ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

『仮面ライダー3号』

2015-03-22 17:35:34 | 映画
『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』を観た。

いつも春公開の東映の作品に対して、個人的に非常にネガティヴな印象を持っている。
過去、何度もその年のWORST-1作品にそう言った作品を挙げてきた。
しかし…文句をタラタラ言いながらも結局劇場に行ってしまう(自嘲)
嫌ならば行かなければ良いし、観に行かないと文句を言っても意味は無いと思っている。
この考え方が、結局東映の商法にハマってしまっているのかもしれないが…。



ただ、今回は違った。
正直に言うと映画としては完成度は決して高くなく、ツッコミ度120%。
脚本も詰めが甘くて、もう物語として破綻寸前の出来栄えだ。
でも、この『仮面ライダー3号』はそれでも面白かったと言えてしまう。
ハッキリ言えば終盤、戦隊が何の脈絡もなく乱入。
巨大化した首領と巨大ロボ対決にもつれ込む展開にはウンザリした。
仮面ライダーJがいるのだから、無理に戦隊モノを捻じ込む必要はない。
そう言った意味では、かの『オール・ライダー対大ショッカー』はよく出来ていた。
ただ何故、それでも『仮面ライダー3号』が面白いと言えるのか?
答えは簡単、本作は仮面ライダー3号という新たなヒーローを誕生させたから。



仮面ライダー3号。
本来は存在しない筈の仮面ライダー。
コレが、もう死ぬ程カッコ良いのだ(笑)
ショッカー首領を倒した1号・2号の前に、突如として現れる。
1号・2号を凌駕する圧倒的な強さとスピードで、アッと言う間に倒してしまうという衝撃のオープニング。
この時点で心は奪われた。
物語が展開していく中で、次第に仮面ライダー3号という存在が明らかになってくる。
仮面ライダー3号の事が明らかになるにつれて、このキャラの魅力が増してくる。
そのルックス、改造人間としての悲哀と孤独。
何よりも偉大なる石ノ森章太郎先生の漫画に対する、マニアックなまでのオマージュ。
おっさんライダー・ファンの魂は震えてくる。



ドライブや他のライダーはもう関係ない。
誰が何と言おうと、本作の主人公は他でもない仮面ライダー3/黒井響一郎だと断言して良い。
今の平成・仮面ライダーを悪く言うつもりは全くない。
ただ自分のようなオールド・ファンは、もはや「改造人間」ではない仮面ライダーに違和感を持っていた。
そこに「仮面ライダー3号」が登場する。
その立ち姿や戦う時のアクションを観ていると、もう胸が高鳴ってしまう。
観たかった「仮面ライダー」こそ、他でもない「仮面ライダー3号」であると言う事実に。
そう思っているのは僕の様なオールド・ファンだけでなく、作り手側にも同じ思いがあるのも明確だった。
「俺たちも、本当はこんな“仮面ライダー”を作りたい!」と言う想いが作品から滲み出ていた。



仮面ライダー3号を、より魅力的にしているのは黒井響一郎を演じた及川光博氏の大熱演もある。
言ってみるならば同世代、及川氏の中にある想いも同じだったのは判る。
オファーがあった時、すぐに快諾したのも納得。
見事にハマっている。
スマートながら、何処か暗い影を引きずる黒井。
圧倒的な強さを誇り、自身の暴力衝動を抑えきれない狂気も孕んだ仮面ライダー3号。
(ボコボコに殴られて半殺しにされた仮面ライダーXが気の毒でした:苦笑)
ハッキリ言うと、この仮面ライダー3号を観る為だけに本作を観ても充分だと言える。
作品としては不完全だが、仮面ライダー3号と言うあまりに魅力的な新ヒーローが作品を魅力的にしている。
おまけに仮面ライダー4号と言う、またまた魅力的なキャラの登場で本作は終わる。



もう他の平成ライダーと絡まず、仮面ライダー3号だけで1本映画を作っても良い。
映画として破綻しているのかもしれないが、仮面ライダーのファンとして本作は滅茶苦茶面白かった。
こんなにも魅力的なキャラなのだ、東映は今後もこの仮面ライダー3号という存在を大切にして欲しい。
こんな視点だから東映の良い様にされるのかもしれないが、そんな事はどうでも良いと思える程の魅力を持った作品になっている。
仮面ライダーが好きな方は、是非一度劇場で「仮面ライダー3号」という新たなダーク・ヒーローの誕生を目撃して欲しい。
本作は、この仮面ライダー3号を観る為だけの映画だと言い切って良い筈だから…。

「勝てば正義、負ければ悪…それだけだ。」


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