NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、福岡を中心に大規模修繕工事やマンション管理運営をサポートいたします。

集改センターの「第162回 スキルアップセミナー報告」

2018-08-13 12:00:38 | 集改塾

集改センターの第162回 スキルアップセミナーの報告をいたします。

 

開催日:2018年(平成30年)8月1日(水)

テーマ:「組合員の高齢化と管理組合(相続放棄・成年後見人・認知症)」

講 師:中島 亮平(本会・正会員/弁護士)

<セミナー概要>

■高齢化の影響

高齢化社会が到来している、と言われています。高齢とは何歳からを指すのか?国の白書では65歳以上を高齢としているようです。全人口に占める高齢者の割合を高齢化率と言いますが、2025年に30%、2055年には38%に達する見通しとのことです。高齢化がマンションにどのような影響をもたらすのか、考えてみましょう。

■理事のなり手不足

 マンションにおいて、住民の高齢化はどういったところに影響がでるのか。高齢化だけが原因ではないものの、組合員の高齢化も理事のなり手不足の要因の一つになっていると思われます。多くの管理組合では、理事になれるのは組合員に限るとなっています。また理事会への代理出席も制限しているケースが多いと思われます。認知症と診断され、成年後見人が指定されれば当然理事の職務を行うことはできません。また、高齢の組合員が亡くなられた場合、相続の手続きがなされず、誰が区分所有者かわからないという事態も起こってきています。今後は、役員になれる者の範囲を拡大する方向で、管理組合は考えていく必要があるのではないでしょうか。

■認知症と成年後見

認知症の問題は、理事のなり手不足とは別に、徘徊や他の居住者の住戸のドアをドンドンと叩くなどの行為で住民生活に影響を与えているケースも報告されています。成年後見人が指定されていれば、公的機関への届出、介護施設等への入居といった対応も素早くとれるのでしょうが、そうでなければ解決まで相当の時間を要すると考えざるをえないでしょう。

■独居高齢者と要支援者名簿

大阪北部地震や記録的豪雨による水害など、最近も大きな被害をもたらした災害が発生しました。災害時においては要支援者とともに、高齢者についても自力での避難が難しく手助けを必要とすると考えられます。自分たちのマンションの現況を把握している管理組合は少数だと思われます。今後は自治体などと協力して実態を知っておくことがより大事になってきます。

■最後に

 マンションについては建物自体の高齢化も言われていますが、居住者の高齢化もますます進んできています。高齢化による理事会機能の不全は、マンションの管理不全を招き、建物の老朽化を進めることにもつながります。相続放棄や相続人の不明により管理費等が滞納されるという事態も起きてきます。今回のセミナーを聞いて、早急に高齢化対策を考えていくことが求められているのだな、と考えさせられました。

 

~次回開催予告~

■第162回スキルアップセミナー 2018年9月5日(水)午後3時から

 テーマ: 「新築工事の電気設備」

講 師:中野 友也(本会・正会員/電気工事施工管理技士)

<新築の電気設備の根本知識が無いと改修工事が出来る訳がありません。基本的な電気設備についてお話します。>


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。