ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
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Mechanized/FEAR FACTORY

2010-08-22 16:56:56 | 音楽
FEAR FACTORYの最新作『Mechanized』を聴いた。

以前にも言ったがアルバムとしては既に半年も前にリリースされ、真にFEAR FACTORYというバンドにとって復活を告げる傑作だと絶賛された。
その時、すぐに輸入盤として欲しかったが、いずれ日本盤がリリースされるだろうと思ったら…結果として半年も待たされた(苦笑)。
とは言え待った甲斐のある素晴らしいアルバムであり、コレこそがFEAR FACTORYと言うバンドの復活作だと思う。



さっきから「復活」という言葉を何度も使っている通り、FEAR FACTORYというバンドは一度解散している。

解散のキッカケは「バンド内における人間関係の悪化」。
特にバンドの創立者であるバートン・C・ベル(Vo)とディーノ・カザレス(G)の確執と衝突は、修復不能な状態にまで陥っていた。
そんな状況に耐えきれずにバートン自らがバンドを脱退(その前にディーノを解雇したという説もある)、その後FEAR FACTORYというバンドは結局解散してしまう。
だが、レイモンド・ヘレーラ(Dr)とクリスチャン・オールド・ウォルバース(G)が中心となり、バートンを呼び戻してすぐにFEAR FACTORYは再結成された。
再結成されたFEAR FACTORYを悪く言うつもりは無いが、ディーノ不在という事もあり大切な「何か」が欠けたままであり、以前のように魅力的だとは個人的には思えなかったのが本音(アレはアレで充分にカッコ良くて完成度も高かったとも思っていますが)。

それを一番痛切に感じていたのは、他の誰でもなくバートン自身だったかもしれない。



かつて互いのエゴにより、憎み合っていたバートンとディーノ。
バートンから歩み寄る形で二人は奇跡的な和解を果たし、それがバートンとディーノによる真FEAR FACTORYの再始動へと発展する。
当然驚いたのはレイモンド&クリスチャン。
今後のレコード契約やバンドの活動方針を巡りバートンと揉めていた事もあり、レイモンド(実はバートンとディーノからの参加要請は受けていた)&クリスチャンはFEAR FACTORYの使う予定だった楽曲をメインに使用してARKAEAという別バンドを始動させる。
バートンとディーノ、そしてレイモンドとクリスチャンは互いに「FEAR FACTORY」というバンド名の使用と楽曲の権利等を所有を主張、今も法廷で争いが続くという複雑な状態にある。

何はともあれ、個人的にはバートンとディーノがいるバンドこそがFEAR FACTORYであると思う。

そして、真の復活作である『Mechanized』。
コレには問答無用の攻撃力と怒濤の疾走感、殺傷力の高いパワーと金属的なヘヴィさ、そして情感豊かで美しいメロディー。
正にFEAR FACTORY!という楽曲が満載された、素晴らしいアルバムに仕上がっている。
全盛期のFEAR FACTORYが持っていた、他には無い特別な「何か」を取り戻している。



FEAR FACTORYと言えばディーノによる金属的でヘヴィな鋭いギター・リフが、変幻自在に怒濤の勢いで無慈悲に炸裂する。
それに人間的な要素としてバートンによる肉体から湧き上がる咆哮と、時には浮遊感が伴いながらも悲壮感すら漂うメロディアスな歌との融合こそが“核”である。
本作でも、この二人の個性の衝突は凄まじく、FEAR FACTORYがどう言うバンドであるかと言う事実が聴く者を圧倒する。
この強烈に高い、テンションのぶつかり合いがカッコ良くもあり快感でもあり、このバンドの醍醐味だ。



個人的には、正に轟音とも言える楽曲の中において、ただスクリームするのではなくて、しっかりと唄う事に大きな比重をおいたバートンの“歌”が印象的だ。
声量・歌唱力共に、以前よりも明らかに向上しているのも素晴らしい事だと思う。

あと以前からのメンバーであり、本作にも参加しているバイロン・ストラウド(B)の紹介によりバンドに参加したジーン・ホグランド(元STRAPPING YOUNG LAD)のドラムも相当エグい。



全盛期のFEAR FACTORYにおいてマシナリーなリズムは非常に重要だったが、自ら「俺は人間リズム・マシンだ」というジーンの人間離れしたヘヴィさと音数にスピードを兼ね備えたドラムも気持ち良いまでにエグい(脚が2本とは思えないツー・バスの連打は超人的!)。

本作には捨て曲は無い、楽曲の充実が素晴しい。
エンディングを飾る超大作“Final Exit”のドラマチックな壮厳さ、美しさにも感動して欲しい。
一時期、インダストリアル・メタル系のバンドは沢山あったが、やはりその元祖とも呼べるFEAR FACTORYの『Mechanized』というアルバムは文句無しで傑作である。

多くのメタル・ファンに、怒涛かつ無慈悲に聴く者を叩きのめすサウンドを体感して欲しいと思う。


あんたの敵に対する憎しみ
それを恐れるんだ
あんたの信じる神や救世主と名乗る存在
それが一番怖ろしい
過ちを犯した救世主
何が一番怖いと思う
あんたの信じる神こそが
最凶最悪の恐怖を象徴しているんだ





PS:METALLICAのゲストながらも約9年振りとなる来日も喜ばしいです。


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