goo blog サービス終了のお知らせ 

詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

数字と現実は違う

2017-10-28 09:09:10 | 自民党憲法改正草案を読む
数字と現実は違う
            自民党憲法改正草案を読む/番外136(情報の読み方)

 ネットで奇妙な分析を読んだ。竹中正治の「個人消費がどうしても伸びないのは「アベノミクス円安」が原因だった」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53310
 竹中正治は、こう数字を並べている。(この部分が竹中の論の中心ではないのだが。)

「正規雇用が減少して非正規雇用が増えたのは2013-14年であり、2015年以降は正規雇用の増加が145万人(内男性42万人増、女性103万人増)、非正規雇用が33万人増(2017年4-6月期、2015年1-3月期比較)で、正規雇用の増加が圧倒的になっている。しかも女性の正規雇用の増加が男性の2倍強である点にも注目しておこう。」

 これを私が知っている会社で説明する。
 その会社は、ある会社の子会社(関連会社)である。
 「派遣」を利用していたが法律が変わり、「正規雇用」に切り替えないといけないことになった。
 「派遣」のときは給料が安かった。当然(?)、若い女性が多かった。
 「正規雇用」にかわったが、給料はかわらない。
 女性の「正規雇用率」は当然、高くなる。
 竹中の書いていることは、統計の見かけである。
 女性は相変わらず低賃金で働かされている。
 親会社の仕事と同じ仕事をしている。
 新しい「搾取システム」になっているだけである。
 数字を並べる前に、実際に、「正規雇用」が拡大した企業を訪問し、そこで働いている人の声を聞かないといけない。
 今起きているのは、「見かけ」のとりつくろい。
 将来不安は消えない。
 だから、消費は拡大しない。

 円安が景気に逆効果というのは、「個人消費者」から見ればあたりまえのことである。個人は「輸出」などしないから、「円安効果で収入が増える」ということはない。個人は、もっぱら「輸入」する。食品の原料は「輸入」。材料が上がれば商品の値段も上がる。ものが高くなる。外国旅行も1ドルが100円のときと120円のときでは、金の使い勝手が違う。円安でもうかるのは「輸出企業」だけである。その「恩恵」がトリクルダウンで庶民に還元されないのだから、円安が「消費を刺戟する」ということはない。逆である。
 こういうことも、「個人」から社会をみていけば、すぐにわかることである。
 わざわざおおげさな統計を利用しなくてもいい。スーパーへ買い物に行く、旅行の計画を立てるだけでわかる。海外旅行は実際にいかなくても、計画を立てるだけで、あ、こんな円安では無理だあ、と感じてしまう。
 「数字」というのは「生活」のなかで見つめなおさないといけない。

#安倍を許さない #憲法改正 #天皇生前退位

詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載
クリエーター情報なし
ポエムピース

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 谷合吉重『姉(シーコ)の海』 | トップ | 数字は事実を伝えるか(安倍... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

自民党憲法改正草案を読む」カテゴリの最新記事