「森の水産業」の英語版です。3月にお世話になった、インドネシアの水産専門学校(Akademi Perikanan Sidoarjo)にお送りしました。英語をチェックしてくれた北大のJeff Gaymanさん、ありがとうございます。
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Meeting with Silvofishery in Sidoarjo
Hiroshi Oda, Hokkaido Univers . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2014年4月11日掲載)
海の中に森がある。この不思議な風景が、ここインドネシアの海岸ではあたりまえだ。このマングローブは、干潮のときは陸になり、満潮のときは海となる所に生える植物のことである。
マングローブの役割は多面的だ。二酸化炭素の吸収と酸素の放出。最近その炭素固定量の大きさと、地球温暖化の抑制効果が注目されている。波による海岸浸食の抑止。スマトラ沖地震 . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2013年7月30日掲載)
「うれしいて、うれしいて、人生の花が咲きほこっているんよ」
75歳の農家の女性が、こう話すのを聞いて僕はすごいと思った。ここは徳島県上勝町。「いろどり」としてブランド化された、葉っぱビジネスで有名な町である。
作業部屋の中で、その女性はツバキの葉っぱを、てきぱきとパック詰めしていく。合間にパソコンとタブレット端末で市場からの注文を . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2013年3月29日掲載)
沖縄に育ち、警察官となった比嘉康雄(1938~2000年)は、写真家へと転向した。1968年に嘉手納基地で起きた、米軍機墜落に衝撃を受けてのことだった。では比嘉がどうして基地問題など時事的な写真ではなく、離島の伝統的な民俗の撮影をライフワークとしたのか。それが私にとって謎であった。その謎が、今回の久高島(くだかじま)への旅で解きほぐれてき . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2013年1月7日掲載/1月10日ブログ版として修正)
鹿児島県から台湾までの間に、琉球弧と呼ばれる島々が連なっている。その中の宮古島は沖縄本島よりも南方に位置し、比較的平たんな土地がエメラルドグリーンの海で囲まれた美しい島だ。そこにドイツの古城がそびえている。なぜだろうか。
正確にいうと、これはドイツ・ライン河畔に建つお城を、原寸大に再現したもので、「博愛記念 . . . 本文を読む
これからアフリカのタンザニアに行ってきます。
札幌に戻ってくるのは今月末です。
その間、メールでの連絡も取りにくくなるかもしれません。予めご承知おきください。(今使っているメーラーのWindows Live メールには「不在時の自動返信機能」がないようで、不便。)
タンザニアでは、ドイツ植民地時代の記憶をテーマに各地を回ってきます。ハンス・パーシェの足跡もたどってみます。それから、北 . . . 本文を読む
ずいぶん長い間ブログを更新しなかった。その間さまざまなところに行き、さまざまなことを見聞きした。中でも私にとって最大の出来事は、やはり東日本大震災ということになる。
先週末、宮城県石巻市を訪ねた。そのときのことを少しお伝えしたい。
これはある避難所にいる親類に会うと共に、そこの人びとに食糧を差し入れさせていただくための訪問だった。鉄道がまだ復旧していないので、車を使った。仙台から石巻にか . . . 本文を読む
図書館が、あれほど美しく、重要な場所として描かれた映画は「ベルリン天使の詩」をおいてないだろう、と思う。
(小説だと村上春樹が図書館を印象的に使う。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『海辺のカフカ』。そういえばボルヘスも「バベルの図書館」というのを書いていたな。)
ともかくこの映画に登場するベルリン国立図書館に入るのは長い間の夢だった。去年だか、「入れますか」と尋ねたときに . . . 本文を読む
明日、日本を発って、ドイツのベルリンに行きます。
半年間の「サバティカル」のためです。「サバティカル」は「研究休暇」と訳されますけど、大学での業務が免除されて、研究という仕事に専念させてもらえる期間と言った方がいいですね。だから休暇ではなくて、仕事です(笑)
ヨーロッパの市民による歴史和解の取り組みを調べます。ベルリンを拠点に、ポーランド、チェコ、イギリスなどで和解の現場を訪ねて、人びと . . . 本文を読む
ベルリンは映画の街。
数え切れないほどの映画館があります。また有名なベルリン国際映画祭が開催され、「ベルリン天使の詩」などの名作の舞台ともなっています。さらに映画そのものが生まれた街でもあります!公式の映画の歴史では、映画は1895年にパリでリュミエール兄弟が発明したことになっていますが、それよりも前にスクラダノウスキー兄弟がベルリンで開始しているのです。
アフリカの映画をやっていたので . . . 本文を読む
ベルリンは天気がいい。春のようです。ちょうど復活祭(Ostern)の時期と重なって、町の商店は緑や黄で明るくデコレーションされています。
まず、アレクサンダー広場に行ってみました。ここには戦争の被害を免れた古いマリア教会と、東ドイツ政府が西側にその力を誇示するかのように建設したテレビ塔が並び立っています。
調査のために訪れるのが和解NGO「行動・償いの印・平和奉仕」。歩いて行っている . . . 本文を読む
対馬に行く人にとってはちょっとお役立ち情報かもしれません。
厳原町の中心部、市役所のほど近くに「志まもと」という料理店があります。地元では知られた店です。郷土料理が主力です。
去年、ここで「ろくべえ」というものをいただきました。ネーミングからして野暮ったい。かけそばのようなものを連想していただくとよろしいでしょう。しかし麺は茶色ながらやや透けていて、こしがなくて、すぐにぶつぶつと切れてし . . . 本文を読む
縁あって、長崎のカトリックの方にキリスト教会を案内していただいた。
外海(そとめ)地方という長崎市郊外の沿岸部にある古い教会堂を訪れた。
まず行ったのが黒崎教会。レンガ造りの堂々とした建築。瓦屋根であるところが面白い。大正9(1920)年に完成したのだそうだ。近くには枯松神社といって、カトリックの聖人を祭神として祭っている神社がある。
出津(しつ)教会はフランスから来たド・ロ神父によ . . . 本文を読む
対馬から長崎へは小型のプロペラ機で飛んだ。オリエンタルエアブリッジという長崎ローカルの会社。一方で、福岡‐対馬間は全日空がジェット機を就航させている。これを見てもやはり対馬は福岡と生活圏を共にしているようだ。行政上は長崎県に属しているのだけれど。対馬ではこれまで「転県運動」というのが行なわれてきた。転県とは長崎県から福岡県へと所属を転じるということ。最近表立ってはないようだが、その感情は対馬島民 . . . 本文を読む
昨日が対馬アリラン祭の本祭だった。今年は午後4時から朝鮮通信使行列があった。
昼ごろ交流センター3階に行くと、庄野さんとばったりと会い、準備スタッフの方の昼食の場へ誘っていただいた。午後2時には出演者が入ってきて、衣装の着付けが行なわれた。山本会長の指揮のもと、非常に手際よく進められていく。3時過ぎてビジターハウス前に集合、それから行進順に櫓門のところに並んでいく。高校生に対して「旗を垂直に . . . 本文を読む