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小田博志研究室

研究情報とブログを掲載

神谷さんとバッハ(12/1)

2014-12-01 | 音楽
 札幌ではいよいよ本格的な冬がやってきたという感じです。きりっと辛口の寒さで、札幌はこうでなくっちゃと思います。やけで言っているのではなくて、雪で真っ白になった世界は、寒さも含めてすがすがしい。北大キャンパスも雪景色。最近まで金色の葉を茂らせていた銀杏並木も、夏は緑が美しい中央ローンも白く衣替えをしています。  「稀有の」と表現したい思想家/精神科医の神谷美恵子さん(1914-1979)が、バッ . . . 本文を読む

札幌のレオンハルト

2011-05-25 | 音楽
 不意に風が吹くように、レオンハルトはチェンバロを弾きはじめる。  いったん演奏がはじまると、すさまじい集中力が発揮され、密度の高い、輝かんばかりの音楽が流れ出す。  けれども演奏家本人はその間、やはりまっすぐな姿勢のまま、感情を表に出すことも、体を揺り動かすこともない。  これが齢83にならんとする音楽家の境地なのだ。  札幌でグスタフ・レオンハルトを聴くことができる幸運。  キタラ・ . . . 本文を読む

ジョルディ・サヴァール

2008-03-24 | 音楽
 ジョルディ・サヴァールはスペイン・カタロニア出身の音楽家です。  ヴィオラ・ダ・ガンバ(チェロに似た楽器)奏者として出発。その後指揮にまで活動範囲を広げています。  1941年生まれですから、バレンボイムとほとんど同年齢ですね。しかしバレンボイムがあくまでも「ヨーロッパ的な音楽」にこだわり続けているとすれば、サヴァールはヨーロッパの音楽の古層の探求から、ヨーロッパを越えて、キリスト教、イスラ . . . 本文を読む

ダニエル・バレンボイム

2008-03-23 | 音楽
 伝説的な音楽家は何人もいますが、バレンボイムもきっとそのひとりになるでしょう。そういう人物と同時代に生きていることを幸運に思います。  バレンボイムは現在ベルリン州立歌劇場音楽総監督を務めています。1942年にロシア系ユダヤ人の両親のもとに生まれ、幼少期に父からピアノの手ほどきを受け、10歳そこそこのときフルトヴェングラーがそのピアノの才能に瞠目し、、、  近年では、音楽を通した中東の平和へ . . . 本文を読む

伊福部昭と北海道の音楽

2006-02-12 | 音楽
 作曲家・伊福部昭氏が去る2月8日に亡くなられた(1914‐2006)。札幌市内のあるCDショップでは今、追悼コーナーが設けられている。この機会に1枚のCDを求めて聴いてみた(「伊福部昭の芸術2 響―伊福部 昭 交響楽の世界」KICC176)。”「ゴジラ」の作曲家”だけにはとどまらない、ユニークな存在だったことをはじめて知った。   まず北海道との結びつきの強さ。そしてアイヌ音楽の影響。  伊 . . . 本文を読む

光のヴァイオリン

2006-01-10 | 音楽
 光の音楽を奏でる。  そう形容したくなるのがレイチェル・ポッジャーのヴァイオリン。  「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」はJ・S・バッハが残したヴァイオリン音楽のいわば聖典だ。だから古今の名だたるヴァイオリニストが録音し続けてきた。古典的な評価を受けているのはヘンリク・シェリングのもの。昨年発売されたギドン・クレーメルの再録音も大いに話題となった。これら名盤の中からどれがベス . . . 本文を読む