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ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

怒りも、悲しみも、全て“仮面”で隠して…。

2005-11-06 00:49:18 | 映画
『仮面ライダー THE FIRST』を観た。
『仮面ライダー・クウガ』から復活した一連の平成TVシリーズは、良く出来た作品が多いと思うが、それを“仮面ライダー”と呼ぶ事にファンとして少なからず抵抗があったのは事実だ。
そのフォルムがシリーズを重ねる度に、従来の“仮面ライダー”のイメージから離れて行ったのもある。
子供の頃より「仮面ライダー」が大好きだった者としてハッキリ言わしてもらえば、現在のライダー達は変身こそすれど、“仮面”を被っている訳ではない。
何らかの超自然的なパワーで変身はしてバイクに乗れど、今のライダー達は基本的に“改造人間”でもないのだ。
昭和と平成のライダー・シリーズを分けるなら、この違いが大きいと思える。
シリーズの始祖である偉大な初代“仮面ライダー”本郷猛は、悪の組織ショッカーにより改造された怪物であった。
いくら正義に目覚めたとは言え、彼が普通の人間に戻れる訳でなく、一般社会では恐ろしい怪物である、彼はその怒りと悲しみを仮面で隠して果てる事のない戦いに身を投じる…暗く重~いお話である。
“原点回帰”をテーマにこの『仮面ライダーTHE FIRST』は作られた。
だから主人公は本郷猛(黄川田将也)であり、彼への刺客として一文字隼人(高野八誠)が登場する。
彼らは悪の組織ショッカーに改造された改造人間であり、しっかり変身ベルトを巻き、仮面を被り“変身”する。
最近のTVのライダー・シリーズにはウンザリ(響鬼さんは久々のヒット!)していたが、オリジナルの1号・2号のルックスを現代的にリファインしたその姿を観た時には、正直「コレだよ、コレ!」と興奮したものだ。
作品を観る前は映画版本郷猛と一文字の配役が、黄川田と高野では逆だと思った(高野はかつての藤岡弘に良く似ている)。
だが黄川田版本郷は石ノ森先生が描いたコミック版の本郷猛にそっくりである、演じた黄川田本人が藤岡版本郷のヒーロー的佇まいから離れ、普通っぽい雰囲気を漂わせているのも良い。
高野版一文字はオリジナルの佐々木剛版一文字が持っていた気障っぽさを保ちながら、更にそこに複雑な内面を窺わせる平成版一文字隼人像を確立させている。
さて肝心の『THE FIRST』の内容だが、実に良く出来た大人向けのSF・アクション映画であり、個人的には予想以上に楽しめた。
ただ映画として肝となる“画”的な迫力やスケールに欠け、いかにも低予算で製作されましたって空気が露骨なのが致命的な欠陥である。
まぁ~そのスケールの小ささも、オリジナルが持っていた「路地裏」感覚が発揮されていたと好意的に解釈しよう(苦笑)。
つい先日『機動戦士Zガンダム-2~恋人たち』を観たが、あの作品も恋人と称する複雑な人間関係がテーマであった。
あちらが恋愛の裏に秘められている狂気を漂わせているのに対し、この『THE FIRST』には恋人達の実に切なく儚い物語がメインにある。
ファンから批判される事も多い井上敏樹の脚本だが、今回もややベタベタな展開ながらも、仕掛けられた“捻り”がラストで実に効果的に観る者の胸を締め付けるのに成功している。
ただ愛する人と一緒に居たい、そして守りたいと言う願いは、決して報われる事はなく、また新たな悲しみになる結末にはグッと来てしまった。
あと本作の最大の“売り”であるアクションに関して言うと、これは素直に凄かったと言えるし観応えのあるものだ。
特に足技を多様する2号ライダーはカッコ良い!!
カット割りが無茶苦茶で何をしているか判らない最近のハリウッドのアクション映画に全く見劣りしない、非常にレベルの高いアクションをしっかりと見せて魅せる手腕とツボを押さえた演出は素晴らしい。
ホンマにもっと予算があり、スケールの大きい規模で撮影されていたら、文句無しに凄い傑作に成り得ただけに残念で仕方ない…。
もし噂されている続編があるのなら、次はもっと大きな予算と、演出と画的に“古さ”を感じさせない監督を起用して作って欲しい。
この新たに生まれ変わった1号・2号ライダーを、映画一作だけで終わらせるのは本当に勿体ないぞ!!


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