ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
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『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』

2011-04-03 17:20:10 | 映画
ってな訳で『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』を観ました。

「仮面ライダー」生誕40周年記念、そして東映60周年記念と言う非常にメモリアルな作品。
「仮面ライダー」シリーズとしてだけでなく、東映作品としても桁外れにスケールの大きな作品であるのは間違いないです。



先にも言いましたが、個人的には凄~く「面白い」映画であったのは間違いないと思います。
でも、やはり終盤の展開が作品の面白さをブチ壊している…と言う印象は拭えないです。
それが残念で仕方ないです。



(基本的にネタバレ御免!)


本作の主人公はオーズ・電王、そして仮面ライダー1号&2号。
オーズ・電王がド派手に活躍するのは当たり前ながら、最初に登場する1号・2号ライダーが悪の手先と言う描写はインパクト充分。



歴史が改ざんされた事により、悪の組織ショッカーが日本を完全に支配している世界が舞台。
アンクの落したメダルによって誕生した超強力なショッカーグリードに、1号&2号ライダーは敗れ去ってしまう。




ショッカーにより再改造を受け、悪の最強・最悪の改造人間となると言う展開は衝撃的。
そもそも「仮面ライダー」と言うのは世界征服を企む悪の秘密結社により、人間が改造された“怪人”である原点を今の時代に再認識する。



本作は「電王」メインに物語の為、時空が複雑に入り組んだタイム・パラドックスが仕込まれている。
物語の進行に対して慎重にならなければ、途中で物語そのものが破綻してしまう危険性も非常に高い。



それをメダル回収の為に主人公達がどれだけ躍起になっても、結局は同じ結末を辿ると言う展開は秀逸。
メダル争奪戦が下手すればコント(特に偽メダル云々のやりとり)に陥る可能性もあったが、結局それが物語において重要な鍵となっているのも凄い。
だからこそ、少年たちの願いや抑圧された人々の祈りが一つとなり「仮面ライダー」が復活するシーンは魂を揺さぶり、観る者の涙腺を木っ端微塵に破壊するのだと思う。

そして、何よりも仮面ライダー1号・2号の圧倒的なカッコ良さが最高。



昭和の頃より仮面ライダーを愛する者として、1号を藤岡弘、氏、2号を佐々木剛氏が声を担当しているだけで感動します。
お二人の“あの声”による「待て~い!」や「トォゥッ!」と言う声、最高の決め台詞である「ライダーキック!」という雄叫びを聞くだけで全身が総毛立つ興奮と感動を感じました。
スーツ・アクターの方々はかなり動きを研究されたそうですが、その美しく華麗なアクションも素晴しかった。
本作での処刑台のシーンこそ、最大のハイライトだったと思います。



しかし、コレ以降に本作は急激に失速するのを感じます。



次々と昭和・平成ライダーが掛け声に乗って登場し、各ライダーと縁の深い(?)敵キャラと戦います。
コレは、明らかに「ディケイド版オールライダー」からの反省だと思います。
でもハッキリ言えばオーズ・電王・1号&2号ライダー以外は、単なる添え物という扱いであったのも事実です(苦笑)。



敵キャラと言えば…。
個人的に最大の注目株であった、かのデルザー軍団のジェネラルシャドウ。



現代的にリファインされた姿といい、オリジナル通りの気障ったらしいアクションや台詞回し(オリジナルの柴田秀勝氏の毒在る声が良い!)が最高でした。
オーズをボコボコにする圧倒的な強さを誇りながらも、何故か何の脈略も無いまま突如登場したキカイダー兄弟・イナズマン・怪傑ズバットに呆気なく倒されます。

このキカイダー達…というか石ノ森/東映ヒーローのゲスト登場は早くから話題でした。



個人的には何らかの説明があって登場するかと思ったら、いきなり登場してジェネラルシャドウをフルボッコして退場。
最後の大決戦にも参加しませんでした。
単なるゲストならゲスト扱いとしても、もう少し上手い登場のさせ方は無かったのかと思えます。

そしてクライマックス。
首領を追いつめたライダー達ながら、その圧倒的な強さの前に返り討ちにあって危機に陥る。
その姿は、昔からお馴染みの蛇が絡まった一つ目。
デジタル技術の進歩によって、八岐大蛇状態で襲いかかるの良い。



