
俺たちの魔力により虜となった
お前に俺たちからこの言葉を送ろう
「ようこそ地獄へ!」
イギリス出身の「超遅咲きの驚愕の大型新人」HELL、その記念すべきデビュー・アルバムである『Human Remains』を聴いた。
今更メタル・ファンにとっては古めかしくも甘美な「N.W.O.B.H.M」と言う呪文や、彼らがいかに当時から伝説的な存在であったか。
そして映画が一本作れそうな劇的なその復活のドラマは抜きにして、このバンドが自分にしてみれば“新人”である事には変わりない。

だからこそ、敢えて最初に言いたい。
コレは文句無しで傑作!
否、もはやヘヴィ・メタルの長い歴史においても、未来に永劫語り継がれるであろう名作の領域にすら達している。
もう本当に素晴らしい!!
音楽的にはヘヴィ・メタル以外の何物ではない。
初期のIRON MAIDENにも通じる、コテコテな正統派ヘヴィ・メタル。
最近意図的に「あの頃」の空気やサウンドを再現させようとする若手のメタル・バンドも多いが、全く違うし年季と気合いの入り方が根本的に違うのだ。

個人的に本作を聴いて凄まじいインパクトを受けたのは、今この時代にここまで高い完成度を誇ってサタニック・メタルを堂々と聴かせてくれた事だ。
先にも言ったが「N.W.O.B.H.M」、その一大ムーヴメントの底辺に存在した暗黒面の事は正直判らない(笑)。
ただ今もハッキリと言えるのは自分がメタルを聴き始めた80年代中期、どのメタル・バンドも多かれ少なかれ「悪魔的」と言える邪悪で背徳的な要素を持っていた。
また自分も、その「悪魔的」な要素とサウンドに激しく魅了されていた事だ。
BLACK SABBATHから始まりMERCYFUL FATEやKING DIAMOND、日本のSABBRABELLSやCROWLEY(アナログEPを聴きまくってました)、そして「悪魔的」という言葉の極端な具象化とも言える異端児VENOMと言ったバンドにいたるまで。
今やサタニックと言うと北欧のブラック・メタルに直結してしまうが、自分にとっての「悪魔的」な要素とはメタルには欠かせない非常に重要なモノでありました。
しかし多くのメタル・バンドが成功と引き換えに「悪魔的要素」を脱却(VENOMは例外:苦笑)していき、それ自体が滑稽で恥ずかしいモノに揶揄されるのは残念でもあった。

しかし、彼らHELLの場合は全く違う。
これはデビュー作ながらも復活作でもあり、彼らが蘇生して新たな未来に向けて打ち出したサウンド。
様々な悲劇が重なり25年前に止まったままだった時間が、今未来に向けて新たな時間を刻み始めたアルバムでもあります。
ここにあるのは極めてダークでオカルティック、邪悪ながらも荘厳なサタニックな要素を全面(「悪魔」・「死」・「地獄」・「異教徒」等と言う言葉がズラリ並ぶ曲名や歌詞を見よ!)に打ち出している。
オリジナルのストレートなメタル(でも楽曲構成が実は複雑怪奇)に、スニープが持ち込んだであろう豪華絢爛なストリングスやオペラティックなコーラスによってモダンに装飾されている。
そして雄々しくて美しくドラマチックなヘヴィ・メタルと、最高のレベルで奇跡的に融合して「Human Remains」という傑作は誕生した。
ここまで言って何だが、コレを聴いて何も感じない訳はないだろう?!
アルバムを聴きながら何度も声を上げたり首を振ったり、後半では「もし、お前が自分がやっている事を信じる事が出来るなら。お前のずっと抱いている夢は絶対にいつの日には叶うんだ」とコーラスが印象的な“The Quest”の時には号泣、クライマックスでの暗黒面様式美が炸裂するナンバーの連続により完全に逝ってしまってました(自嘲)。
アルバムにおける楽曲構成も完璧!
個人的に本作の最大のセールス・ポイントは、デヴィッド・ボウアーの「歌」。

オリジナル・シンガーのデイヴ・ハリディは既に他界しており、プロデューサーのアンディ・スニープの人脈からマーティン・ウォリカイアー(SABBAT)がバンドに在籍していた。
ひょんな事より舞台俳優であり声優でもあったデヴィッド・ボウアー(オリジナル・メンバーでありメイン・ソングライターであるケヴの実弟)に声をかけると、その完璧な歌に圧倒されたアンディは撮り終えていたマーティンによる歌を全て没にして、デヴィッドによる歌に全て入れ替えたと言う逸話も凄い。
さすがは演劇の舞台で唄い演じてきた存在であり、少々芝居がかってクセの強い彼の歌は素晴らしい。
全盛期のキング様や鋼鉄神ロブ・ハルフォード卿、更に若くてキレまくっていた頃のゲディ・リー(RUSH)を彷彿とさせる鋭利でガチガチの鋼鉄声。
変幻自在の彼の凄まじい歌を聴くだけでも、このアルバムを買って聴くだけ価値は充分あると思います。
私、好きなメタル・シンガーのランキングが大変動してしまいました(笑)。
本作の鍵を握るのは、今やメタル界で最高のプロデューサー/エンジニア/アレンジャーと言っても過言ではないアンディ・スニープ。

