傷の手当てや赤痢、糖尿病、マラリアの治療に使われている植物だ。

 わざわざアカルクニンが生えている場所まで行って食べるという行動自体が極めて珍しいと、ラウマー氏は指摘する。「私たちのデータを見ると、ここに生息するオランウータンが食べるもののうち、アカルクニンが占める割合はわずか0.3%です」

 ラクスの傷が感染症を起こしたり、発熱していたりしたら、理論的にはアカルクニンを食べることで症状は改善しただろう。ラクスがそうと理解してこれを食べていたのだとしたら驚くべきことだと、研究者は考えた。とはいえ、その時点ではまだ単なる憶測にすぎなかった。

 しかし、次にラクスが取った行動は意図的としか思えないものだった。

「ラクスは、葉をちぎって口に入れると、飲み込むことなくそれを噛み、抽出した液体を直接自分の傷口に塗っていたんです。それを何度も繰り返していました」

 このようにして7分間傷の手当てを続け、その後さらに約30分にわたってアカルクニンを食べ続けた。

「植物の液を傷口だけに塗っていたという点が重要です。体のほかの部分には付けていませんでした」と、ラウマー氏は強調する。そして今度は、噛んだ後の葉を「湿布のように」傷口に貼り付けた。

 翌日も、ラクスはまたアカルクニンを食べに戻ってきた。3日後、傷口はふさがれ、順調に回復しているように見えた。1カ月ほどで、傷はほとんど目立たなくなった。

 米オハイオ州にあるケント州立大学の人類学部長で生物人類学者のメアリー・アン・ラガンティ氏は、ラクスの行動について「注目すべき発見」としながらも、「オランウータンの高い知能を考えれば、それほど驚くことでもありません」と話す。


薬効をどうやって知ったのか

 ラウマー氏も、オランウータンの高い知能に関してラガンティ氏の意見に同意するが、ではラクスはどのようにしてアカルクニンが持つ治療効果を知りえたのだろうか。

「アカルクニンを食べていて、たまたまそれを触った手で傷に触れたら、すぐに痛みが和らいだことに気づいたため、何度も傷に塗るようになったのかもしれません」

 または、子どもの頃に母親か別のオランウータンの行動を見て学んだ可能性もある。これを、「覗き込み行動」と呼ぶ。「霊長類、特に類人猿は、子ども時代が長いという特徴があります。その間に多くを学べます」と、ラガンティ氏は言う。

 オランウータンの母親は、子どもが生まれてから7~8年間集中的に育児を行うため、ラクスもこれを母親から学んだ可能性がある。しかし、おとなのオランウータンにも覗き込み行動が見られた記録がある。ラクスもおとなになってから学んだということも考えられる。

 さらに、人間と類人猿の最後の共通祖先が似たような行動を取っていた可能性もある。
過去の観察記録

 野生の霊長類が薬効のある植物を噛んだり、飲み込んだり、使用しているのが観察されたのは、これが初めてではない。

 1960年代初期に、有名な霊長類学者で人類学者のジェーン・グドール氏が初めて、タンザニアのチンパンジーのフンの中から、薬効のある植物の葉が見つかったことを報告している。それ以来、他の群れでも、傷口をきれいにしたり、病気を癒すために、植物や昆虫を食べたり使用したりする行動が観察されてきた。

 しかし、米デューク大学の著名な名誉教授で進化人類学者のアン・ピュージー氏は、いずれの場合も「どんな葉を使ったのかまでは特定されていませんでした」と話す。2022年2月7日付で学術誌「Current Biology」に発表された論文では、アフリカのガボン共和国でチンパンジーが昆虫を傷口にこすりつけるという行動が報告されているが、このときも、どんな昆虫が使われたのか、どのような効能があったのかなどは特定されていない。

 ラクスの行動が重要なのは、使用した葉に薬効成分があることがよく知られているためだ。また、ラクスはゆっくりと時間をかけて、丁寧に傷の手当てをし、治りも早かったと、ピュージー氏は言う。

「研究対象の集団でまだ1度しか観察されていないため、その起源については多くの疑問が残ります。しかし、自分で自分を治療するという行為は、私たちの進化の過程に深く根差しているのかもしれないということがここからも読み取れます」

文=Daryl Austin/訳=荒井ハンナ

資生堂1〜3月最終赤字32億円 早期退職に1477人応募 業績ニュース 2024年5月10日 20:39

2024-05-11 06:32:38 | 日記
資生堂1〜3月最終赤字32億円 早期退職に1477人応募
業績ニュース
2024年5月10日 20:39

資生堂が10日発表した2024年1〜3月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が32億円の赤字(前年同期は86億円の黒字)だった。免税品の販売事業が在庫調整などの影響で落ち込んだ。早期退職に伴う構造改革費用約180億円を、予定していた同4〜6月期から前倒しで計上したことも響いた。不振だった日本や中国事業は回復した。

