(これは、「第9条の会・オーバー北海道」の求めに応じて書いたメッセージです。)
まず、自民党政権が憲法をどう変えようとしているのかを知ろう。
自民党憲法草案(「日本国憲法改正草案」)は、インターネットでも公開されており、容易に見ることができる。しかし、テレビではその全体が詳細に報道されず、第9条や第96条(改正規定)が断片的に取り上げられるにとどまっている。
この草案を見ると、第9条 . . . 本文を読む
本日7万カウントを越えました。はやいものでこのブログも8年目になります。
地球上、面白いフィールドは数知れず。今年は、ドイツとアフリカで調べていることをまとめていきます。
徳島の上勝町のように、地域には注目すべき萌芽がみられます。新しい社会のあり方を先取りしているのは、国政ではなくて、このような地域の動きではないかという気がします。それを捉える方法論としてエスノグラフィーを鍛え直していく . . . 本文を読む
なんといっても執筆に集中した年でした。
年の初めは『エスノグラフィー入門』を仕上げて、4月に刊行。さっそく北海道大学での授業で使いはじめました。またメールなどでも読者の方々から、感想をありがたくいただいています。読んでいただいてとてもうれしく思っています。
7月には、波平恵美子先生との対談『質的研究の方法』を出版しました。正確にいうと、僕が聴き手になって、波平先生のご経験から研究の方法と . . . 本文を読む
古代ギリシアの吟遊詩人ホメロスは、『オデュッセイア』をこう語り始めた。
ムーサとはパルナッソス山に住まう詩と音楽の神である。ミュージック、ミュージアムなどの語はここから来ている。また「パルナッソス山に登る」という英語の言い回しは、「文芸の世界に入る」という意味となる。
ドイツ留学時代、ナラティヴ(物語的)アプローチを模索していた僕は、休暇でパルナッソス山の麓のデルフィまで行ったことがある . . . 本文を読む
本日のNHKスペシャルを、わが意を得たりの思いで見た。
「阪神・淡路大震災 秘められた決断」というタイトル。
実質は「災害エスノグラフィー」の紹介だった。
「阪神・淡路大震災」という未曽有の災害現場で、消防団員や自治体職員が何を体験し、そのときどんな問題に直面し、そしてそれにどう対処したのかについて調査した結果を、発生14年目の今日振り返るというもの。
長田区の職員が住民に食糧配 . . . 本文を読む
今日の札幌は嵐のような天気です。みぞれが横殴りに降りつけてきます。気温は例年より高めで、雪が融けて道路に水溜りができています。あまり時間の余白のない今の日本で、大晦日からお正月にかけては日常から解放されたような違った時間が流れているようですね。
国際シンポジウム
今年、私個人が特筆したいのはやはり国際シンポジウム「市民がつくる和解と平和」の開催です。7月9日、G8サミットの最終日に当たる . . . 本文を読む
白い道路には非現実的な美しさがあります。
ふつう道路はアスファルト敷きの黒っぽいもので、あまり美的ではありません。
その上に雪が積もってスタッドレスタイヤで踏み固められると、季節限定の真白い道路ができあがります。タイヤも歩行者も滑りやすくて、危険ではありますが。
. . . 本文を読む
リーフェンシュタールは1902年に生まれ、2003年に亡くなった伝説的ドイツ女性。
ヒトラーに協力して制作した1934年ナチ党大会の記録映画「意志の勝利」と36年ベルリン・オリンピックの記録映画「オリンピア」2部作(「民族の祭典」「美の祭典」)は、ナチのプロパガンダとして利用された。
そのために第2次世界大戦後リーフェンシュタールは厳しい批判にさらされ続けた。
彼女が再び映像作家とし . . . 本文を読む
あけましておめでとうございます。
でももう9日。今日から授業再開。フェアトレードの話をしました。特にコーヒーとコットンについて。
修士論文の締切でした。卒論の締切日に比べると落ちついたもの。僕が担当した学生は映画と都市、祭りとモノ、難民とサイバーメディアとそれぞれユニークなテーマの論文を提出しました。
3月にはひさびさのドイツ調査。1年半ぶりですね。和解NGO「行動・償いの印・平和奉 . . . 本文を読む
ようやく今年の仕事が片付きました。これでゆっくりできます。
この一年、いろんな所に行きました。対馬、長崎市、韓国、猿払村-浜頓別町。東京や大阪はしょっちゅうでした。お世話になったみなさんありがとうございました。
授業(人類学と平和07)ではゲストスピーカーの方々のお力をお借りしました。三名の方々がそれぞれの人生の中で得たかけがえのない知識を分け与えてくださいました。本当にありがとうござい . . . 本文を読む
この1年の後半はとにかく忙しかったです。なんとか乗り切ることができて一息ついているところです。
今年は、東アジアの中の日本、そして北海道の歴史の多層性を再認識した年でした。
対馬では、江戸時代の朝鮮通信使の歴史を呼び起こしつつ、韓国とのつながりの中で新しい地域社会のあり方を作り出そうとしている人々の姿をみることができました。
朝鮮通信使は対馬を経由して、瀬戸内海を通って大坂に上陸しま . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊<魚眼図>2006年6月19日掲載)
商売柄、かなりたくさんの本を読む。しかし「目から鱗(うろこ)が落ちる」ほどの新鮮な洞察を与えてくれる本はまれだ。昨年の大学院の授業で読んだ「辺境から眺める」(みすず書房)は、そのまれな本の一冊となった。
著者のテッサ・モーリス・スズキさんは、日本史を専門とするオーストラリア国立大学の教授だ。その研究姿勢の特徴として、「マイノリティ(少数 . . . 本文を読む
今朝、熊本県天草でのキリスト教信仰の様子を取材したテレビ番組を見た(NHK総合「生活ほっとモーニング」「にっぽん体感こだわり旅 ジローラモさんと行く熊本・天草」午前8:35‐9:25放送)。
地元の人の自宅で、仏壇のような所の扉を開ければ、十字架やマリア像が収められている。その前の部屋は畳敷きで、コタツに入って団欒する。「カトリックの信者だからお祈りはかかさない。おやじが厳しかったから」とそ . . . 本文を読む