ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

取り憑かれし者たち

2008-04-30 17:58:51 | 映画
『プレステージ』を観た。

アメコミ映画ファンにとって、本作は「バットマン(クリスチャン・ベール)対ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)」と言う図式にニヤニヤしてくる。

本作のテーマは「マジック」。
その「マジック」に取り憑かれた2人の男達による、壮絶なマジック合戦と、それによる「悲劇」を描いている。

コレは文句なしの傑作!

一応「サスペンス」と言うジャンルかと思うが、ソレは本作をラストまで観ると違う印象を抱く事になるのも間違いない…コレ以上は“ネタバレ”になるから言えない(笑)。

本作の主人公となるのは、まず天才肌のマジシャンであるボーデン(ベール)。



そして、もう一方は努力家にして華を持つマジシャンであるアンジャー(ジャックマン)。



2人は駆け出しの頃からのライバルであったが、当時ある哀しい「事故」により、互いに憎み合い、やがては殺し合うまでの関係にまで発展していく…。

本作に関して言いたい事は山ほどあるが、何かを言えばネタバレにつながるので言えない(笑)。

ただ観る者全てが驚愕するだろう、あの「結末」に関して本作を“傑作”と言うか、ただ単に“騙された!”と思うかは見解が分かれるだろう。

本作を語る上で、重要なヒントになるのがニコラス・テスラの存在がある。

このテスラ役をデヴィッド・ボウイ、更に彼の助手をゴラムことアンディ・サーキスが演じているのが意外な発見だった。

とにかくテスラと言う、エジソンの影に隠れた、天才発明家がいた歴史上の事実が重要になる。

物語を中盤まで見れば、勘の良い方なら物語のそれこそ「タネ」が判るだろう。
130分、伏線だらけなので一瞬たりと見逃せないし、台詞の一つも聞き逃せない。

時間軸がありとあらゆる方向に飛びかい、それが一つの「結末」に着地する見事な展開、正に練りに練られた脚本の勝利かと思う。

「あの結末」を正々堂々とやってのける手腕と度胸、監督・脚本家としてクリストファー・ノーランの現時点での最高傑作だとも言える。

結局互いに「マジック」に取り憑かれ、幸せや大切な人すら失ってしまう…その果てにあるのは「行き過ぎた者」を待つ悲惨な末路だ。

華やかなで夢の様なステージも、その裏側に回れば愛憎と欲望が渦巻く暗い世界がある事を気付かせてくれる。

実に面白い映画だった、ノーランの次回作『バットマン/ダークナイト』への期待が高まる。

個人的にはクリスチャン・ベールの大ファンだが、スカーレット・ヨハンセンの可愛らしさも光っていた(彼女は主演よりも本作のようなポジションが一番映える)。

本当に「騙された」と思って本作を観て、見事な結末に騙されて欲しい。



そう、アイツはそう言う奴だ!
何もかも、全てを「演技」してるんだよ!!