くるたのしき・・・スカイランナーへの道<復活!>

走ることは「苦しいけど、かくも楽しいこと」つまりは『くるたのしいこと・・・』と、高山を走るスカイランナーを目指した手記。

2011年東京マラソンに走ったぞー!

2011-03-05 22:26:05 | マラソン

2月27日  うす曇から晴れ、風は無く、暖かくマラソン日和となった。

Imgp0463_2 第5回東京マラソンが開催された。私はラッキーなことに今年の参加で3回目の出場となる。まだ1度も当選したことのない方々が本当に大勢いる中で、実に幸運(ラッキー)なことだと、今日このスタートラインに立てて走れることに心から感謝する。

Imgp0466 東京マラソンで私は陸連登録者のAブロック。Aブロックは5000人枠で、これだけでも大きなマラソン大会の規模を凌ぐ人数だ。私の今日の目標は、3万6千人の参加ランナーの中で、もっとも先頭でスタートを切ること!そしてスタート前のテレビ中継にしっかり映り込むこと!走り始めたら…苦しくとも明るく、朗らかに「ありがとう」のあいさつして、最後まで歩かずに走りきること!タイム的にはハーフでは1時間30分、ゴールタイムは3時間20分を切ること!今日はこれを目標に挑んだ!この大会のベストは3時間17分。この記録を塗り替えれれば・・・ともささやかに期待して思う。

Imgp0474 さて、『最前列スタート&テレビ中継に出る!』という目標は途方もなく難しく困難なことに思いがちだけど、・・・私は実のところ過去2回出場は全て最前列をゲットしている。これには必勝パターンがあって、兎に角全ての行動を「先手先手」の一手でこの難問はクリアできる。今年も実は自信があった。

Imgp0476_2 昨夜からこの必勝パターンをセオリーどおりにこなして、早朝を向え、スタート最前列にスターティングポジションを得ることができた。今年のコンディションは最高で、雨&風がなく1時間以上の「待ち時間」も、スタートライン前の、目の前で繰り広げられるスタートセレモニーを見て盛り上がり、あっと言う間の1時間半だった。私の右隣に居た方が静大の陸上部3年生・・・。どっかで見かけたことがあるような無いような・・・。こんな全国規模の同じように頑張って最前列に並んだ同士という気持に加えて、同県のよしみで彼とはひとしきり盛り上がり、今年の待つ時間はほんとうに短く感じられた!(ありがとう!!)

Imgp0479_2 石原都知事の「ランナーの諸君・・・頑張りすぎるな!楽しめ・・・ゆっくり楽しまないともったいないぞ!」のやる気満々のスタートラインに並んだ選手を前にしたあいさつは、相変わらず皮肉っぽくて、やる気満々ランナーのギラギラした緊張感を和らげてくれた。都知事の実に楽しそうにスターターを勤める姿は、大会に参加する積極的な前向きの気持ちが伝わって、すごく好感が持てた。お飾りスターターとはちょっと違う主催者の責任感も感じられた。(・・・よかったぞ、都知事!!)

Imgp0485 Imgp0489 ドン(ブシュ~~ッツ!)号砲一発だった。思いのほか緊張感もなく、定刻どおりレースはあっという間に開始された。何度も何度もシュミレーションしたスタートイメージは、都庁前を真っ直ぐ一直線に駆け抜けて、無理をしないで歯を食いしばって周りに着いていく作戦。新宿歌舞伎町前までの下り坂には転倒に気をつけて、有名ランナーを全てチェックして、あわよくば写真を撮って走ろうと考えていた。毎回スタートで舞い上がる紙吹雪の気配を全く味わうことなく、広い道路の前方に誰も走っていない道を、沿道からの大音量の声援とともに走り出し突き進んだ。

Imgp0478 新宿を過ぎる辺りですでに赤いTシャツを着た猫ひろしさんに抜かれた・・・。沿道の声援に「ニャーニャー」と応えながら走って抜かれていった。

昨年は雨の中、2時間弱も立っていて、スタート数キロからアップをしていない足が痛くなったのだけど、今年は暖かく天気は最高で、待ち時間の多くは座ってのストレッチに精をだしていたので、走り出しのコンディションは良好だった。新宿からの数キロの長い下りの周りのランナーのペースは速く、ドンドンと抜かれて行ってしまう。水道橋あたりではあまりにも抜かれっぱなしで、気持ち的にかなり凹んだ。でもキロごと、5kmのラップなどは目標設定どおりであることを確認して気持ちを強くもって粘って集中して走ることに心を留めた。若者の仮装ランナーに抜かれるときはちょっとだけ悔しいのだけど、そんな輩がうようよ走るのも東京マラソン。

