(北海道新聞夕刊<魚眼図>2013年9月24日掲載)
北京から西へ約300キロメートル行くと、山西省の大同市にいたる。ここは黄土高原の北東端に位置する。その歴史は古く、5世紀に北魏の都として栄えた。当時この一帯は豊かな森に恵まれていたそうだ。しかし時代を経るにつれ、黄色く、乾いた風景へと変貌していった。
「文明の前に森があり、文明の後に砂漠が残る」という言葉がある。ここ大同もその例外では . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2012年12月10日掲載)
「もちろん、ふつうの国民は戦争を望んでいません。それはどこの国であれ同じです。しかし国の指導者にとって、戦争を起こすのは簡単です。国民には『わが国は他からの攻撃にさらされている』と言い、戦争反対の平和主義者がいれば『非国民』だと非難します。これだけでよいのです。このやり方は、どんな体制の国でも有効です」
こうヘルマン・ゲーリングは戦 . . . 本文を読む
下の文章は、橋下大阪市長宛に送付した意見書です。橋下氏が大阪人権博物館(リバティおおさか)の補助金を打ち切りを決めたため、来年度からの館の存続が危うくなっています。しかし、このように公共性の高い施設にこそ、公的補助金が支払われるべきではないでしょうか。
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大阪人権博物館の存続に関する意見書
平成24年11月21日
橋下徹 . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2012年7月27日掲載)
原子力発電の原料はウランだ。では、そのウランがどこから来るのかご存じだろうか?
主要なウラン産出国のひとつがオーストラリアであり、北部準州のカカドゥ地区に大きいウラン鉱山がある。日本の電力会社も顧客である。この地区では数万年前からミラルと呼ばれる先住民族(アボリジニ)が暮らしてきた。
ミラルの長老マルガルラさんが、昨年4月に国連事 . . . 本文を読む
今日、世界的にきわめて重要なニュースが報じられた。それは日本、そして北海道にも関わってくるものだ。
国連総会において「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されたのだ。
その本文では、先住民族の政治的自治権、土地や資源に関する権利などが謳われている。
この国連宣言を受けて、日本においても先住民族・アイヌのこれらの権利が認められ、制度的に保証されるようになるべきだ。その実現は「日本国民 . . . 本文を読む
川の向こうの町に渡りたい。でも渡れない。橋はちゃんとかかっているのに。 なぜか。それはパスポートが無いから。 この間そんな経験をしました。フランクフルトと言えば国際空港と欧州中央銀行があるので有名なドイツの都市ですが、実は(少なくとも)もう一つあります。第二次世界大戦後、オーデル川(とナイセ川)がドイツとポーランドの国境となりました。そのオーデル川沿いに別のフランクフルトがあるのです。こちらは旧 . . . 本文を読む