黒木 究(キワム)さんが、喫茶店「ウイング」のカウンターで取り出して見せたのが写真の作品である。魚の潜水服という。空気中に行くので「潜空服」だそうで笑えた。しかし、笑うよりもなによりも、潜空服のなんとおしゃれなことかと、
魅了させられた。そして現実感がある。昔見た実際の潜水服が、夢のように再現されてくる。たしかに目の周りには保護の格子、ねじでとめる思い頭部、空気を通すパイプ、ごわごわした被服と、「海底2万哩」のシーンのようなロマンが漂う。
この銅版の頭部はねじを緩めて脱着可能である。細かい部分にねじを受ける軸がハンダづけされている。水中眼鏡とその格子、各種のパイプが作られハンダづけされる。そして正確に頭部と胴部が合体できる。ごわごわの外被も布を裁断し、ミリ単位で縫合し、捻りを抑えて糊付けしていったという。どの部分をとっても気の遠くなるような手作業で、進められる。
そして、驚いたのは、鯵や飛び魚、平目と魚にあわせるのに、魚類図鑑では役に立たなかったという話であった。図鑑では目の間の開きも頭部での位置もわからなかったし、体の鰓の位置、その厚さ、カーブもまったくわからない、港や魚家さんに行って手に取るしかなかったというのである。言われてみると、まことにその通りで、魚類図鑑を見れば魚はわかる思っていた認識法の虚を疲れた思いだった。
カウンターでこういう話を聞きながら、この鯵の潜空服を飽きずみつづけたわけだが、去る2月7日から12日まで黒木さんの5人の造形作家の第7回「アルテ デ
シンコ」展『県立美術館)に出品された。その会場での印象であるが・・・あそこではもったいない。以下次回に。
魅了させられた。そして現実感がある。昔見た実際の潜水服が、夢のように再現されてくる。たしかに目の周りには保護の格子、ねじでとめる思い頭部、空気を通すパイプ、ごわごわした被服と、「海底2万哩」のシーンのようなロマンが漂う。
この銅版の頭部はねじを緩めて脱着可能である。細かい部分にねじを受ける軸がハンダづけされている。水中眼鏡とその格子、各種のパイプが作られハンダづけされる。そして正確に頭部と胴部が合体できる。ごわごわの外被も布を裁断し、ミリ単位で縫合し、捻りを抑えて糊付けしていったという。どの部分をとっても気の遠くなるような手作業で、進められる。
そして、驚いたのは、鯵や飛び魚、平目と魚にあわせるのに、魚類図鑑では役に立たなかったという話であった。図鑑では目の間の開きも頭部での位置もわからなかったし、体の鰓の位置、その厚さ、カーブもまったくわからない、港や魚家さんに行って手に取るしかなかったというのである。言われてみると、まことにその通りで、魚類図鑑を見れば魚はわかる思っていた認識法の虚を疲れた思いだった。
カウンターでこういう話を聞きながら、この鯵の潜空服を飽きずみつづけたわけだが、去る2月7日から12日まで黒木さんの5人の造形作家の第7回「アルテ デ
シンコ」展『県立美術館)に出品された。その会場での印象であるが・・・あそこではもったいない。以下次回に。