
『スケバン刑事ーコードネーム=麻宮サキ』を観た。
昨年の劇場公開時、かの『デビルマン』の悪夢再びと言わんばかりに、作品の評価・興行的に大コケした作品だ。
まぁ~この類の映画の楽しみ方として、ある程度最初から「笑う」気持ちの余裕を持って作品を観れば、予想以上に楽しめるケースが多々ある。
本作は正にその典型だ。
個人的には世間で言う程に「酷い」とは思わなかったし、ミスキャストと言われた出演者達もかなり頑張っていると思う。
本作を手掛けたのは、見せ物・ゲテモノ・バカ系映画の総本山・天下の東映。
今の時代に逆流するバカさとアグレッシヴさは、さすがの東映だと思うし、映画的に実に「正しい」とも思う。
本作と『デビルマン』なんぞ比較するのも烏滸がましい位で、アレは産業廃棄物以下の代物(リサイクル不可)であり、本作はしっかりと観れる“映画”になっていた。
でも、問題が無い訳ではない。
まず脚本。
主人公の麻宮サキが潜入捜査する事件が、「今時」の若者達の心の闇や病的心理をテーマにしたのは良いが、今一つ踏み込みが足りないと言うか、欲張り過ぎて焦点がボケている。
ネット、集団いじめ、子供に無関心な大人達、そして子供以上大人未満なキチガイ…あまりにネタを盛り込み過ぎ、ストーリーが終盤までテンションを維持出来ないのが致命的だ。
言いたい事は判るが、もう少しネタを整理されていれば作品は更に面白くなった筈だ。
あと、監督の深作健太の「借りモノ」の演出センスも疑問。
もうハリウッドのありとあらゆる作品から「借りた」シーンが連発し、最初は元ネタ捜しと笑えるが、終盤まで来ると「コイツは本気で映画を撮ってるのか?」と怒りすら感じた。
決して監督として深作の才能に疑問がある訳ではない、逆に今の邦画界でストレートなアクション映画を撮る才能は高く評価出来る。
だから、逆に受けた影響がそのまんまって演出にはガッカリするし、それを自分の中でもっと消化・吸収した演出をして欲しいと思わずにはいられない。
その「スケバン」ぶりが似合わないと不評だった松浦亜弥。
頑張って眉間にシワを寄せ、怖い表情を作ろうとしているが、節々でいつもの笑顔が出てしまうのが可愛い(笑)。
アクションもかなり頑張っていたのが判るし、彼女の熱演はもっと評価されても良いのでは?
あと、本作でサキの敵となる「もう一人のスケバン刑事」を演じた石川梨華。
ある意味彼女の方が松浦よりも難しい役であり、その可憐さを逆手に取った高飛車でヒステリックなライバルを怪演して強烈なインパクトを与えてくれる(ヨーヨーの使い方も彼女の方が巧かったし:笑)。
そんな彼女たちを遥かに凌ぐ存在が、本作で被虐的ヒロインを演じた岡田唯。
単に大根なのか?確信犯的な演技なのか? とにかく観ていて「イラっ」と来る被虐ヒロインぶりは圧巻!!
あとオリジナル・シリーズに対し、しっかり長門裕之扮する“暗闇指令”が出てきたり、初代スケバン刑事(斉藤由貴!)が実はママだったり、その初代と何やら意味有りげな竹内力も良い味を出していた。
世間が言うような駄作ではなく、ビール片手にツッコミを入れながら楽しめる映画です。
昨今の邦画ブームの中にあって、今後も東映はこの様な見せ物・ゲテモノ・バカ系映画を送り出し続けて欲しい。
「さあ、僕をもっと楽しませてくれよ…。」
昨年の劇場公開時、かの『デビルマン』の悪夢再びと言わんばかりに、作品の評価・興行的に大コケした作品だ。
まぁ~この類の映画の楽しみ方として、ある程度最初から「笑う」気持ちの余裕を持って作品を観れば、予想以上に楽しめるケースが多々ある。
本作は正にその典型だ。
個人的には世間で言う程に「酷い」とは思わなかったし、ミスキャストと言われた出演者達もかなり頑張っていると思う。
本作を手掛けたのは、見せ物・ゲテモノ・バカ系映画の総本山・天下の東映。
今の時代に逆流するバカさとアグレッシヴさは、さすがの東映だと思うし、映画的に実に「正しい」とも思う。
本作と『デビルマン』なんぞ比較するのも烏滸がましい位で、アレは産業廃棄物以下の代物(リサイクル不可)であり、本作はしっかりと観れる“映画”になっていた。
でも、問題が無い訳ではない。
まず脚本。
主人公の麻宮サキが潜入捜査する事件が、「今時」の若者達の心の闇や病的心理をテーマにしたのは良いが、今一つ踏み込みが足りないと言うか、欲張り過ぎて焦点がボケている。
ネット、集団いじめ、子供に無関心な大人達、そして子供以上大人未満なキチガイ…あまりにネタを盛り込み過ぎ、ストーリーが終盤までテンションを維持出来ないのが致命的だ。
言いたい事は判るが、もう少しネタを整理されていれば作品は更に面白くなった筈だ。
あと、監督の深作健太の「借りモノ」の演出センスも疑問。
もうハリウッドのありとあらゆる作品から「借りた」シーンが連発し、最初は元ネタ捜しと笑えるが、終盤まで来ると「コイツは本気で映画を撮ってるのか?」と怒りすら感じた。
決して監督として深作の才能に疑問がある訳ではない、逆に今の邦画界でストレートなアクション映画を撮る才能は高く評価出来る。
だから、逆に受けた影響がそのまんまって演出にはガッカリするし、それを自分の中でもっと消化・吸収した演出をして欲しいと思わずにはいられない。
その「スケバン」ぶりが似合わないと不評だった松浦亜弥。
頑張って眉間にシワを寄せ、怖い表情を作ろうとしているが、節々でいつもの笑顔が出てしまうのが可愛い(笑)。
アクションもかなり頑張っていたのが判るし、彼女の熱演はもっと評価されても良いのでは?
あと、本作でサキの敵となる「もう一人のスケバン刑事」を演じた石川梨華。
ある意味彼女の方が松浦よりも難しい役であり、その可憐さを逆手に取った高飛車でヒステリックなライバルを怪演して強烈なインパクトを与えてくれる(ヨーヨーの使い方も彼女の方が巧かったし:笑)。
そんな彼女たちを遥かに凌ぐ存在が、本作で被虐的ヒロインを演じた岡田唯。
単に大根なのか?確信犯的な演技なのか? とにかく観ていて「イラっ」と来る被虐ヒロインぶりは圧巻!!
あとオリジナル・シリーズに対し、しっかり長門裕之扮する“暗闇指令”が出てきたり、初代スケバン刑事(斉藤由貴!)が実はママだったり、その初代と何やら意味有りげな竹内力も良い味を出していた。
世間が言うような駄作ではなく、ビール片手にツッコミを入れながら楽しめる映画です。
昨今の邦画ブームの中にあって、今後も東映はこの様な見せ物・ゲテモノ・バカ系映画を送り出し続けて欲しい。
「さあ、僕をもっと楽しませてくれよ…。」
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