NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、福岡を中心に大規模修繕工事やマンション管理運営をサポートいたします。

集改センター第9回 集改塾の報告

2014-12-08 15:12:00 | 集改塾

2014年(平成26年)12月3日

第9回 集改塾 (塾生9名)報告

 

12月3日(水曜日、午後7時~8時30分)、9回目の集会塾を開催しました。

この日は、先月のテーマ「大規模修繕工事の提案(共用廊下先行型による工事)」について、塾生のレポート提出の内容を基により深い意義ある意見交換をしました。

 

廊下先行型大規模修繕工事のメリット・デメリットについて

塾生回答一覧表

 

メリット

デメリット

1

暑い時期にバルコニーを開放できる。

バルコニー完了アンケートを配布してから、回収までの期間の作業が無くなる。

2

工種によっては、バルコニー先行型より早いタイミングで現場に入れる。

バルコニーの防水工事に入るころには、気温が下がり乾燥に時間がかかる。

3

 

工事に遅れが出た場合、バルコニーに足場が残ってしまう。

4

自分の意見

他社塾生の意見、当社工事部の意見を聞き、どちらにもメリット、デメリットはあると感じました。実際にカシワバラコーポレーションの廊下先行型を行っている物件を見に行きました。まず現場を見て、うちには廊下先行型を選択肢にいれれるほどの規模の物件がない事を痛感させられました。うちの会社がするべきことは、どちらを先行してするかということより、施工可能な施工場所を考え、一日の作業量を増やす工程の組み方を工夫する事だと感じました。

 

 

 

5

弊社はバルコニー部での作業が多く、足場解体前の作業になりますので実際に他の現場と時期が重なることがあり、日程の調整や人員の配置に困っておりましたが、廊下先行型だと調整がしやすいので良いかと思います。

秋の工事に関してですが、年末に足場がバルコニー側にあると居住者様にとってどうかと思います。工程通りにいけばよいのですが、伸びれば色々な意見が出ると思います。

 

 

 

6

エアコン制限の必要性がない。

バルコニー面の足場の解体が最終となる為、正月休みに係る可能性がある。その際のバッシング、警備費等の費用が発生する。バルコニー先行だと最悪バルコニー面だけを解体できる。

7

下地、シール、足場と同時施工が出来る。

なかなか決まりにくい色彩決定、試験施工を急ぐ必要がある。廊下の下地補修、シール工を先行しても色彩決定していない場合手待ちになる。

 

上記より私は、デメリット7の理由で秋工事でもバルコニー先行を選ぶと思います。

バッシングは、管理組合及び警備費発生の為、会社からも出る可能性がある。

最後に、バルコニーを先行して、足場を組み立て、廊下の内部のみ下地、シール工事を先行する。あまり意味がないでしょうか?

 

 

 

8

○宿題:廊下先行型秋工事のメリット、デメリット

 誰にとってのメリット、デメリットであるのかと云うところが、問題になると思います。ひとつひとつは白石氏の例示したとおりでしょう。そこで、施工者側からのメリットがそのまま居住者のメリットになるのかデメリットも同様の見方があります。常識的な判断があるとすれば、その常識は誰が(主に施工側か?)造ったものであるのかによって答えは違ってきます。双方にとってのメリット、デメリットは目的が違います。例えば目的と手段に置き換えるのも一案でしょう。居住者は何を求めているのか 或いは施工者はどんな手法をもっているのか納得のいく「話し合い」(交渉)が双方の「メリッ」トを多く、大きく「デメリット」を少なく、小さく感じられる様になるのではないでしょうか。(初参加でド素人の答案ですが乱文、非礼どうかご容赦ください。)

9

残暑期間中のエアコン使用制限がなくなる

天候不良等でバルコニー側の足場が残る可能性が高い。

10

居住者のバルコニーの片付けする期間にゆとりをもてる

足場が残ってくると長期休暇等が重なり、防犯対策が必要になる

11

廊下廻りの工事は、居住者様との在宅工事もあり、コミニケーションを取りやすく、今後の工事を進めやすくする方向にもなる

廊下側を先行する場合は、工事の使用材料の色決め等を早い目におこなわないと工事が遅れる原因になる。

12

居住者様が大規模修繕工事の内容を理解してもらう為にも、廊下側からおこなうほうが理解度が高まる。

 

