ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

あいちトリエンナーレ2010

2010-10-18 20:01:27 | アーツマネジメント
昨日に続いて、今日は「あいちトリエンナーレ」を回った。「昨日は瀬戸内、今日はあいち」、というわけだ。

昨晩は、宇野港から岡山へJRで移動し、岡山駅近くのホテル泊。一夜明けて、早めの朝食をとって、岡山から新幹線で名古屋途中下車。
今日から当地で開幕するCOP10の旗が揺れる名古屋駅に下りて、ほぼ10時から16時過ぎまで、愛知芸術文化センター(愛知県美術館)、名古屋市立美術館、それから街なかの展示スペースがあちこちに設置されている長者町地区へと足を延ばした。

見て回っての感想は、結構がんばっているし、街なかに浸透しているなあ、ということ。
これも会期終わり近いからだろう。結構入場者が多かった。それに街なかにボランティアの人たちが立っているのが目立つ。作品の面白さはともかく、長者町地区の使われなくなった古いビルや民家(問屋街だから商業目的の建物ばかりかと思いきや、住宅だったのではないかと思われる会場も多かった)を使った展示会場が非常に多く設定されている。

時間がないからと、あやうく美術館での展示だけで済まそうとするところだったが、そうすると、今回のトリエンナーレの全体像をまったく誤解するところだった。

それにしても、長者町繊維問屋街というところが初めて行ったが、面白い街だ。こういう催しがなければ、商売で来る人以外はなかなか来る機会もないだろう。

今日は、会場から会場へ移動するたびに、若い人も、おじさんおばさんからシニア世代も、トリエンナーレの地図を手に持って会場を探して歩いている光景に必ず出会った。

この歴史ある老舗問屋街がどのように現代アートの祭典を受け入れたのか、その際に軋轢はあったのか、など、気になるところだが、今日歩いてみた感じでは、しっくりと街のなかにとけ込んでいたように思う。
それにしても、普段使われていない建物が、アートが入ることによって魔法の館のように生き生きと変身してしまうことには感心してしまう。

あいちトリエンナーレも、予想を上回る来場者で、会期終了を前にして第1回は成功という評価が出ているそうだ。
ここまでのところ、横浜トリエンナーレは、あいちにお株を奪われた、という感じになっているのではないのかなあ。

最後に、たまたま、長者町から地下鉄東山線の伏見駅まで続く伏見地下商店街というところを通ったのだが、これがなかなか衝撃的だった。全体の雰囲気が、何とも、「昭和」なのである。レトロと言えば聞こえはよいが、とにかく、天井が低くて狭い。ここがこの状態のままで現役で残っていること自体が不思議に思える。

考えてみれば、私は数十年前の東宝時代から、何度も名古屋に来てはいたのだが、いつも目的の場所を目がけて直行し、用事が終わればトンボ返りで済ませてしまっていた。昨日の今日だから、そして、街なかでトリエンナーレが行われているから、今回はそうしないで、街の様子をゆっくりと見ることができた。

ふだん自分が気づかない無意識のところで、このように自分の行動パターンを規定しているものを如実に見せられてしまい、これまでの自分は、なんて余裕がなくてカッコ悪かったのだろう、と思わず苦笑し、反省せざるを得なかった。



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