ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

会員を募るということ

2004-12-28 23:08:57 | アーツマネジメント
昨日、STスポット横浜の理事会。前回の理事会で新たに事務局長に選任された大澤理事より今年度の決算見込みが報告されて議論する。各事業部門の収支は概ね順調だが、運営の要となる事務局部門の収入が足りない。このままでは数十万円の見込み違い(赤字)が出てしまいかねない。大きな原因のひとつは、正会員、フレンドシップ会員の募集が進んでいないことである。先日、かながわボランティア基金の審査会におけるプレゼンテーションがうまくいって来年度のアート教育事業の継続が決まったように、ひとつひとつの事業のプレゼンが重要なことはもちろんだが、それ以上に、組織自体を外に向かってプレゼンすることが非常に重要だと思う。STという団体がどのような活動をしており、それがどのような社会的意義をもっているのかを明確に示して、いまは組織の外側にいる人たちにどんどん内側に入って協力してもらうようなしくみをつくらないとこの事態の根本解決はない。日本の助成金や補助金は、事業を対象にするプロジェクト助成が多いから、団体の運営費が不足しがちになるのは構造的な問題であるとも言える。STスポット横浜は、STスポットという施設の運営とアート教育事業に対して人件費や事務所費用などの間接費用についても横浜市やかながわボランティア基金からの補助金が充てられるので他の芸術団体(機関)と比べれば恵まれているのだが、会費収入や寄付金収入をもっともっと増やしていかないと安定した組織経営はできない。ことに、個人の寄付を募ることと会員になってもらうためのキャンペーンにはぜひ工夫が必要だろう。文化庁の芸術家等在外研修制度で一年間アメリカでNPOによる劇場運営を学んできた大澤理事は日本でも数少ないこの分野の専門家である。アメリカの資金調達のノウハウが日本でそのまま活かせるとは限らないが、例えば、STスポットに足を運んでくださった観客の人たちや普段劇場からのDMを読んでくれている方たちに今の経営状況を的確に伝え協力をお願いすることをもっとこまめにやってみる必要はあるだろう。開演前や終演後に、客席での寄付依頼トークもあっていいと思う。押しつけにならないように、快く支援をしてやろうという気持ちになってもらうための工夫(ある種のエンタテインメント性?)が必要かも知れない。とにかく、何かしないことには赤字になる。動かなければ。
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