小田博志研究室

研究情報とブログを掲載

『エスノグラフィー入門』を授業現場で使う(2学期編)3

2010-11-25 | エスノグラフィー
 今日の授業までの4つの発表について、まとめてコメントをします。いずれも、90分の授業に一人が発表をしました。授業の前半で発表し、後半で質疑応答という形をとりました。ハンドアウトの配布に加え、(多くの場合)教室備え付けのディスプレイ(50インチの薄型大画面テレビ)を通したデジタル写真の提示、現場から持ち帰ったチラシ類の回覧などがなされました。  4発表のそれぞれのタイトルは  「平和」の展示と . . . 本文を読む

『エスノグラフィー入門』を授業現場で使う(2学期編)2

2010-11-15 | エスノグラフィー
 実際に現場で調べたことと、「理論」とをどうつなげるのか?  これまでの発表を聞いていると、この点を理解することがやはり難しいようです。  どうやらこれが「関門」という感じですね。  この点を十分理解しないままだと、「理論あてはめ」か、もしくは「理論不在」かに陥ってしまうでしょう。  既存の理論を外側から引っ張ってきて、対象に無理にあてはめることが、「理論あてはめ」、「理論押しつけ」。 . . . 本文を読む

『バナナと日本人』『ナマコの眼』―鶴見良行の仕事

2010-11-11 | エスノグラフィー
 なにを今さらと思われそうだが、鶴見良行の仕事を紹介したい。  『バナナと日本人』(1982)、『ナマコの眼』(1990)という代表作で鶴見は、バナナだとか、ナマコだとかいった具体的なモノを通して、国境を越える人と人とのつながりを鮮やかに描き出した。その方法論は、常に現場を歩くことだった。  その点で鶴見はエスノグラファーであり、それも多現場・歴史エスノグラフィーを、そうとは名づけずに高いレベ . . . 本文を読む