ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

進撃の巨人:ATTACK ON TITAN

2015-08-02 13:46:17 | 映画
約3ヶ月も放置していたブログ…(苦笑)
ごめんなさい。
久々に更新します!
それは何故か?
そう、遂に『進撃の巨人:ATTACK ON TITAN』を観たから!
自分の中に湧き上がる思いを、このブログにしっかり書き込みます!!



まず僕のこの『進撃の巨人』とのスタンスを説明しておいた方が話が早いでしょう。
ただ、この辺りの事を説明しないとアカンのも本作を語る上で面倒臭く。
また良くも悪くも、この『進撃の巨人』の特殊性を物語ってると思います(苦笑)
原作コミックはかなり早い段階から読んでいて、物凄く衝撃を受けて一発で虜になりました。
アニメ版に関しても、コミックでは良い意味で足りない情報や描写が補完され非常に良く出来たシリーズで大好きです。
そして、今回の実写版ですが…。
当初から、このブログでも注目して追っていました。
中島監督降板→樋口監督起用、実写版再起動に歓喜しました。
多分、僕の中で「進撃の巨人」という作品への解釈が大きく影響しているかと思います。



原作者の諌山創氏も当初から語っていました。
「本作は『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』から絶大な影響を受けている。」と。
無国籍で、本作のファンの多くは本作をある種の「ファンタジーもの」と解釈している方も多いと思います。
しかし僕自身は原作者の諌山氏の発言もあって、本作を「怪獣もの」と解釈していました。
だから巨大な巨人がボリボリと人を貪り喰らい。
成す術を持たない人類は、絶望的な状況の中で必死に対抗策を見つけ戦い続ける。
何故巨人が存在するのか? そもそも壁に囚われた人類とは何か?という謎も物語では重要です。
とは言え、基本本作は「巨人」という人食い怪獣と人類の肉弾戦を描いた作品であると思っています。
その解釈の違いが、この実写版にも大きく影響しているのは間違いないでしょう。



今回の実写版。
作品の内容に関して、公開前から凄まじい賛否両論がありました。
それは予告篇が公開され、謎に包まれていた本作の内容が明らかになるにつれ激しさを増し。
遂に劇場公開となった今、更に激しく意見が対立する結果となってしまいました。
ただ個人的には、原作ファンの僕には「本作は怪獣映画」という基盤がありました。
良くも悪くも、その基盤は作品への興味を更に盛り立てる結果となりました。
例えば、僕の大好きなSF小説として『宇宙の戦士』という名作があります。
それがSFアクション超大作『スターシップ・トゥルーパーズ』となった時、そこには大胆な「映画的アレンジ」が加わっていました。
また昨年、桜坂洋氏の傑作SF小説『ALL YOU NEED IS KILL』がトム・クルーズによってハリウッドで実写映画化されました。
やはりソコにも、大胆な「映画的アレンジ」が加わっていました。
熱心の原作ファンなら激怒しそうなアレンジが加わっていましたが、どちらの作品も圧倒的な面白さに溢れた傑作でした。
『スターシップ~』は、原作から“バグ”という昆虫型宇宙怪獣と人類との激闘に焦点を絞りました。
『ALL YOU NEED~』は、主人公が死んでループする要素を引き出し終わりのないエイリアンとの戦いに焦点を絞りました。
どちらの作品も他に面白い要素や外せないキャラもありましたが、映画化の為に大胆なアレンジを加えて改変し削除しました。
この実写版『進撃の巨人』でも、先に挙げた作品の様に大胆な「映画的アレンジ」が加わっています。
そこが、この実写版『進撃の巨人』を楽しめるか否かに掛かってくると推測しています。








○警告:これ以降ネタバレ爆裂!!











では実写版『進撃の巨人』で加わった映画的アレンジとは?
舞台としては無国籍(欧州?)っぽいですが、「壁」の建造から例の不発弾や各キャラクターの台詞により本作が「今」の社会と地続きである事が判ります。
ファンタジー的要素ではなく、人類の社会と文明は明らかに「退化」した世界である事が明らかになります。
更に作品のメインに、「巨人」という怪獣をメインに置きました。
この「巨人」という怪獣は、情け容赦なく人類を貪り喰らう「恐怖」の対象として描いています。
原作コミック以上に、この「巨人」に無惨に喰われる人類の描写は強烈です。
人類は必死に「巨人」という恐怖に抗おうとしても、まるで寿司でもつまむ様に喰われる描写の連続がもたらす絶望感は半端ではありません。
「巨人」という怪獣を前に、主人公のエレンは原作の様に勇敢に立ち向かう訳でもありません。
目の前で繰り広げられる地獄絵図に、恐怖で足がすくみ何も出来ず自身の一番大切なモノも奪われてしまいます。
己の復讐心だけで立ち上がる主人公ですが、その後に更に過酷な現実を突きつけられ絶望する事になります。
淡い恋心や青春も、「巨人」という圧倒的な恐怖の前に叩き潰されてしまいます。
そう、本作はファンタジーではなく「怪獣映画」なのです。
それも諌山氏が影響を受けた「サンダ対ガイラ」をも凌駕する、残酷で恐怖に満ちた「怪獣映画」なのです。
原作の要素を換骨奪胎し、再構築させたのが実写版と言えます。