 

 

 

 

実例紹介

当社で実際廊下側からの工事をやっている事情を説明します。

①280戸マンションで工期が6カ月かかるが年内に竣工したかった。

②すると、7月着工ということになるが、真夏でクーラー制限をするのは無理。

③で、8月9月はクーラー制限を避けるために廊下側から着工。

④バルコニー側は盆明けから足場着工し、普通の秋工事と同じ工程になる。

 

 

メリット

お盆明けは全ての秋工事が着工するので足場業者の確保が難しくなるが7月から着工していることで他の工事と重ならないのと足場業者の確保が確実になる。

(学校の夏休み工事より先に着手できる)シール・塗装・防水業者が7月8月の仕事を手配できる。

 

デメリット

秋工事は10月以降5時以降暗くなり、作業ができなくなるのと寒くなり塗装防水の乾きが遅くなる。竣工直前にバルコニーの塗膜防水をすると、乾きの問題で工程が遅れてバルコニーの足場解体が遅れる。

居住者はバルコニーの足場がバレると満足するが年内ギリギリまで心理的負担をかけることになる。

 

結論

したがって4カ月工期の工事の場合は廊下側から着工するメリットは少ない。

6カ月工期の秋工事は廊下側からするメリットはある。

 

<塾長の声>

竣工引渡しをまじかの12月であり当日欠席者3名にもかかわらず、9回目の開催を行いました。毎回、回を重ねるごとに活発な意見が出るようになり、また塾生同士の親密度も大きくなっているように思います。来年1月はお休みですが、2月からまた新たな1年を迎える集改塾にしていくつもりです。

以上。

 

 


集改センター第123回スキルアップセミナー報告「マンション設備のメンテナンスを検証する」

2014-12-08 14:55:30 | 集改塾

第123回 スキルアップセミナー 報告

開催日:2014年(平成26年)12月3日(水)
テーマ:「マンション設備のメンテナンスを検証する」
講 師:枝 俊男(本会・副代表理事/マンション管理士)


<セミナー概要>
■マンションの設備見学
マンションにはどのような共用設備が設置されているのか。映像で見学し、内容説明があった。
実際のマンションで共用設備の写真を保存しておき、新役員の勉強や修繕時の確認に使うと良く分かる。
■消防設備の法定点検
機器点検と総合点検の実施時期、消防署への報告時期、点検に必要な資格等の説明があった。
住戸内に設置の火災警報感知器やバルコニーに設置    
されている避難器具の点検が不在で行えない場合の措置。消防点検は、管理会社の委託料月額に含まれていることが多く、業務費用の明細が開示されていない場合は消防設備ごとの点検見積書を請求してはどうか。


■排水管について
排水管の仕組み、専有部分の中に共用部分である排水管の立て管が通っている。壁の中に隠れているので分からない。
排水管高圧洗浄の実施を動画で見て良く分かった。    
高圧水を逆噴射させ配管の中を洗浄するが、立て管の洗浄を掃除口から実施することが少なくなっている。以前は1住戸あたり5~6千円であった相場が今は3千円程の為、作業も手抜きになっているのではないか。
排水管には必ず通気管が設置されている。一時、採用されていた通気弁に故障が発生し、住戸内で臭気や結露水による漏水被害が起こっている。通気弁が設置されているマンションは要注意。
普段はあまり関心のないマンション設備について、現状の検証が行われ、大変参考となった。

~~ 次回:第124回スキルアップセミナー 2月4日(水)午後3時から ~~
テーマ:「管理組合は専有部分にどこまでかかわるべきか?」
講 師:木村 長敏(管理運営事業部/マンション管理士)
管理組合を悩ます認知症トラブルが増加。孤独死や空室、お一人住まいの高齢者への対応を迫られる管理組合。マンションでは60歳以上の居住者が50%を突破。
管理組合や大規模修繕の関係者は避けて通れない問題です。
さらに、最近では大手管理会社が専有部分のサービスを推進してきている状況がありますが、その多くが管理組合との全戸一括契約を条件としています。
これらの問題点をマンション管理士が鋭く提起します。
※ スキルアップセミナーは、毎月第1水曜日に実施されます。(1月は休講です)