くるたのしき・・・スカイランナーへの道<復活!>

走ることは「苦しいけど、かくも楽しいこと」つまりは『くるたのしいこと・・・』と、高山を走るスカイランナーを目指した手記。

第61回富士登山競走に参戦した!

2008-07-26 21:56:31 | 山岳マラソン

7月25日   富士吉田市も暑かった!

Imgp5985 第61回富士登山競走に一昨年振りに参加した。昨年は大会開催日が会社のお祭りで、またまたお祭り実行委員で参加を断念した。今年も会社のお祭り開催日とバッティングしたけどこの大会を選択した。

毎年7月のこの大会までには富士山を2~3回は走っている。けど、今年は仕事やら陸上競技の大会などなどで全く富士山を走る機会を逸して、練習ゼロ回。3月初旬から短距離に練習をシフトして苦しい走りこみや時間がかかるLSDのランへの練習も激減していた。今振り返ると「富士登山競走を舐めていた・・・」とも思える。新城トレイル以来の右足踵痛も長く走ると出てきて、練習不足は否めなかった。そんな安易で不安な気持ちで大会を迎えた。

Imgp5900Imgp5901  スタート30分前。相変わらずの活気と以前より若者が多いってのに気がついた。以前は「富士登山競走・・・命!」っていう兵(つわもの)おじさんが多かったけど…。これもランナーズなどの雑誌のトレイルランで流行を作ったおかげかな?!本当におじさんが少なくなった!Imgp5910

  スタート前、いつも富士吉田市消防署の若者の掛け声でスタート直前が盛り上がる!毎年の彼の「エイ・エイ・オー!」の掛け声もよかった。それに勝るのが、10年連続優勝?した芹澤選手の掛け声だった。言った言葉はこんなもんかな。「一年に一度の富士登山競走。この日のために1年の練習の全てをかける人がこのスタートラインに並びました。気持ちはみんな同じ!『・・・絶対・完走!』  この苦しい富士登山競走になんでみんな出るのだろう!・・・だけど、走った人は知っている。走りきったときのあの感動。苦しくて苦しくて・・・でも自分の極限を乗り越えて、そして新しい自分に出会ったときの感動。あの感動に出会いたくて、私たちは今日ここを走るんだ!・・・今、隣にいるランナーは共に走る仲間です。このスタートラインに並んたのもなにかの縁です。仲間同士肩を組んで『絶対完走』を誓おう。」彼はここまで言って、「隣同士肩組もう」と声をかけて、皆で叫んだ「行くぞ~ッ、オウ!行くぞ~っ、オウ!!行くぞ~ッ、オオウ!」は、くるたのしき世界を目指す私の心にはジンジン来た。感動的なスタート前の瞬間だった。拙い文章では表現できてないけど、このスタートラインに立てたことに(家族の暖かい励ましや応援に改めて感謝して)まずは感動した。

Imgp5917 号砲一発。今年は参加者が3700名を越えたすさまじいスタートだった。いつもは息せき立って走るけど、今年はスタートラインを通過するのに30秒?ぐらい掛かった。これが大失敗だった。酷いスタートだった。富士登山競走の第一関門はスタート時点。兎に角浅間神社を走る以前までにどれほど前を走るか?!、その後ペースを落とすことなく馬返しまでをどれだけ頑張れるか?!が完走の決め手の1つ。今年はどうもドツボに嵌ったスタートとなった。

Imgp5919 自分ではぐんぐんと前方の人を交わして走るが、人・人・人だらけ。コースも狭くなるのにペースが上がらない。馬返しまで一昨年より6分も遅い。登山道は更に大渋滞。脇を縫ってガンガンと飛ばすが、先が詰まってペースは全く上がらない。5合目は間際は立ち止まってしまい動かない。結局5合目通過も一昨年より17分遅れ。もう絶対絶命。かなりまくって頑張らないと8合目関門も怪しい・・・。5合目関門過ぎも一列で走るコースが続き、Imgp5922 足踏み状態。その先は砂利の、体重があって蹴って走る私にはもっとも苦手なコースの連続。最近トレイル雑誌で有名なゼッケン89番ロッカさんに抜かれていく。途中声をかけて話すが、「この場所は時間内ギリギリ地点。相当頑張らないと難しい・・・」と手厳しいけど、その通りの答え。それとこんな苦しいときに話しかけるな・・・っていう感じで先に行かれた。それでも前半結構頑張ったけど、7合目の岩場でまたまた大渋滞。ここは上半身を使ってぐいぐいと登る最も得意なところ。全く動かない場所もあってイライラの絶Imgp5925頂。・・・だけど時計を見ると8合目関門は刻々と迫る。こうなると回りは諦めムードで登るので、更に動きが悪くなるばかり。結局・・・涙・涙の8合目時間切れ!・・・がっかりだった。

反省すべきことが沢山だ。もう5年も連続時間内完走していて(昨年走らなかImgp5929 Imgp5930 ったこともあって)気持ちの中で、富士登山競走を舐めていた。この大会の練習と大会、それに向けてのストイックな私生活で真面目に取り組んでいなかった。もっと熱い思いを込めていなければこの時間内完走は自分の体力と能力の中では達成できないものだということに気がついた。(というか、思い知った。)完走できなかったことを実に恥ずかしくも思う。富士登山競走のために集まる日本中の真面目なランナーに対峙して、来年は胸を張ってスタートラインに立てるだろうか?!この悔しさ・無念さ・恥ずかしさを心に刻んで来年に向けて頑張ってみようと思う。Imgp5947

下山途中、朝掛け声をかけていた芹澤選手にお会いできて、色々とお話しして結局五合目まで一緒に駆け下りた。朝の掛け声に感動したことなんかお礼を言って話した。結局、彼もこの大会の為に1年間練習を重ねてこの日を迎えたこと。その影には家族の応援と励ましもあり、かついつまで自分勝手なことをするのだ・・・という声も聞き、これらを受け止めて、この大会があるのだ・・・そうだ。歴代の勇者も皆同じ境遇で同じものを背負って走ってるってことにホッとした。「家族に尽くせる人は・・・全てに尽くせて、なんでもできる!」みんな背負うものを背負って・・・なんとか頑張ってることを知ったこと、歴代の勇者とお話しを交わせて改めて知った。

あと、練習のへの意気込み。「もうこれが限界だ!と思ったときからが、真の一流アスリートの出発点。」・・・自分の限界を知って、これを越えてこそ意味がある。自分はまだまだ自分の限界を超えてるのか・・・、そんな自問自答を聞くとますます富士登山競走が好きになった。