今アンディはプロダクションの仕事よりも、HELLの活動が最優先であると言い切っている。
アンディとHELLというバンドのあまりに密接かつ濃密な関係は、アルバムの解説書や今月号のBurrn!を読んでください(微笑)。
彼の恩師であるデイヴ・ハリディの存在、10代の頃より大好きで絶大な影響を受けたHELLというバンド。
本来は25年も前の昔にリリースされるべきアルバムであったかもしれないが、今この時代だからこそアンディという天才を迎えたからこそ楽曲は、時代に相応しい環境と技術を得て見事に蘇生しているから特別な輝きを放って聴けるのだ。
時間こそ掛かってしまったが、この奇跡的な復活こそがバンドには相応しかったのだと思える。

プロデューサー&アレンジャーとしてではなく、ギタリストとしても非常に良い仕事をしている。
ケヴとのメロディアスてスリリングなツイン・リード・ギターは楽曲に重要であり、聴く側の心を鷲掴みにしてくれる。
天才アンディ・スニープだからこそ、バンドや楽曲が昔から持っている良さを最大限に引き出し、こんなにも凄まじいアルバムを作る事が出来たのだと思う。
ここにあるのは古くて、他とは異なる全く新しいサウンドと楽曲であります。
悪魔が手招きする魅力的なサタニックなメタルの世界、1人でも多くのメタル・ファンにその魔力によって虜になって欲しいと心から願ってます。
間違いなく凄まじい傑作。
おっさん達のヴィジュアルに引いたり、サタニック・メタルだからと言って敬遠するのは絶対に損であると断言します。
邪悪で禍々しく、雄々しくも美しいドラマチックなヘヴィ・メタルを聴いて魅了されて欲しいです。
偉大なる父よ
何処におられますか?
今、貴方の預言が現実となります。
子供たちが怯えて泣き叫んでいます
私たちは苦難の時にあり
永遠に死にゆく運命にあるのですね
たった今、この瞬間から
この世界の全てが地獄と化す
お前に俺たちからこの言葉を送ろう
「ようこそ地獄へ!」
イギリス出身の「超遅咲きの驚愕の大型新人」HELL、その記念すべきデビュー・アルバムである『Human Remains』を聴いた。
今更メタル・ファンにとっては古めかしくも甘美な「N.W.O.B.H.M」と言う呪文や、彼らがいかに当時から伝説的な存在であったか。
そして映画が一本作れそうな劇的なその復活のドラマは抜きにして、このバンドが自分にしてみれば“新人”である事には変わりない。

だからこそ、敢えて最初に言いたい。
コレは文句無しで傑作!
否、もはやヘヴィ・メタルの長い歴史においても、未来に永劫語り継がれるであろう名作の領域にすら達している。
もう本当に素晴らしい!!
音楽的にはヘヴィ・メタル以外の何物ではない。
初期のIRON MAIDENにも通じる、コテコテな正統派ヘヴィ・メタル。
最近意図的に「あの頃」の空気やサウンドを再現させようとする若手のメタル・バンドも多いが、全く違うし年季と気合いの入り方が根本的に違うのだ。

個人的に本作を聴いて凄まじいインパクトを受けたのは、今この時代にここまで高い完成度を誇ってサタニック・メタルを堂々と聴かせてくれた事だ。
先にも言ったが「N.W.O.B.H.M」、その一大ムーヴメントの底辺に存在した暗黒面の事は正直判らない(笑)。
ただ今もハッキリと言えるのは自分がメタルを聴き始めた80年代中期、どのメタル・バンドも多かれ少なかれ「悪魔的」と言える邪悪で背徳的な要素を持っていた。
また自分も、その「悪魔的」な要素とサウンドに激しく魅了されていた事だ。
BLACK SABBATHから始まりMERCYFUL FATEやKING DIAMOND、日本のSABBRABELLSやCROWLEY(アナログEPを聴きまくってました)、そして「悪魔的」という言葉の極端な具象化とも言える異端児VENOMと言ったバンドにいたるまで。
今やサタニックと言うと北欧のブラック・メタルに直結してしまうが、自分にとっての「悪魔的」な要素とはメタルには欠かせない非常に重要なモノでありました。
しかし多くのメタル・バンドが成功と引き換えに「悪魔的要素」を脱却(VENOMは例外:苦笑)していき、それ自体が滑稽で恥ずかしいモノに揶揄されるのは残念でもあった。