でも、そこは今TVで放映中の現役ライダーであるオーズ。
この劇場版のみという、必殺「タマシーコンボ(ショッカー・モモタロス[イマジン]・タカ)」によって首領を一発で撃退。



あっさりと飛び散った首領の後、ズシンと重量感タップリに足音を轟かせてキングダークがマントをなびかせて登場する。
ココは、かなりカッコ良い。
それも単にキングダークよりも更に巨大な、シリーズ最大最強の敵・岩石大首領(全長4000m!)登場のネタフリでしかなった。



でも岩石大首領が全く持って最悪。
その常識外れの巨大さは良いが、登場した事によりキングダークをはじめショッカー側の幹部が次々と巻き添えを食らって惨殺されていく(苦笑)。
皆、口々に「岩石大首領は全てを破壊するまで止まらない!」と断末魔の悲鳴を上げるが、この大首領様は出ては来たけれど全く動かない役立たず(爆)。
まぁ~これだけの怪物が大地から出てくるだけで、間違いなくその周辺は壊滅的なダメージを受けているだろうし、今このご時世ではそう言った描写はタブーだろう。



それ以上にガッカリしたのはライダー達の必殺技。
この絶体絶命の危機に颯爽とサブ・ライダー(極悪ライダー含む:笑)達まで登場、1号の掛け声により全ライダーの全エネルギーを集める。
そして何をするかと思えばバイクに乗って空を飛び(!)、「40」というフォーメイションのまま「オールライダーブレイク!!」と叫び岩石大首領に特攻をかける。
遂に大首領は大爆発、戦い終わると電王とオーズだけがいて、何か他のライダー達は生死不明状態になっている(?!)。

一体何が起きたんでしょう?
幾ら全ライダーのエネルギーをかけた特攻でも、敵は4kmの超巨大な怪物ですよ…富士山よりもデカい奴を吹き飛ばしたの?!(仮面ライダーは核ミサイル並みの破壊力を保有しているのか!?)
観る側の度肝を抜こうと超巨大な敵を出したのは良いけど、結局上手い倒し方が思いつかないので特攻したって感じがする。
脚本・演出側の練り方が足りないと言うか、詰め込み過ぎて未整理のままだ。
コレではクライマックスまでの興奮と感動が台無し、非常にガッカリしてしまった。
まだコレならば全ライダーのエネルギーが集合体として実体化(それが1号ライダー似のシルエット)し、オールライダーと共に衛星軌道までジャンプし放ったライダーキックにより集合体もろとも岩石大首領にライダーキックを放って粉砕…ってくらいやった方が絶対に盛り上がった筈だ。
既に仮面ライダーJをディケイドで、仮面ライダー・コアもMOVIE大戦で登場させた故での判断かもしれない。
でも「40年分の思い」を表現する正義の一撃描写は、もう少し他のやり方はあったとしか思えて仕方ない。



その後に訪れる静かな結末。
確かに辻褄が合わないオチであり、ドンデン返し的な驚きだと思うが…幾ら何でも佐々木功は40年経ったとは言え老け過ぎ。
最後に付け加えると…あまり言いたくないが、ショッカー首領として御大・納谷悟朗氏が登場している。
今も現役の偉大な声優でありますが、さすがに年齢によって声に艶や張りと迫力が無くなっており寂しく感じてショックだった(TVで「ルパン3世」の新作を観ても同じ様に感じています)。
更に、監督の金田治氏の演出。
良く言えば「昭和テイスト」だと言えるが、逆の言い方をすればテンポの遅い平淡な演出。
「熱い」作品だったので、もっと熱くコッテリとアップテンポな演出が出来る監督を起用すべきだったと個人的に思えた。

細かい事気にするなと言われそうだが、作品の本来は最大の見せ場でコケてしまうと本来持っている感動や興奮を台無しにすると思う。
面白かった、興奮した。
何よりも「仮面ライダー」を子ども頃より愛している者として、劇中にある子ども達や人々の姿に感動して号泣した。
だからこそ「お祭り映画」として、単に割り切った軽いノリでは観れなかった。
凄く残念だし、勿体無いとも思う。
ひょっとしたらソフト化された暁には、東映得意のディレクターズ・カット版によりまた違う印象を抱くかもしれない。

複雑な気持ちは消えない…。


「仮面ライダーは…せいぎの味方」



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