Imgp0525 皇居前辺りからは前方に行く人も閑散として普段のマラソン大会のような走り方でマイペースで走れた。しかし品川手前でドヤドヤと凄い人の波に呑まれてしまった。なんと3時間00分のペースランナーが数人走り、この方を先頭に3時間切りを目指す集団がやって来た。ここで品川から有楽町までなんとか着いて走ってみた。しかし気持が弱く、粘れずに少しずつ落ちて行った・・・。銀座に入ったころにはまたマイペースの地道で孤独なランニングになった。25kmを過ぎて浅草手前から腿あたりと足の付け根が痛くなってペースが落ち始めた。路面もコンクリートで硬く足先もジンジンと痺れてきた。

Imgp0543 Imgp0545 雷門あたりは苦しく、雷門やスカイツリーは一瞬しか目に入ってこなかった。ほとんど残像程度しか心に残っていないほどだった。だけど銀座に戻る道の反対側は凄い数のランナーが犇めきあって走っている。これが銀座方面に向えば向うほど人がドンドンと増えていく・・・。これが本物の東京マラソンか?!と驚き圧倒。この中では水を手にしたり食べ物を手にすることも大変なのだろうなあ・・・なんて思いながら走る。

今年は銀座から佃大橋など苦しいところは意外と集中してモクモクと走ることが出来た。苦しがったけど気持だけは途切れないで前に前に走ることに集中することが出来た。

Imgp0537やっぱり佃大橋ではロッキーのテーマ曲が流れる・・・。「エイドリアー」じゃないけど、この曲を聞き自然と涙が零れて歯をくいしばって走った。橋の終わりからL字に曲がったところではサザンの「希望の轍」が流れ。。。これにも俯きくいしばって走りながらボロボロと涙が出てきた。なんで涙なんだと思うけど・・・自然と涙が出てしまうから不思議だ。

ここからは時計を確認して「3時間15分切り」の目標が見えてきた。14分59秒でいいので15分を切りたいと・・・切に願って思って腕を振ってはしった。・・・が、この頃には脹脛と腿の裏の筋肉限界を迎えていて痙攣直前の状態。痙攣して立ち止まれば記録は望めないし次に動き出すのも大変な常態になる。元気よくスパートをかけて追い抜いていく人を尻目に、だけど痙攣して立ち止まって天を仰いでいる方を横目に見てマイペースに気をつけて走った。

Imgp0571 写真撮影のポイントが沢山あったがサスガにスマイルはできずガッツポーズだけして最後の力を振り絞ってはしった。タイムは3時間16分11秒・・・。僅かに15分切りは出来なかったけど、タイム的にも気持ち的にも走りきった感は120%の気持のいいゴールだった。まだゴールではボランティアの方々の多くの拍手に祝福されたのが嬉しかった。今年はゴール付近での写真撮影は禁止で自分で撮ることしか出来なかったのが残念。でも写真なんかはどうでもいいほど満ち足りて充実した気持ちで一杯だった。ずっとこのゴールに居て、選手のゴールを拍手で迎えたいような幸福な気持で一杯になった。

Imgp0572 ランナーはどうして走るんだろうか・・・!レースでのランナーは孤独で、誰からも助けられない中で、とっても苦しくても苦しくても、走ることを止めないで走り続ける。苦しくても前に進み続ける力、自分との戦いに挑み続ける勇気、目に見える記録や順位などではなく、ただただ自分の限界をさらに越えて行くための粘りと頑張りだけに挑む。東京マラソンで同じように頑張って走る人は結果や順位、記録とはまったく違う次元の価値観と次元の中でひたすらに走る。これこそが人の強さの本質なのではないかと思う。自分の限界にそれぞれ挑み続ける勇気こそが走るという原動力なのではないか?!と思う。走ることを美化したり理由づけたりしたがるときもあるが、純粋に走りたい、頑張りたいっていう本能が人間にはあるのではないか?と思えた。

Imgp0594 今日は天気もよく、記録も満足、本当に楽しい大会だった。応援してくれた多くの方々、本当に心からありがとうございました。Imgp0586 Imgp0587