しかし、彼らHELLの場合は全く違う。
これはデビュー作ながらも復活作でもあり、彼らが蘇生して新たな未来に向けて打ち出したサウンド。
様々な悲劇が重なり25年前に止まったままだった時間が、今未来に向けて新たな時間を刻み始めたアルバムでもあります。
ここにあるのは極めてダークでオカルティック、邪悪ながらも荘厳なサタニックな要素を全面(「悪魔」・「死」・「地獄」・「異教徒」等と言う言葉がズラリ並ぶ曲名や歌詞を見よ!)に打ち出している。
オリジナルのストレートなメタル(でも楽曲構成が実は複雑怪奇)に、スニープが持ち込んだであろう豪華絢爛なストリングスやオペラティックなコーラスによってモダンに装飾されている。
そして雄々しくて美しくドラマチックなヘヴィ・メタルと、最高のレベルで奇跡的に融合して「Human Remains」という傑作は誕生した。
ここまで言って何だが、コレを聴いて何も感じない訳はないだろう?!
アルバムを聴きながら何度も声を上げたり首を振ったり、後半では「もし、お前が自分がやっている事を信じる事が出来るなら。お前のずっと抱いている夢は絶対にいつの日には叶うんだ」とコーラスが印象的な“The Quest”の時には号泣、クライマックスでの暗黒面様式美が炸裂するナンバーの連続により完全に逝ってしまってました(自嘲)。
アルバムにおける楽曲構成も完璧!
個人的に本作の最大のセールス・ポイントは、デヴィッド・ボウアーの「歌」。

オリジナル・シンガーのデイヴ・ハリディは既に他界しており、プロデューサーのアンディ・スニープの人脈からマーティン・ウォリカイアー(SABBAT)がバンドに在籍していた。
ひょんな事より舞台俳優であり声優でもあったデヴィッド・ボウアー(オリジナル・メンバーでありメイン・ソングライターであるケヴの実弟)に声をかけると、その完璧な歌に圧倒されたアンディは撮り終えていたマーティンによる歌を全て没にして、デヴィッドによる歌に全て入れ替えたと言う逸話も凄い。
さすがは演劇の舞台で唄い演じてきた存在であり、少々芝居がかってクセの強い彼の歌は素晴らしい。
全盛期のキング様や鋼鉄神ロブ・ハルフォード卿、更に若くてキレまくっていた頃のゲディ・リー(RUSH)を彷彿とさせる鋭利でガチガチの鋼鉄声。
変幻自在の彼の凄まじい歌を聴くだけでも、このアルバムを買って聴くだけ価値は充分あると思います。
私、好きなメタル・シンガーのランキングが大変動してしまいました(笑)。
本作の鍵を握るのは、今やメタル界で最高のプロデューサー/エンジニア/アレンジャーと言っても過言ではないアンディ・スニープ。

今アンディはプロダクションの仕事よりも、HELLの活動が最優先であると言い切っている。
アンディとHELLというバンドのあまりに密接かつ濃密な関係は、アルバムの解説書や今月号のBurrn!を読んでください(微笑)。
彼の恩師であるデイヴ・ハリディの存在、10代の頃より大好きで絶大な影響を受けたHELLというバンド。
本来は25年も前の昔にリリースされるべきアルバムであったかもしれないが、今この時代だからこそアンディという天才を迎えたからこそ楽曲は、時代に相応しい環境と技術を得て見事に蘇生しているから特別な輝きを放って聴けるのだ。
時間こそ掛かってしまったが、この奇跡的な復活こそがバンドには相応しかったのだと思える。

プロデューサー&アレンジャーとしてではなく、ギタリストとしても非常に良い仕事をしている。
ケヴとのメロディアスてスリリングなツイン・リード・ギターは楽曲に重要であり、聴く側の心を鷲掴みにしてくれる。
天才アンディ・スニープだからこそ、バンドや楽曲が昔から持っている良さを最大限に引き出し、こんなにも凄まじいアルバムを作る事が出来たのだと思う。
ここにあるのは古くて、他とは異なる全く新しいサウンドと楽曲であります。
悪魔が手招きする魅力的なサタニックなメタルの世界、1人でも多くのメタル・ファンにその魔力によって虜になって欲しいと心から願ってます。
間違いなく凄まじい傑作。
おっさん達のヴィジュアルに引いたり、サタニック・メタルだからと言って敬遠するのは絶対に損であると断言します。
邪悪で禍々しく、雄々しくも美しいドラマチックなヘヴィ・メタルを聴いて魅了されて欲しいです。
偉大なる父よ
何処におられますか?
今、貴方の預言が現実となります。
子供たちが怯えて泣き叫んでいます
私たちは苦難の時にあり
永遠に死にゆく運命にあるのですね
たった今、この瞬間から
この世界の全てが地獄と化す
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