札幌はまだ八重桜の季節です。そろそろ散り始め、近所の歩道の上に、桜の花びらの「吹き溜まり」が出来ていました。これからはライラックが見ごろになります。
授業、執筆、出張と目先の仕事をこなすのに精一杯の毎日です。映画に行く暇もない。「善き人のためのソナタ」も観逃してしまいました。しかし「ブラッド・ダイヤモンド」は終了前にすべり込みで観ることができました。
1999年、アフリカの小国シエラレオ . . . 本文を読む
(北海道新聞夕刊〈魚眼図〉2007年5月1日掲載)
宮本常一(一九○七-八一年)は民衆の視点に立ち続けた民俗学者だ。宮本の自伝「民俗学の旅」(講談社学術文庫)を読むと、憲法九条の成立にかかわりのあるくだりが目にとまった。昭和二十一年(一九四六年)初頭、宮本が当時大蔵大臣の渋沢敬三宅に立ち寄ったときの話だ。渋沢は宮本の調査を支え続けた人でもあった。
「(渋沢)先生は『幣原さん(当時首相)は . . . 本文を読む