取引終了後の発表を受け、私設取引システムでは株価は一時、10日の東証終値比10%安まで急落した。その後は約6%安で推移している。事前の純利益の市場予想平均(52億円の黒字)を下回ったことが嫌気された。資生堂は「構造改革費用を前倒し計上したためで業績は想定以上で推移している」として、24年12月期通期の業績予想は据え置いた。

24年1〜3月期の売上高は前年同期比4%増の2494億円だった。

赤字の背景には長引く構造改革がある。同社は20年12月期に、19年12月期の最高益から一転、116億円の最終赤字に転落した。21年に日用品事業を売却するなど改革を断行。24年2月には国内で早期退職者1500人の募集に踏み切った。日本事業の従業員数の1割強に相当する1477人が応募した。これに伴い、関連費用を計上した。

空港での免税品販売などトラベルリテールの大幅減益も響いた。24年1〜3月期の同事業のコア営業利益は30億円と60%減った。中国・海南島や韓国での転売を巡る規制強化による流通在庫の調整が響いた。東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出による買い控え影響も重なった。連結全体のコア営業利益は10%減の113億円と低迷した。

一方で日本や中国などの主力事業は改善傾向にある。コア営業損益は日本が66億円の黒字(前年同期は16億円の赤字)、中国が1億円の黒字(同21億円の赤字)に回復した。ともに、1〜3月期では3年ぶりの黒字だ。

日本では注力する化粧品の高価格帯ブランド「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」などが伸びた。インバウンド(訪日外国人)売上高は実質ベースで40%超の増収だった。藤原憲太郎社長最高執行責任者(COO)は「コストを減らし続けないといけない悪循環に陥ることなく、成長戦略が結果につながった」と話した。

中国は合理化が寄与した。不採算店舗を減らし、富裕層に向けたプロモーションに集中するなどマーケティング費用も適切に配分した。一連の原発処理水放出の影響を補った。

24年12月期の売上高は前期比3%増の1兆円、純利益は1%増の220億円を見込む。今後は、日本や海外での継続的な採用抑制などでコスト構造を全般的に見直す。通期では早期退職分も含めて300億円の構造改革費用の計上を予定し、日本では25年以内に商品数の2割を削減する方針も掲げる。

構造改革の効果については、今期に150億円、25年12月期に250億円のコア営業利益を押し上げる効果を見込む。売上高の約半分を占める日本と中国の業績が底入れ傾向にあるだけに、構造改革を早期に終了できるかが焦点になる。

(今村桃子)

【関連記事】

・資生堂、傘下のファイントゥデイHDが上場準備
・資生堂、国内で早期退職1500人募集 社員の1割強に相当

米国株、ダウ8日続伸し125ドル高 利下げ期待根強く ナスダックは小反落 米国・欧州株概況 2024年5月11日 5:49

2024-05-11 06:30:14 | 日記
米国株、ダウ8日続伸し125ドル高 利下げ期待根強く ナスダックは小反落
米国・欧州株概況
2024年5月11日 5:49

【NQNニューヨーク=稲場三奈】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は8日続伸し、前日比125ドル08セント(0.31%)高の3万9512ドル84セントで終えた。8日続伸は昨年12月以来。米連邦準備理事会(FRB)が年後半に利下げ転換するとの期待が根強く、主力株に買いが続いた。週間の上げ幅は837ドルと2023年12月中旬以来の大きさだった。

前日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回るなど、労働市場の過熱感の和らぎを示す経済指標の発表が相次いでいる。物価指標の上振れで強まっていたFRBの利下げ先送り懸念が後退し、買いが広がった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体株の一角が上げた。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が4月の売上高が前年同月に比べ59.6%増えたと10日に発表。半導体株の一角の買いを促した。

もっとも、ダウ平均の上値は重かった。ミシガン大学が10日に発表した5月の米消費者態度指数(速報値)は67.4と、昨年11月以来の低水準となった。4月(77.2)から悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(76.0)も下回った。インフレ再燃や失業率上昇への不安感があるという。1年先の予想インフレ率は前月の3.2%から3.5%に上昇し、インフレ圧力の強さを警戒した売りが出た。

市場では、「ほんの少しだけだが、スタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)への懸念につながりうる内容だった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。

ダラス連銀のローガン総裁は10日の講演で、インフレ率を目標の2%に戻すのに政策金利が十分制限的かどうか確かではなく、利下げするには早すぎるとの見方を示したと伝わった。利下げに消極的との受け止めは相場の重荷だった。

ダウ平均は前日までの7営業日で1570ドルあまり上昇していたあとで、週末を控えた持ち高調整の動きもみられた。米債券市場で長期金利が4.5%前後と、前日終値(4.45%)より高く推移した。株式の相対的な割高感が意識されたのも売りにつながった。

個別では、マクドナルドやベライゾン・コミュニケーションズ、ビザなどが上げた。アナリストが投資判断を引き上げたスリーエムも買われた。半面、ナイキやボーイング、アマゾン・ドット・コムは下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反落した。前日比5.396ポイント(0.03%)安の1万6340.869で終えた。テスラの下げが目立った。