己の復讐心から立ち上がったエレン。
彼の前には次々と巨人の恐怖が襲いかかります。
ソレを命からがら生き延びた後、もっと衝撃的な「再会」が彼を待っています。
何もない自分にとって大切な存在だったミカサ。
巨人の襲来によってミカサは喰われてしまったと思っていたエレン。
しかし彼女は生きていた。
再会したミカサはエレンの知るミカサではなく、自分を怒りの目で見つめる冷酷な殺戮兵器へと変貌していた。
この辺りの改変が原作ファンにとって、一番受け入れ難い要素かと思います。
自身のアイデンティティーの喪失、追い打ちを掛ける様に巨人との戦いは激しさを増していく。
自身の虚無感を抱えながら、目の前では何もする事が出来ず仲間が次々と巨人に喰われていく。
何も出来ない無力な自分、正に自身の前で地獄絵図が繰り広げられて自身はその中で地獄巡りを強いられる。
原作のエレンにあった狂気も勇敢さもない、これまた大きな改変要素です。



ミカサと共に、ある男が現れます。
その男こそ、映画版オリジナル・キャラであり「人類最強」と呼ばれるシキシマ隊長。
リヴァイ兵長ではありません(苦笑)
立体機動装置を自在に操り、あっと言う間に巨人達を血祭りにあげるシキシマ。
その傍らには、彼に忠実なミカサが付いている。
シキシマはミカサを鍛えたのは自分だと言い、エレンの心を揺さぶります。
最初からエレンに関心はあった様で、意味有り気な言葉でエレンの心を翻弄します。
まるでシキシマとエレンのやりとりは、「ガンダム」のシャアとアムロのやりとりの様に見えました(笑)
勿体ぶって、気取った口調は池田秀一氏を彷彿とさせます。
最初に圧倒的な強さを見せた後、彼は急に傍観者となります。
その言動に何らかの意図が隠されているのが判ります。




ミカサ。
先のシキシマと、ただならぬ関係にあるのは「林檎」を巡る描写で匂わされます。
「世界は残酷」と吐き捨てた彼女。
自身も巨人に食われた、生々しい傷跡をエレンに見せます。
しかし、あれほどの致命傷を負いながら何故今あんなに超人的な強さを発揮出来るのでしょうか?
あの世界には、あれほどの大きな傷を完治させる医療があるとは思えません。
そもそもミカサを助けたのは誰でしょう?
シキシマ?
ますますシキシマという存在が怪しくなって来ますが、後篇の予告篇を観ると妙に納得出来てしまいます(笑)
あとエレンへの想いですが、クライマックスにおいて実に興味深い描写が連続します。
原作でお馴染みの「マフラー」、実写版でもしっかり登場します。
冷酷な殺戮兵器に変貌したようで、ミカサの中にはエレンへの想いがあるのが判ります。
原作では、強さ故に見えないものの実はあまり成長のないキャラ(行動原理はエレンへの執着のみ)でもあるミカサ。
実写版のミカサは、原作以上に複雑な内面を持つキャラに変貌した様です。



さて噂の巨人。
CGIやスーツではなく、特殊メイクを使うのは例のCMで判っていました。
コレは正解だったと思います。
下手すれば滑稽見えてしまう巨人を、禍々しい存在にしているのは「人間」が演っているからでしょう。
ある程度予想はしていましたが、豪快な喰いっぷりによる残酷描写は半端ではない。
観る人にとってはトラウマになるかも?(作り手側の狙い通り:笑)
ただ喰うのでなく、叩き潰し噛み砕いて吐き捨てる。
壮絶な残酷描写の連発は、正直驚きました。
この人(主要キャラも)がゴミみたいに死んでいく描写に、本作のある意味覚悟を感じました。
かねてから邦画のこの手の作品は、良い線まで行きながら「最後の一線」を超える事が出来ないのが実に歯痒かった。
しかし本作は、その「最後の一線」をあっさりと越えてしまっている。
残酷描写やエロ描写は、ある意味人間の「生」の本質とも言える。
そこを逃げずに正面から描いた事に、本作の持つ強烈なインパクトが生きている。
余談だが巨人の中に、女性型でショート・カットで長身の美人型の巨人がいた。
最後まで死んだ様子はないので、後篇にも登場してくるのか興味深い(笑)



