小田博志研究室

研究情報とブログを掲載

この1年

2010-12-31 | インポート
 なんといっても執筆に集中した年でした。  年の初めは『エスノグラフィー入門』を仕上げて、4月に刊行。さっそく北海道大学での授業で使いはじめました。またメールなどでも読者の方々から、感想をありがたくいただいています。読んでいただいてとてもうれしく思っています。  7月には、波平恵美子先生との対談『質的研究の方法』を出版しました。正確にいうと、僕が聴き手になって、波平先生のご経験から研究の方法と . . . 本文を読む

『エスノグラフィー入門』を授業現場で使う(2学期編)6

2010-12-16 | エスノグラフィー
 本日は  ラオスの遺産都市ルアンパバーンにおける価値生産―観光と建築から  という発表。  ラオスに実際に7日間滞在し、そこでの現場調査で明らかになった貴重な報告を聞くことができました。  問いの焦点は、ルアンパバーンという古都の世界遺産化に向けられました。  この都は、(世界)遺産研究の対象としてかなり興味深そうです。  というのはルアンパバーンでは、フランス植民地期の建造物も含め . . . 本文を読む

『エスノグラフィー入門』を授業現場で使う(2学期編)5

2010-12-09 | エスノグラフィー
 本日の発表タイトルは、  まほうペンをつくる―実践としての文房具利用  「まほうペン」というのは、インクの無くなったボールペンのことらしいです。ある美大では、紙に折り目をつけるために転用しているインク切れのペンをこう呼ぶのだそうです。「魔法のようにきれいに紙が折れるようになるから」か、それとも「インク切れのペンが、魔法のように便利な道具に変身するから」か?  発表者は文房具について調べてい . . . 本文を読む

『エスノグラフィー入門』を授業現場で使う(2学期編)4

2010-12-03 | エスノグラフィー
 昨日の発表のタイトルは、  日本とトルコの親密性―「串本町」という小さな町から  でした。  もともとこの発表者は、トルコと日本の関係に興味があり、事前調査をする中で串本町がトルコにゆかりがあることを知って、実際に訪ねてみたようです。  串本町は「本州最南端」の潮岬で有名な、紀伊半島の町。  その沖合いで1890年にトルコ軍艦「エルトゥールル号」の遭難事故が起き、串本住民が救助活動をし . . . 本文を読む