将来世代の平和のために ~ 世代間平和を語り合う集い平和を子どもたちへ手渡す。これが大人たちの一番の願いのはずなのに、現代の世界では、暴力、差別、支配、環境破壊の連鎖が世代間で続いてしまっています。どうすればこれを断ち切って、将来世代が安心して幸せに生きられる、平和な世の中を実現できるのでしょうか。この根本的な問いを、私たちは高所から論評するのではなくて、自分たちの人生にひきつけて考え、そこから出 . . . 本文を読む
コロナ後の「生類の平和」のために小田博志
「人間はちっとも偉くない。森や川、空や大地の声に耳を傾けよ。その全部に精霊が宿り、沢山の事を教えてくれて、それに従う。人間の都合だけで判断する事は間違っている。お前たちの社会は目先の事しか考えず、目に見えるものしか信じない。森が無くなれば、インディオも死ぬ。でもお前たちも滅びることを忘れてはならない。」(アマゾン・カヤポ民族の長老ラオーニ) 1)
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元米兵のグループ「平和のための退役軍人」が、沖縄辺野古で新基地建設に抗議したというニュースが昨年末流れた。
このグループのことは、アレン・ネルソンさんから北大で聞いたことがある。
「あなたのような元軍人はアメリカには他にいるのですか?」―「いますよ、Veterans for Peaceです」。
これほどの問題を引き起こしてる軍と基地って、そもそも要るんだろうか?「しかたない」と現状容 . . . 本文を読む
「安保関連法案に反対する北大教員有志」の呼びかけ人として、9月6日に札幌市で開催された「わたしたちは戦わない! ―NO WAR part2― 大集会 & パレード in 北海道」(北海道弁護士連合会主催)でゲストスピーチをいたしました。2千人を超える人たちで、大盛況でした。こんな話をしました。(小田)
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ご紹介の通り、私は大学の教員です。教室を出て、 . . . 本文を読む
草の根の人々はどのように安全を保障し、平和をつくってきたのでしょうか。
「安全保障」というとき、たいていの場合「国家」と「軍事力」という限定がついています。国家の安全を軍事力で保障するというわけです。けれども人類の長い歴史をみると国家を形成するようになったのはごく最近のことです。また安全を保障する手段は軍事力だけではありません。では、国家に取り込まれていない草の根の人々が、国家と軍事力によら . . . 本文を読む
安保法案は、その中身(海外で他国のために戦争ができるようにすること)だけでなく、採決のしかたも問題だ。言うまでもなく。
これに対して「強行裁決せず、堂々と憲法を変えるべきだ」という意見がある。一見正論だ。
しかしその先には大きな危険が待っている。「自民党憲法改正草案」という危険が。
それでは憲法を変えたくてうずうずしている自民党の思うツボになる。
その内容を知る(インターネットで . . . 本文を読む
今日、日本の国会で民主主義が崩壊した。
危険極まりない安保法案が「平和安全」特別委員会で強行採決された。「平和安全」だの「積極的平和主義」だの「国民の安全と幸せ」だのと、聞こえのいい言葉で、事の本質を誤魔化すところに安倍語法の特徴がある。だまされてはいけない。「平和安全法制」とは名ばかりで、日本をアメリカの戦争に巻き込み、市民の―特に若い世代の―命を危険にさらすことは目に見えている。安倍晋三 . . . 本文を読む
ものごとは正しい名で呼ばなければならない。
さもなければ偽りとなる。
安倍政権のいう「積極的平和主義」とは、「積極的軍事主義」である。
「集団的自衛権」とは、「集団的他衛権」である。
聞こえがよいばかりで、内実のない言葉で誤魔化しながら、軍事化を進めている。
「日本を取り戻す」とかけ声は勇ましいが、実際には「アメリカにつき従う」。この矛盾、恥ずかしくないのだろうか。
イラ . . . 本文を読む
『平和の人類学』という本が完成しました!
目次です。
まえがき(PDF版閲覧可)
第1章 平和の人類学 序論 小田博志
第I部 平和をつくる
第2章 南部スーダンにおける草の根平和構築の限界と可能性 栗本英世
第3章 東ティモールにおける非暴力の思想〈ナヘビティ〉 辰巳慎太郎
第4章 歴史の他者と出会い直す―ナチズム後の「和解」のネットワーク形成 小 . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2013年10月24日掲載)
「全ての平和運動は、最初一人でした。0と1とは違います。一人は微力かもしれませんが、何事もその一人から始まるんです」
東京都足立区のレトロな喫茶店で、作家の早乙女勝元さん(1932年生まれ)からお話を伺った。私は早乙女さんを前にすると、しなやかな意志の強さを感じる。冒頭の言葉はそれを象徴して、力強い。
45年3月10日未明。東京 . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2012年9月14日掲載)
人が、生まれつき変えられないことや、病気・障害などによって差別を受けることなく、夢や希望を自由に追求できる権利。これを人権という。現実に人権はさまざまな場面で脅かされることがある。だから、差別の歴史と現実を学び、それを繰り返さない社会を構想する場が求められる。
世界的にみてもまれな、人権を学ぶための場が「大阪人権博物館」(愛称「リバテ . . . 本文を読む
1. 誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する
2. 被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3. 被害者同士を対立させる
4. データを取らない/証拠を残さない
5. ひたすら時間稼ぎをする
6. 被害を過小評価するような調査をする
7. 被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8. 認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9. 海外に情報を発信しない
10. 御用学者を呼び、国 . . . 本文を読む
命こそ宝
2012-03-02 | 平和
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2012年3月1日掲載)
圧倒的な武力をもつ軍が侵入してきて、土地が奪い取られる。そんな相手にどう立ち向かうか? 沖縄県・伊江島の人びとにとって、その相手はアメリカ軍だった。
(伊江島と城山)
伊江島は沖縄本島の中ほどの本部町(もとぶちょう)からフェリーで約30分の所にある。島の真ん中に城(ぐすく)山という巨岩が聳(そび)え、対岸からもすぐにわかる。1945 . . . 本文を読む
春先になると、日本各地で紫色の花が咲く。東京だと、山手線沿線や千鳥ヶ淵に群生しているという。
(写真:石岡市観光協会HPより転載)
これは「紫金草(しきんそう)」の花だ。数十年前まで日本には生えていなかったという。なぜそれが日本各地に広まっていったのだろう。そこには国境をまたぎ、世代を超えた物語がある。
山口誠太郎さんが中国の南京を再訪したのは、1939(昭和14)年3月だった . . . 本文を読む
中国の旅
2010-04-11 | 平和
次の写真は、どこの街並みだと思いますか。
正解は中国の青島(チンタオ)です。町の中心部に建っている旧カトリック教会。現在は使用されていないようでした。
青島はドイツ植民地時代に開発された都市です。街並みにはその面影が今も色濃く残っています。
あの有名な青島ビールの醸造所に行ってみました。出てくるのは無濾過の本格的なビール。日本で売られているものとは違います。ここではドイツ時代の製 . . . 本文を読む