そして調査兵団。
実に個性的な面々が揃っていた(笑)
ハンジ役の石原さとみ嬢のハマり方は見事だった。
エレンを誘惑する、エロい未亡人ヒアナ(演:水崎綾女嬢)もあの最期を含めて実に印象的。
ただ武田梨奈ちゃん扮するリル、彼女の身体能力を考えると非常に勿体無いと思ってしまった。
この調査兵団の描写を見ていると、やはり『スターシップ・トゥルーパーズ』を彷彿とさせた。
立体機動装置を使った、巨人との肉弾戦。
意味有り気なキャラや主要キャラが、あっさり食い殺されて退場。
身勝手な行動で、作戦が全て台無しになってしまう。
絶対に『スターシップ~』の影響は絶大だと思えてしまう。



僕が本作を「怪獣映画」と言い続けた理由が、本作のクライマックスにあります。
作戦は失敗、お偉いさんは調査兵団を囮にさっさと逃亡。
その調査兵団の兵士達も、次から次に巨人に喰われ惨殺されてしまう。
主人公エレンも、幼馴染のアルミンを庇って遂に食われてしまう。
その時、原作通り物語は文字取り急展開する。
ここに監督・樋口真嗣の才能が遺憾無く発揮されていた様に感じる。
かの「平成ガメラ3部作」や『ローレライ』では天才と思っていた。
しかし、あの『日本沈没』の失敗以降は正直監督としての樋口氏の才能は枯渇したと思っていた。
だが、そんな僕が再び「やはりこの人は凄い!」と思ったのが『巨神兵東京に現る』だった。
やはり樋口真嗣という映画監督は、怪獣やメカが出てこそナンボって事だろう。
ここまで巨人達によって蹂躙され尽くし、絶望しかけた瞬間に「彼」が覚醒する。
そう、巨人化したエレンだ。
もうクライマックスの壮絶な戦いには、正直言葉が無かった。
あまりの格好良さに鳥肌が立った。



この巨人化エレンのあまりのカッコ良さに圧倒された。
言うてしまえば、ソレはウルトラマンでありエヴァンゲリオンでもある(笑)
これまで一方的に巨人に蹂躙され続けた人類が、その怒りをぶつける様にエレンは巨人以上の残忍さで巨人を叩き潰していく。
一撃で巨人を粉砕、逃げ惑う巨人の顔面を踏み潰して粉砕し、襲いかかる巨人を食い千切って殲滅させていく。
やっている事はエグいが、観る側は「さぁ巨人共を皆殺しにしろ!」と誰も興奮するだろう。
このクライマックスの戦いにこそ、本作の醍醐味が詰め込まれていたと言っても過言ではない。
戦い終えた後、巨人の正体がエレンである事が判明し本作は終了する。
その瞬間、初めて「進撃の巨人」とド~ンとタイトルが出るが興奮で感動してしまった。

エンド・ロールの途中、後半「エンド・オブ・ワールド」の予告篇が入る。
またまたコレを観ると戦慄してしまう。
・猿ぐつわをはめられ裁判にかけられるエレン。
・エレンの両親(?)の登場。
・ハイテクな部屋でワインを持つシキシマ。
・弾頭を抱える巨人化エレン。
・注射器。
・「君の事を待っていた」
・巨人化現象を研究しているエレンの父(?)
・「彼は同志だ。」
・鎧の巨人(?)。
・マシンガンを乱射する何者か。
・RPGを抱え吠えるハンジ。
・「守るものを捨てないと強くなれない」と呟くミカサ。
・「もう誰も置き去りにはしない!」と叫ぶエレン。
・激闘となる巨人化エレン対鎧の巨人。
・超大型巨人出現、立ち向かう調査兵団。
・「壁の外は地獄だ!!」
・「この時を待っていた」と超大型巨人に向かうエレン。
本作だけでも充分に素晴らしい作品だった。
しかし、アイディアを盛り込む事によって物語が膨大となり2部作となった経緯がある。
本作の評価は、次の後篇『エンド・オブ・ワールド』を観てからにしたい。
ただ現時点でかなり興奮し、もう「傑作!」と言いたい(自嘲)
敢えて抑えて今はこう言う、俺はこんな怪獣映画が観たかった!!と…。
作品に関して、怒涛の賛否両論の嵐となっている。
多くのファン、そうでない方々にも本作を劇場で体感して欲しいと願っております。


「駆逐してやる…。」


PS:この歌がキーワードです。



みんな何故気付かないの?
もう、この世界はとっくに終わってしまっているの
貴方が私にさよならと言った瞬間から…



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