くるたのしき・・・スカイランナーへの道<復活!>

走ることは「苦しいけど、かくも楽しいこと」つまりは『くるたのしいこと・・・』と、高山を走るスカイランナーを目指した手記。

「最後」の陸上競技の大会!・・・感謝、感謝でありがとう!!

2010-10-29 00:27:41 | 陸上競技

10月17日 曇り・・・風も気持ちよく文句のつけようがない最高の天気だった!

2010_198 第39回静岡県小学生陸上競技選手権大会が草薙陸上競技場で行われた。長女が陸上を始めてから三島陸上JCの(なんちゃって)コーチとなり、なんと・・・多分今年で12年目?となる。 この県選手権はいく度かの感動と涙の数々を重ねてきた大会。今年は次女が最終学年・勝負の6年生となり、子供と関わる小学生陸上競技大会の最後となる。勝っても負けても、小学生最後の大会。全くもって、親としては感無量。まあまあ・・・なんとここまで無事に成長してくれたものだと感心する。

天気は上々だった。風は時折吹くが、ナローで穏やかなイイ感じの風。今日参加する(6年生の)子供の保護者達は、今日の天気にホッとしているに違いない。いつも草薙の大会は憎らしいほどに向かい風の強風が常。最後の大会ぐらい追風で気持ちよく走らせてあげたいと思うのは親心・・・。

今日はなんでも「最後」というフレーズで考える。今のリレーメンバーで走るのは今日で最後。実のところ6年生女子は4名しかいないので、ケガ人や病人が発生したら、チームは即棄権。・・・そんな綱渡りの状況を4人がお互いに励ましあって今まで走ってきた。彼女らは大舞台の大会では1度も棄権や補欠起用などしないで、4年生から3年間、しっかりとバトンを繋いできた。結果や記録は期待されつつも、なかなか芽の出なかったデコボコチームだけど、その分は親として、長い間ハラハラドキドキと、大いに楽しませてもらったと思う。

2010_190 2010_191 2010_192 2010_194 さてさて、大会は相変わらず予選のタイムにビビリ、決勝進出のアナウンスに感動に(ウルウルの)涙。満を持して決勝を走れば、「何かやってくれるか?!」の私の期待を他所に、冷静に全く順当な走りと順位で、危なげなくバトンを繋ぎゴールしたのだった。

今日何よりも嬉しかったのは、彼女たち自身がレースを楽しめたことだろう。予選を勝ち抜き、決勝で勝負の走りをする。人に自慢できるようなタイムじゃないし、細かな失敗もあったかもしれないが、でも彼女達なりに全力を尽くしたし、その手応えみたいなものは、大会が終った後の集合写真での集まりやバスの中の騒ぎぶりに見てとれた。私はリレーのときはいつも(ゴール付近のスタンドじゃなく)、第2か第3コーナーに張り付いて、子供達に声を掛ける。だけど今日の最後のレースだけはゴール前で応援しようと決めていた。コーチとしてやるだけのことはやったし、その手ごたえもある。その余韻をまとって、最後のレースは絶対ゴール付近で見守ることに決めていた。リレー競技は実力(走力)に技術と経験が組み合わさって、これが大きくモノをいう。レースの経験から学んでいくことがリレー競技の喜びであったり面白みだと思っている。小学生の彼女達には、もはややること全て与えて教えてきた!・・・そう割り切って私の中では「今日の最終レースは楽しもう」と決めていた。当然彼女達にも同じように『今日の主役』としてしっかりレースを楽しんでもらいたい!と願い、ウォーミングアップもしてきた。そんなささやかな私の思いに、見事に応えてくれる走りを見て・・・、嬉しくなった。(多くのスポーツに言えることでもあると思うが)あえて陸上競技の「楽しさ」の実感を、少なくともその一端を、彼女達はこのレースとそこまでの過程の中に見出すことが出来たと思う。今日のレースのクオリティーは、成績や記録・結果の順位といった固定的な観念ででなく、今日の「最後の」決勝レースという行為そのものの中に流動的に、能動的に内包されているのだと彼女達の走りの中に確信できた。そんなささやかな感動の境地にたどり着くことが出来たという意味でも、親として嬉しくて、楽しかった。

2010_197 多くの大人は、スポーツってものは「趣味や娯楽・楽しみ」という観念で括られる程度と、(日々の仕事などとは別物として)捉えられるようだ。・・・スポーツは、(大人の)日々の仕事の切った張ったの修羅場とは別の、甘っちょろいものだと、人生経験豊富な大人は、実に高いところから見下ろして、大した意味を持たない、はかなく無益なもの、時には酷く効率の悪いものとしてプアに映るようだ。スポーツは仕事じゃないので、それはそれで仕方のないものじゃないか?!とも考える。そしてそんな無益なものに夢中になってる大人(コーチ)は、実に間抜けな人種、蔑みに値する輩に思えるような方も世の中にはいるようだ。

しかし、だけど子供達の陸上競技はそんな大人が思う程度の趣味や楽しみを超越して、少なくとも三島陸上JCの子供達はそんな次元を凌駕している。彼らの努力が、例えそれが実際に(能力が不足して)、底に小さな穴の開いた古鍋に水を注いでいるむなしい所業に過ぎなかったとしても、少なくとも努力をしたという事実は残る。そして彼(彼女達)の心の中には「やり続けた」という自信と誇りは確りとした核として残る。効率が悪かろうが、かっこよかろうがみっともなかろうが、結局のところほんとに大事なものは、ほとんどの場合、目に見えない心に中に刻まれたコアな何かなのだ。人生の中で、そうそう何度も感じ取ることの出来ない(やり遂げたという)達成感の境地は子供達のこれからの人生の中の大きく揺るぎない自信となると信じてる。人生の中で、本当に価値のあるものは往々にして、実に効率の悪い営為を通してしか獲得できないものだということが分かってもらえるのだと思う。

12年間強・・・、今(なんちゃって)コーチとして思うのは、三島陸上JCを通過する多くの子供達は、まあなんと人生の成功者として必要な奥儀を小学生にして身に着けるものだ・・・と感心し、彼らが成長を重ねることが、真に励みになるのだと感謝する。実のところ彼らの頑張りと、効率の悪い営為のサイクルに負けない挑戦が、私の気持を強くしてくれること・・・・。こんなことを思える今日のこの大会・・・、やっぱり楽しかった。

子供の成長を喜び、実感し、感動できた大会に(ちょっとだけコーチという立場で)子供達を目の当たりに出来たことに感謝。12年間の集大成というには大げさなのか、ちっぽけなのか、まあどうでもいいほどに日常的で明るく楽しい大会に・・・感謝です。